こんにちは。森下です。
さて、今回は「 時代にあった企業の特徴づくり 後編 パート2」についてお話しします。
「安心安全」「省エネ」を入れる
「安心安全」「省エネ」といったキーワードは、一般的なものになってきており「リノベーション」としても折り込んでおく必要はある。
ただ、ここでも企業によって考え方が違ってくるので、我社なりの「安心安全」「省エネ」といった基準を確定しておくことは重要である。
我社でいう「安心安全」とは何か?
「耐震性能が高く災害に強い」ということかもしれない。
「耐久性が強く、メンテナンスが安くて簡単である」かもしれない。
「家内事故を防ぐ。家族の健康を守る」であれば、それは「省エネ」にも関係してくる。
「健康を守る、暑さ寒さ対策ができている」は断熱性能にも関係するからである。
「省エネ」は「光熱費が安い」だけでなく「購入金額の補助を受けられる手はずを整えてくれる」「お金の段取りを協力してくれる」といったことまでも入るはずである。
こうして考えると、一般的なメリットと我社特有のメリットを上手におりまぜて決定的なメリットができることになる。
こうしたものが簡単には出てこないことはお分かりであろう。
「リノベーション」のような新たなるカテゴリーを流行とするのも難しいし、それで商売する企業の運営も簡単ではない。
とにかく消費者に認識をしてもらい、行動をしてもらわなければならないのである。並大抵なアプローチだと動かないことを認識してもらいたいのだ。
あらたなるメリットの追求
他にどういったメリットがあるか、付け加えておく。
工事中の顧客からの苦情で多いものを解決することがある。
たとえば「工事安心現場」というメッセージはどうだろう。
「職人の挨拶、掃除、マナー」「現場のホコリ、養生」「仮設トイレの掃除」「残材廃材の処理」「道具や材料の配置計画」「土足厳禁、タバコ禁止」といったことの徹底度合いをチラシで伝えるのもいい。
これまでの問題点を改善して進化したことを丁寧に伝えるのだ。
「新しい家でもヘンな匂いがしない」「臭くない家」というメッセージ。
ホルムアルデヒド対策で、家の用いられる建材などは健康に害のないものになっている。
しかし、新しい家に住む人に多く聞くのは「臭い」ということば。
樹脂や接着剤などは健康に悪くなくとも匂いがある。
この問題に対して企業として取り組んでいる様をみせるのもいい。
「私達は、極限まで匂いのない住宅を追求している。匂いがする部材を省くのには一部材料代が倍近くも変わるが、それでも快適な家造りにはかかせない。そこは譲れないのです」というとする。
「値段ではない、あなたの不安を取りのぞきます」というメッセージなのです。
「介護は身内がするな。他人がやれ」というメッセージも面白いかも知れない。
こう聞くと違和感があるが、これまでの常識を打ち消すようなことが、新たなる顧客獲得につながるのである。
新たなる改革「イノベーション」は可能性を求める消費者を反応させるし、「示差性効果」といった効果もある。
「人は違和感に反応しやすい」という効果であるが、そこをつくのである。
以前、エモーショナルなチラシで多用された。
「家はまず建てるな」といったメッセージもそうだし、チラシ自身も他社とは違う大きさ、色だけでもチラシの反応は違ったのだ。
そういった効果を「リノベーションの常識を変える」方向にむけていくのである。
伝える順番
「時代にあった企業の特徴づくり」だが、その考え方を少しはおわかりいただけたであろうか。
特にこの回では「リノベーション」について考えてみたが、大型リフォームをとりたい企業が多いので考慮した。
まず、周知させる。
そして認識させる。
という順番であったが、広告物として、もう一度説明すると
ステップ①
情報(たとえば「リノベーション」)が露出されている事実を知る。
ステップ②
それの一般的なメリットを羅列する。
ステップ③
我社の特徴、メリットを②に付加して、独自なものをつくる。
ステップ④
できあがったメリットをピックアップして証拠づくりをする。
ステップ⑤ 我社の認識を変えてもらい、具体的にお手伝いできることを書く。
火焔太鼓
「時代にあった企業の特徴づくり」とは、簡単でないし投資もあるだろう。
しかし、次なる時代に活躍する企業になるには必要なことである。
いま、業績がよくないと嘆くリフォーム会社が少なくない。
これからどうしたらいいのか模索しているのだ。
しかし、その多くは、これまでに好調な時期があった企業が多いのも事実。
そのギャップに悩んでいるのである。
「商売」は利益を出し続ける事ではない。
優良企業には20年間増収増益というのもあるが、そんな商売ができる企業はごく一部である。
だいたいが、儲けたお金を使って次に進んでいる。
この考えは江戸時代からそうである。
この考えがあるからこそ、売れるときにはとことん儲け、売れない時には儲けを崩すといった原則が成り立つのである。
古典落語に「火焔太鼓」というのがある。
五代目 古今亭志ん生、六代目 三遊亭圓生の十八番である。
古道具屋の親父が汚い太鼓を店先で小僧に掃除をさせる。
その時にでた音を籠の中の御奉行が聞いて「屋敷へもってこい」という。
二束三文で仕入れたものが三百両で売れるのだが、そこで値段交渉した侍が売値をいえない親父にこういった。
「商いは、儲けるときに儲けておけ。でないと損ができないからな」と。
時代にのるとはこういった考えがいるのである。
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