自店イベント集客の再構築 パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「 自店イベント集客の再構築 パート2」についてお話しします。

イベントのスタッフたち


では、イベントのスタッフについて触れる。

東陽住建は社員11人の会社。

社長1人にリフォーム部門約3名、残りが新築部隊と工務メンバーだという。

営業はリフォームも新築も販工を一人でやる「一揆通関方式」で運営している。

では、「10名ほどのスタッフで集客を成功させ、150名以上の来場者をどうさばくか?」が心配になるところ。

会場をみるとボランティアスタッフが40名〜50名程度の協力を得ている。

もちろん仕事上の関係者である 。

取引先や職人の中から雄志で協力会を作ってくれている。

また、社内スタッフの家族の応援も含めた「関係者全員野球」のイベントである。

それ以外にも、リクシルやパナソニックなど大手メーカーの担当者やショールームレディにも参加してもらっている。

その間を取り持つ商社からも毎回数名の応援をしてもらっているようだ。

TOTO、ノーリツ、ウッドワンなどは毎回というわけにはいかないようだが交代で参加してもらっている。

状況としては、リクシル、パナソニック、TOTOとメーカー担当者や商社マンがいて、それぞれに自社の商品説明をしっかりやる。

そのことで顧客はいいものを選べるのである。

一般的にメーカーショールームなどで商品説明をするのとは違った選択を顧客はすることができる。

これぞ中井氏は「正当な売り方だ」という。

職人スタッフの協力とは?


イベント成功の秘訣は「当日の賑わいがどうか?」と言うことだが、東陽住建はまず多数のスタッフの確保ができたところに成功がある。

ここには職人の協力が一番大きい。

取材した3月は「家造りチャレンジ」(子供の建築体験)を開催していた。

チラシを5万部打って告知である。

会場では、職人がスタッフとなって大勢参加していた。

いくつもある「体験コーナー」で参加する職人の実際の仕事をさせている。

全部で20名はいただろうか。

特に目についたのは職人の子供への対応。

とてもいい。

「まず、子供に挨拶させて、大人がちゃんと自己紹介する」というプロセスを徹底していたので、連れてきた親までもうれしがっている。

ビデオに撮りながら挨拶する我が子に「成長したな」と感激するようだ。

聞くと、職人には「どう対応するかマニュアル」があって、どう話すのかを職人みんなに徹底しているようだ。

たとえば、

①挨拶はこうする。

②自己紹介はこうする。

③子供に自己紹介を一人一人してもらう。

④みんなでそろってお願いしますという。

そこから体験はじめて、終わったら「ありがとうございました」といわす。

といったように。

最後は、子供の目線に下がってチャレンジというお金(参加賞)を一人一人配るというところまで徹底しているのだ。

これらはイベントが始まる前に確認してロープレするという。

こういった体験イベントは親子そろって会場に2時間はいるので、滞在時間が伸びることに貢献することになる。

先述した3回アポ取りもやりやすくなる。

喜んでいる親なのでアポが取りやすく、子供のイベント目的できた人でもアポ取りが可能だという。

こういった協力以外にも職人の協力は素晴らしい。

駐車場でガードマンしている職人がいるのだが、雨が降っている時など「お客さまをぬらさない」ということで、ガードマンをしながら車からおりる方へ傘を差し出している。

ここまでやられるとだれも太刀打ちできないだろう。

スタッフ確保は簡単じゃない


ここまでだと協力してくれる職人や取引先「これは特別だ」と思われたかもしれない。

しかし、こうなるまでにはいろいろあったという。

いまでは無料でスタッフ、職人、家族、取引先、メーカーが協力してやっている。

しかし、当初はスタッフだけでやっていたらしい。

職人からは、だれにも相手にされなかったのだという。

社内では「毎日がつらい」と涙ながらに会議をする姿をみて「みんなに頼むしかない」と開き直ったという。

だからといってすぐにうまくいったわけではない。

最初は職人・業者に強制的に手伝えといったらしい。(業者会と言うよりイベントのためだけの会)

参加する人は「手伝ったら仕事もらえるのだろう」という感じで、60社集まったそうだ。

しかし、そのうちに業種によって発注に差が出ることで一同大げんかになってしまってその会は壊れたという。

その後、身近な大工の棟梁にお願いして、独自で東陽住建の労働組合のようなスタイルの会を作ってもらったという。

東陽住建は「なにも口出さないし、雄志だけでやって」ということで、蓋を開けると20名が賛同してくれたという。

それでも、その後山あり谷ありで現在13名が運営に参加してくれているそうだ。

なんとか形になってから10年ぐらい。

「会をつくろう」と言うこと自体が生意気だと理解を得られなかったのに、あきらめないと人はついてきてくれるものだ。

いまではその職人が核となって、他のいい職人を連れてきてくれる。

いまでも心に言い聞かすのは「強制でやらしてはいけない」ということ。

やることは、東陽住建はこの人達をずっとえこひいきするぞといった宣言だ。

だからいまでも動きが違う。

やらされている感がない。

楽しんで協力してくれているのだ。

イベントでの食べ物効果


イベントで成果をだすには食べ物は重要なポイントだ。

滞在時間を長くすることが大切だといったが、食べ物が一番貢献する。

中井流理論では「受付から30分で帰ると何も起こらない。40分いるとファーストアクション(ねえねえ、ちょっと・・・)と引き合いにつながる」さらに1時間いるとアポとか契約しようかなという雰囲気になるという。

「まずは40分いるように」と考え、食べ物を振る舞っているという。

単にイベント会場にきて見て歩くだけだと、だいたい10分もすれば終わってしまう。

いま、主力は熱々の豚汁を出しているが、これは熱いので食べるのに10分ほどかかる。

あと、みたらし団子を2本出している。

これも食べるのにだいたい10分かかる。

連続で出しても、これで30分は稼げる。(笑い)

これだけでも、会場にきたことに不快な思いをして帰らないが、のこり10分をどうスタッフが声をかけて足止めできるか?である。

イベントで食べ物を出すと言うことで、食品衛生許可を取っている。

ここでは加熱ものが認められているので食べ物は火を通すものに限られている。

効果も熱いものがいい。

作っているのは、職人さんの奥さんや社内スタッフ。

お茶を出すのが、アポ取りが上手な商社の営業マンであるとか役割を変えている。

コメントは「今日、お話は全部聞けていただきましたか?」ときいている。

商社の営業マンはエンドユーザーに売り込みはせず、自分たちの商品のよさを話すぐらいなので、どういった場面で使ってもすごくよいという。

お茶のメニューは選べるようになっていて、来場者の好きなものを選べる。

やりとりではハイと言ってもらいやすく「イエスセット」に持ち込めやすい。

よって、できるだけお茶のメニューはあったほうがいいという。

飲み物メニューでは、いままで1番感動されたのは妊婦さんや奥様にはだがつやつや胎児にいいルイボスティーの温かいお茶は人気があった。

何てことないように思えるが、ちょっとこだわりがあるものがいいようだ。

イベント成功させるために


3月は一宮市内、全部で17箇所のイベントが開催されていた。

それらにどうやって勝つか?といった観点でイベントを企画していく。

マラソン大会やバスケットボールイベントは勝てないので避けるというが、常日頃から事務所の空きスペースで「毎日がイベント」と地元の小さなイベントを誘引しているという。

主催者に「東陽住建はいい会社だよ」と最後にいってもらえると無料で場所を提供し、名簿だけを管理させてもらっているようだ。

自社ショールームだが、イベント時には展示品を多く設置するが、通常のショールームでは全く設置はない。

イベント以外で展示品があってもなくても売上げは変わらない事がわかったからだという。

それより相談する机を多くした方がいい。

メーカーショールームは40分ほど離れているが、必要に応じてそこに誘引している。

地元の意見を聞くと、名古屋までは抵抗ないので問題なさそうである。

場所や事情によって40分はなれたショールームでも活用できるようだが、イベントでの展示の価値を上げる意味もある。

今後の考えとして、お年寄り対策があるという。

お年寄りがわざわざイベントに歩いてくるかな?まずこないだろう。

なかなか家からでてこないので、今後、マイクロバス借りて巡回してお客様を連れてこようかと思っているという。

「こちらから迎えに行く」それぐらいしないとイベントにはきてくれないだろうと。

駐車場に止められるかなと心配して来ない人もいる。

ただでさえ、集客が増えると道路まで車一杯になるので、集客が増えれば増えるほどバス送迎はありである。

おそらく来場プレゼントより「むかえにきたからいこうか」になるだろうと。

なるほどである。

さいごに


いかがであったか?

ここで書いたのは東陽住建イベントのほんの一部である。

3月に取材に行ったときには数社といっしょにいったが、どの会社も呆然として、そのイベントのレベルの高さに舌を巻いたのである。

もっと、東陽住建でのイベントを参考に、自社イベントの質を上げたいという声で埋まった。


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