表と裏 パート2

森下 吉伸

リフォーム会社


こうした表と裏を考えると、そもそも自分の人生の前提はなになのか?と考えるかもしれない。

たとえば、「何の為にリフォーム会社をしているのか?」そういった根本的な質問をされたらどうであろう。

「起業家として成功したい」「会社の売上げを伸ばし他人の評価を得たい」「自分の収入をふやしたい」など、経営者として恥ずかしくない回答をするかもしれない。

しかし、「よそはよそ。うちはうち」と考える経営者は「リフォーム会社は面白い。楽しい。やりがいがある」という人が多いのも事実だ。

どちらが生き生きと仕事をしているか。

起業家の成功や他人の評価を表の欲求として、やりたいからやるのを裏の欲求だとする。

たぶん、どちらも必要だが裏が小さいとうまくいかないものだ。

他人の目を気にするといっぺんにやらされ感がでる。

「売上げを倍増」「10店舗出店」「コンテストで 1番」とかむやみに目標をたててしまうのだ。

そして、いつも満足感を手にできない。

ひたすらやりたいことをやる自分として毎日を過ごした方が充実しているのではないか。

だから勝てない


なぜ、他の目を気にするとか、他社に勝とうとすると、満足感が手にできないのか。

他人と比較することで、相手の事が気になってしょうがないからである。

いい事も悪い事も、ちょっとしたことでも気になってしまう。これがよくないのだ。

自分のことを考えていればいいものを、いやなライバルにばかり気持ちがいってしまうのである。

それでは、ライバルの思うつぼにはまってしまう。

相手の存在に気持ちが揺れ動いてしまう。

そして、いつも相手が先に動き、こちらが後になってしまう。

こちらの動きや間合いも、ライバルが動いたことに対応するようになってしまう。

結果的に、いつも相手に先行を取られてしまうことになる。

相手が鞘から刀を抜く。

それからこちらが抜いても間に合わない。

勝負は、先に動いた方が有利で、あとから動く自分は不利なのである。

合気道や武士道でも、この話はよく言われる。

相手が先に動いてから、こちらが動くのでは遅い。

やられてしまう。

まず、相手より先に動け。

切られる前に間髪入れず刀を抜け。

というように。

つまり、相手の行動を気にするな。

そこに余計な雑念が入り、肝心な動きが見えなくなる。

気配を感じろと言うか、今出てくるな!という瞬間だけを気にしろというのである。

どうやれば勝てるのかと考えるから負けるのだと。

抜かれる前に抜けばいい、というのだ。

バンドのアンサンブル


こういった考えは、無欲の勝利というか、相手を瞬間的に見切ることで勝利を手にするというノウハウかもしれない。

これによく似たものでバンドのアンサンブルがある。

私は学生時代に、軽音楽部でリズム&ブルースのバンドをやっていたのだが、ここでアンサンブルに苦労した。

トランペットの朝倉誠二がいつも演奏の出だしが遅れるのだ。

サックス、トランペット、トロンボーンのフォーンセクションが、オープニングでそろってパーンと曲に入り盛り上げなければいけないのだが、いつも彼が遅れる。

そうなると曲全体が動かなくなる。

「何とかしろよ」と言うと、「せい、のう、でー」といってくれというのだ。

だったらちゃんと入れると。

それを聞いていた他のメンバーが、口で吹かないといけないのにしゃべれない、馬鹿言うなと。

他のメンバーを見ていたらわかるだろうと言われた、それだけならどうしてもあわせられないのだ。

彼は相手を見過ぎなのである。

だから、なにもかもが気になって、肝心なタイミングでトランペットが鳴らせないのである。

バンド演奏では、他のメンバーの動きをみて合わせてはいけない。

相手の動きだけを気にしていると、少しずれるのだ。

相手が動いてから、こちらが動くことになりやすいのである。

相手が動く前に、動くには、また、相手と同時に動くのであれば、相手全体を見るというより、相手の空気というか、間を読むというか、気にしなければならない部分は、わりと小さなもので済むのである。

1人で演奏しても、大勢のバンドで演奏しても、リズムは自分持ちである。

本当にいい演奏をやろうと思うと、相手と自分がそれぞれに責任と自信をもってうごくことだ。

だからこそギターが光ったり、ベースが光ったりする。

うまく演奏ができてこそ満足感がありやりがいが生まれる。

これでこそ、バンドを続ける由縁となる。

バンドであわせる事、ライバルに勝つ事は、おなじことかも知れない。

むやみに目標を立てるな


話を目標にもどすが、むやみに目標を立てることはいいようでよくないといった。

確立が高く、苦しくて、つらい毎日だけをつくることになりかねないからである。

経営者の成功は「商売を繁盛させる」ことだから、苦労はやむを得ないと思いがちだが、本当に目的はそれでいいのだろうか?

勝つことだけを念頭にやることだけが、会社を伸ばせる術ではない。

自分が「たのしいから」「やりがいがあるから」ということでも、多くの顧客に認められるものではある。

ライバルや目標がなくとも、自分達なりの存在感をもつことで、中小企業は存続すると思う。

「好きこそものの上手なれ」である。

自分にとってやりたいことや最高の状態を考えることで、会社の存在価値として最高の状態になるのである。

人の目を気にしないというのは、自分を守らないということである。

自分の好きなことに没頭することは「守るべき私を忘れた」ということになる。

目標をたてて、目指してそこに到達するより、好きなことやっていて気がつけばそこに来ていたが、最高の喜びである。

目標をもって成功するやり方以外に、こうした成功もあるのだ。

これも表と裏の考えかも知れない。

世界的なアスリートが話していたが、自分の結果やたたき出した数字を意識している時は、本当の運動効果は現れないらしい。

また、自分としてのトップに立つまでは減点法で見てはいけないともいった。

100点満点を知っている人だけが減点できるからだと。

トップに到達していない人が減点を考えると、鍛えるという発想が、逆に弱さを構造化するというのだ。

なぜなら、鍛えるということが「今の自分は弱い」と固定させることになるからだという。

鍛えるとも思わない方がいい。

なにが気持ちいいかを考えろというのだ。

ある程度やっている人が、さらに「これぐらいやればいい」「このぐらいやらないといけない」と考えること自体がいけないというのだ。

その考えが、むしろ「このぐらいになること」にブレーキをかけるからだという。

ライバル選手と比較して、努力と成果を数値的に確かめることが、逆に自分にとって一番のブレーキになるのだと。

勝利というのは、表と裏をどう読むか、ということにかかっているのであろう。


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