30代のリフォーム購入  パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「30代のリフォーム購入 パート1」についてお話しします。

若者の所有欲の変化


期待したほどリフォーム市場が盛り上がらないことと、既存顧客が高齢になった(若しくは亡くなった)といった理由で、若い層からの受注を模索しているリフォーム会社が多くなった。

そのせいか手軽なプランやデザインが目につく。
新築より手軽に買える中古住宅取得も合わせたリフォームのアプローチも多い。

しかし、現実として若者の中でリフォームは定着していない。
そもそもお金を持っていないし、優先順位も低いのであろう。

また、ここ数年で若者の意識に変化があるようだ。
「車を持たない若者が増えた」と言われるが、それ以外にも所有欲が減っていると実感する。

あこがれの車は高級だし維持費も高い。
駐車場もバカにならない。

そこまで車にお金をかけられない状況があって、自然に若者は車に興味がなくなってしまったのではないか。
もっとも、公共交通機関が充実している所なら、移動には不便はないだろう。

持つだけでお金がかかるので所有しない。
といった変化は、他にも波紋を広げている。

たとえば、音楽も配信で事たりる。
昔は音も聞きたいがレコードプレイヤーやレコードジャケットが欲しかった。

いまはスマホの画面で見られればいいという感じである。
音楽だけではない。
電話もカメラも辞書も買い物も全部スマホである。

所有しなくともスマホに入っている。
遊びもゲームなどが主流で、どこかに行かなくとも済ますことができる。

なにか所有するときにも、一人で一つといった購入方法ではなく、何人かでシェアするといったことも一般的になった。
所有は気にしない。

お金の使い方自体も「欲しいものがあればお金をためて買う」といったスタイルではなく「まず、毎月どの程度のお金がだせるか?」を決め、それにあった買い物をする。

たとえば毎月3万円のお小遣いなら、分割払いもふくめてそれにおさまる物が購入条件になる。
多くの業種で決まった財布から「何にお金を使わせるか」の奪い合いが行われている。

では、その奪い合いでリフォーム会社が勝てるにはどうしたらいいか?

若者の代表を30代とし、この世代がリフォームを購入するときのポイントや、購入する方法もこれまでとは変化しているのであれば、リフォーム会社もどう変化すればいいのか。
今回はそれを考えてみたい。

リフォーム定額で使い放題


「何を売るか?」より「月々どのくらいでおさまるか?」で考えてみる。

いま、よく聞く販売方法で「定額で使い放題」というのがある。
これまで一般的な購入方法は、代金を支払い所有権が移る取引で「ワンタイムトランザクション」である。

一方、動画や音楽を定額で聞き放題できるサービスは「サブスクリプション」といわれる。

いまでは「定額で使い放題」という言葉で使われているようだ。
では、定額はリフォームではできないだろうか?

定額で使い放題は「リフォームで一定期間に定額料金を支払う。
継続課金する定額継続販売サービス」である。

クレジットカード決済が浸透したいまでは、とても簡単で便利にできる。
また、顧客だけでなくも販売する企業側も集金リスクが少なく安定課金できる。

これまでお金がある層にしか感じなかったライフタイム・バリュー(ロイヤリティの高い常連客になってもらい、現在から将来にもたらすであろう「企業利益」から割り出させる価値のこと)をお金のない若者でも当てはめることができる。

一般的にリフォームは需要が発生した時の受注である。
それを「快適な住生活をおくる為に、定額継続課金できないか」ということになる。

あらかじめ家庭で決められた月々の出費予算に家関連費用を組み込んでもらうのである。
この手の発想は、これまでにもあった「リフォーム友の会方式」とも似ている。

ただ、友の会は「アフターサービスの一環」「次の受注までの関係作り」が目的だが、ここでいう定額サービスは、これ単体でリフォームビジネスにならないかというもの。

保険という考え


こうなると、次のリフォームへの貯蓄というより、「快適さを維持するための保障」という意味合いに近くなるかもしれない。

つまり「保険」というニュアンス。
ただ、生命保険会社のビジネスモデルは、保険料収入と資産運用益によって成り立っている。

前提は加入者が支払う掛金より、保険会社が支払う保険金が少なくなるようにしなければならない。

そのためには予定死亡率を出しておいて、まかなえるラインを決めておき保険料を決めるのである。

まず、多くの加入者が必要で、そして、資産運用のリスクの低い投資を行い、運用益がいる。

生命保険は「やがて来る死に対する保障」である。
リフォームで言い換えると「老朽化によって、やがて訪れる大きな費用を必要とする改修工事を想定した保障」だといえる。

どうしても「快適な住生活を維持する」というより、将来必要となる高額なお金へのリスク回避が先決であろう。

また、できるだけ有利に前倒ししておくようにする方法である。
月額に見合った保障とはなにか?どの線でルールを決めるかは難しい。

また、対象工事の選択も同様である。

工事の大半は、贅沢品より必需品であろう。

屋根や外壁など雨漏りや家の即老朽化に繋がる修理費用などになる。
10年後か20年後に来ると考えられる大型リフォーム工事のこと。

その時に備えて支払った保険料だが、その総額より、もっと、多くのリフォーム工事が出来なければ保険にならない。

そうなると何だかの運用がいる。
生命保険では老衰でも保険金はでるので、リフォームもいつかは必ず対象工事の支払いがでることになる。

たとえば築年数が10年までの家で、月々1万円(年間12万円)で、将来屋根や外壁に寿命がくれば、リフォーム代金が保険金のようにおりる。

また、それまでの簡単な雨漏りやコーキング補修などの工事代金は保険に含まれる。20年後か30年後か。寿命だと思われる現象によって工事が行われる。

ただ、保険の発想でビジネスを作るには、法整備や関係官庁との話し合いもいる。
また、保障を考えると加盟する人を多数集めなければならず、運用できる額を集めるにも難しさはあって、現実的ではないかもしれない。

ただ、アイデアレベルでは持っておきたい。


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