すべてがIT企業に パート1

森下 吉伸

黒字リストラ


企業が定年前に退職する社員を募ることを「早期・希望退職」という。

「早期退職」は、時代や状況によって人員構成を整える為にされることが多く、「希望退職」は業績悪化などで人員整理になったときにするものだ。

いずれにしろリストラである。

ただ、これまでは「業績が悪いからリストラ」だったが、いまは好業績なのにリストラする企業が増えているらしい。

日経新聞によると、これまで上場企業でこの退職が多く実施された年は2002年の4万人だったそうだ。

次に業績不振の電機業界を中心に2009年以降2万人程度の実施が続いたという。

これらの企業は、バブル世代や団塊ジュニアの中高年が数多く、年功序列型の賃金体系では給与負担が高いので減らすねらいがあるというのだ。

ただ、昨年、早期・希望退職を実施した上場企業35社のうち黒字だった企業は6割以上もある。

実際には中高年を中心に9千人以上を削減したようだが、募集は1万1千人だったので、2013年以降6年ぶり にリストラ計画は1万人を超えたのだという。

ただ、有効求人倍率は高止まりしていているので、雇用全体としては決して悪くない状態だといい、不可解なことになっているようだ。

若手にシフトする


なぜ、こういう状態になるのかというと、多くの企業が若手社員の給与の再配分や、デジタル時代に即した人材確保を迫られているからだ。

 IT化が進み、それを取り扱う能力がない中高年にお金を出すよりも、活用できる技術や経験のある若い社員に力を入れたいのである。

かねてからの人材不足や労働者保護が強い環境のなかで、できるだけ社員を有効に使って行こうとすると、この流れは理解できる。

この流れは、やがて中小企業にも生じるだろう。

旧態依然とした中小企業では縮小傾向もあって「小さな組織で大きな成果をだすこと」が大切だと考えるしかない。

業務の効率を考えると、 IT化はしかたないのである。

それに先だって大手企業はロボットや IT 技術をフルに使える体制に、社内を変革しようとしている。

固定費の高い中高年のマンパワーは見限って、業績が堅調で雇用環境もいい時期にIT人材に振替えて、効率の高い会社にしようとしているのである。

若手の年収が上がる実状


さらに日経新聞は、黒字リストラが目立ったのは製薬業界だという。

中外製薬などは、純利益が2期連続過去最高だったとあるが、45歳以上の早期退職者を180人も募ったという。

アステラス製薬も純利益が35%増える中、700人早期退職を募ったというのだ。

好調な時期に、社内のスタッフ構成を大幅に改革させようというスタンスが見える。

企業の経営環境は AI の進歩を受けて、急激に変化している。

熟練者の存在がなくても、莫大な情報と知識、経験から理解できるものもデーターベースがAIにはあるので社員は若手でも充分である。

従来 の技術や専門性での競争力より、IT関係で高度技術を持つ若手の確保が最優先だからである。

そのために若手への給与基準を上げなければならない。

NECは1年間に3千人の中高年が去っているという。

一方で新入社員でも能力に応じ1千万の年収を支払う制度を設けたようだ。

富士通も2千850人をリストラしたが、デジタル人材に年収4千万を出す構想を練っているとも聞く。

つい最近、中国でデジタル人材に馬鹿高い年収を設定して、企業間で取り合いをしていると聞いたときに、「そんな馬鹿な」と思ったが、もう日本でもその状況になってしまったのだ。

個人の仕事が変わる


こうなると、デジタルがわからないという中高年は今後職がなくなる。

中小企業も現状では、即戦力となる経験ある中高年の引き合いは高いが、この状況はそう長くは続かないだろう。

リフォーム業界でも工事内容や現場管理もデジタル化が進んでいるので経験者よりデジタルが使える人材が必要となりつつある。

中国のように、労働者があまっていて、デジタル化を進めると労働者があぶれるわけでもないので、日本のデジタル化は大手から中小企業にすぐにおりてくるであろう。

つまり、これからは中小企業でも、スマホやパソコン、ネット関係だけでなく、 SNSやキャッシュレス、ポイントなど、新しいシステムに追従できる人材が1番必要となる。

リフォーム業界でも、建築士や現場監督の知識や経験などはデーター化されるので、個人は能力をつけるより、巨大な知識と情報が入っている機械をどう動かすかが重要な仕事となる。 すべての企業がIT企業になる日がやがてくるだろう。

理論と非理論

バランスよく行動する


私は、動画ブログをユーチューブで配信しているが、先日撮影したそのひとつを紹介してみる。

「きちんと目標をたて、スケジュールをたて、実行すること が重要だ」という経営者がいれば、「目標など立てない。情勢や時代を感じながら行き先を決める」と言う経営者もいる。

それを「理論派と非理論派」とすると、あなたはどちらだろうか。

これは、どちらの考えが正しいかというより、うまくやるには両方の観点が必要ではないかと思う。

理論だけでも非理論だけでも限界はある。

世の中、どれだけ綿密に考えても思い通りにいかないことばかりである。

非理論派は、出たとこ勝負といった感もあって、確実性は低いが「どうも理論通りにいかない」と限界を感じたときには、非理論的な考えが役に立つだろうから。

釈迦の悟り


理論と非理論のバランスを考えるときに、参考になるのが釈迦であろう。

言葉の意味を説明すると、理論とは「ばらばらなものを道筋たって説明したもの」であり、非理論は「説明できないが理解はできるもの」というニュアンスになる。

釈迦が菩提樹の下で「縁起」を悟ったというが、「縁起」の説明を聞いてだいたいは理解できるが、だからといって悟れない。

これにも「理論と非理論」の混在がなければできないのではないか。

「縁起」は「自分は独立自在でなく、周りとの関係で成り立っている」という概念であり、根源のような考え方である。

これを理論だけで説明されても完全なる理解にはならなくてもしょうがない。

言葉や文章だけも理屈だけでなく、体全体で理解できるというか、自分自身から湧いてくるような理解がなければ悟りに近づけない。

その理解は理論的には言えない。

非理論的な感覚によって得られるのだと思うからだ。

では、その感覚はどういったものか?


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