住のチャネルを確立させる パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
2019年が終ろうとしています。
今年1年はどうでしたか?また来年はどの様な年にしたいですか?

さて、前回に引き続き「住のチャネルを確立させる」についてお話しします。

売り方を工夫していく


そして、売り方を進化させていくわけだが、ここで「これからの時代、ユーザーはリフォームをどうみるか?」推測してみる。
衣食住の基本がすぐには大きく変わらないのであれば、今後もユーザーは買い物を衣食住というカテゴリーに分けて考えるのではないか。
前回のレターで、リフォームで1つのチャネルを作るべきだといった。
食(食料品・日用品)はコンビニがチャネルをつくり、住(家・人手)はリフォーム会社がまとめて受付ける、ともいった。
衣食住のなかで、コンビニなどが、食に日用品など生活品を加えたチャネルをつくって、店舗エリアでの需要を上げようとしているのなら、リフォーム会社は住を充実させシェアをあげるしかないと。

 

ここで、気になるのは衣のチャネルである。
ここは地域戦略にはあまりかかわってこないかもしれない。
そもそも衣食住という言い方からも分かる通り、衣は食や住より優先されているのである。

食の方が優先ではないか?食べないと死ぬではないか?とお思いであろうが、人の構造でいうと、寒い気候であれば食べることより体温が下がる方が早く死ぬという。
3日間食べなくとも死なないが、真冬に一晩裸でいると死ぬ可能性が高い。

ましてや家はなくともホームレスがなんとかなっているのをみると衣の優先順位が高いのが分かる。
それもあって衣はもともとユーザーの購買意欲がたかいものである。
そして期待が高い。
食や住と違ってファッション、サイズ、季節で変化する、とカスタマイズ性も高く販売方法が他のチャネルとは違ってくる。
地元の実店舗では在庫が対応しきれないので、地元密着店舗というより「大型店舗」「インターネットの併合」になるのである。

 

だとしたら、衣は別で、住は食との共存が必要となる。
食が日用・食料品など生活品の購入だとすれば、リフォーム会社がやることは、家のメンテ、修理、リフォーム、新築、売買、から便利屋的な人手の派遣、そして、生活のしかた、くらし方、また、人生をどう生きるかといったライフプランの提案ということになる。

 

そこには、お金の上手な使い方も含まれ、ライフプランナーとしての仕事も含まれるであろう。
これらのサービスが網羅できることで、食のチャネルである「コンビニの玄関で勝負」に受けたつ、住のチャネルになれるのではないかと考えるのである。
では、リフォーム会社である我々が、このチャネルでどう優位に立つか?これが問題となる。今一度、整理してみようと思う。

 

エリアで優位性を高めるにはどうするか?


いま、縁故マーケティングで考えている5万世帯が、今後も一つの基準ではないか。
リフォームでは、自社エリア5万世帯。
折り込み5万枚、既存客5000組、売上5億円。
この中で、さらに住のチャネルを広げる。

5億円で安定するまでは、ここだけに特化してあとは一切やらない。
ライバル会社とは原則戦わないも基本だが、このエリアでガチンコ戦いが生まれると、その時はどんな手段を使ってでも取りに行くことはある。
しかし、他のエリアでは戦わない。もちろん負けてもいい。
しかし、自社エリアでは我々が制覇している。という感じは続けたい。

また、住のチャネルといっても本業はリフォームである。
すべての商品やサービスは、いつもリフォームに導けるものであり、リフォームの受注を増やすものでなくてはならない。
なかでも重要なのは、リフォームのリピートにつながるものでなくてはならない。

 

そこで優位性を高める為に、次の4つの柱が必要となる。

①便利屋
②家のメンテナンス・リフォーム
③新築に追従する
④くらし方アドバイス

 

①便利屋
これまでにもお伝えしたが、高齢者社会で需要が上がると思われる「人手の派遣業」である。
家事、掃除などで、お手伝いするものである。
これはリフォームにつなげるファーストステップであるが、それとあわせて玄関でものを売るということの実現である。
このサービスで採算を取るかどうかは、それぞれの考えはあるが、とにかくエリア内の名簿を増やし、接触頻度を増やすことが大きな目的である。
アフターサービスと主婦に定期訪問させている会社ならば、その費用を便利屋にあてた方がいい。
キチンとチームを作って、巡回などを行い、スピーディに対応できる体制も必要なるであろう。

 

②家のメンテナンス・リフォーム
これも触れたが、縁故マーケティングの進化である。
自社エリアだけをターゲットにしたイベント集客。これはこのまま続ける。
ホームページは、詳しい情報の発信と、お客様の声、施工例といった証拠をみせて、反響する前に確認して納得できる内容にする。
イベントも、名簿を稼ぐイベント、単品を売るイベント、水廻りリフォームするイベント、大型リフォームをするイベント、などバラエティに告知して、実際のリフォーム需要を獲得する。
ニュースレターで関係を維持して、交流できるイベントも行う。

ただ、これからは施工力が望まれる。
工事に関して満足があるかないか?それが次の工事を依頼してくるかどうかを決めている。
もし、既存客からの反応が落ちているのなら、率直に言って工事がマズイのだ。「マーケティングより工事力」を見直すことだ。

 

③新築に追従する
新築住宅の需要は、まだ下がるだろう。
団塊世代がつくったバブル期の160万戸供給がウソの様である。
次に、その子供達(団塊ジュニア)に次なるバブルの期待があったが、待てなかった住宅業界はこれまで彼らに売り尽くしてしまった。
よって、もう増えることはない。これから70万戸~80万戸に満たない時代になる。

一方、ストックされた住宅の活用が必然となり、同居二世帯への建て替え、中古のリノベーションといった需要は増えるであろう。
そして、性能のよくなった住宅へのリノベーション、リフォーム能力が会社の実力として必要になる。
先ほど言った、住宅の変化に追従しなければならない。

 

④くらし方アドバイス
このゾーンは、重要だがやるのが難しい。
これは、会社にノウハウが必要だしスタッフにスキルが必要となるからだ。
しかし、この体制を整えることができれば簡単にライバルに負けることはない。
アドバイス業は今後重要である。少しでも前進できればそれだけ差別化となり優位性が満たされる。
住まいづくりにおいてのポイントは家族間の調和である。

そして、どう上手に生活をしていくかの提案である。
そこにはLIXILの「ライフスタイルコンパス」や保険業の「ライフプラン」などのツールがあったほうがいい。
また、それ以外にヒアリングシステムや、人生提案システムのようなものがあれば、まずは使ってみる。

 

そして、かならず必要なのが、営業マンのアドバイススキルである。
単なる御用聞きの営業マンでは、住のチャネルで優位には立てない。

ひとことでいうとヒアリングと提案スキルである。
この2つを共通して大切な事は、心を開いてもらいホンネをいってもらうこと、関係を良好にすること、そして、希望や期待をはっきりさせて、それを実現することである。
「人の気持ちが理解できない」「一般的な考えが分からない」といった営業マンはもういらないのである。

 

具体的な体制を再度確認する



体制をもう一度確認してみる。
まず、リフォーム店舗が現状あるのならそれでいい。
そして、そこを拠点としてリフォーム営業マン・工事マン、スタッフを含めて10名~15名程度で組織を作っていく。
これでリフォーム売上げ5億円を目指すのだ。そして別部隊で便利屋チームを作る。

 

まずは、エリア内にある小学校1校区あたり1名の作業員担当で考え、必要な人数を確保する。
最初からフルタイムはいらないので融通のきく採用がいいであろう。(アルバイトか?)
便利屋の管理者を1名はたてて、営繕工事や簡単なメンテはこのチームで取扱い、採算より関係作りを優先する。
丁寧な対応に満足した人が口コミしてくれることを願う。

 

会社の技術など実力を上げる為に、体制を整える。
既存である会社で使っているツール以外に、CADプラン、パース、概算見積表、カタログ、掲載雑誌、といったものも、資金がゆるす限りは用意した方がいい。

 

また、新たなる知識や情報をいれてこれまでとはワンランク違うスタッフの対応力にするには、対応できるチーム編成が必要となる。
簡単なのが営業マンと工事マン(技術者)がセットになったチーム編成で対応するというもの。
まだ、知識のない営業マンでも心強いし、工事への引き継ぎもうまくいく。
ただ、くらし方のアドバイスについては、すべてのスタッフに能力をつけさせないといけない。
何度も言うがシロウトではやれない時代なのだから。

 

最後は人である



さて、いかがであろう?
今後のリフォーム会社の方向に触れてみたのだが、住のチャネル化はお分かりいただけたか?
いろんな方向がリフォーム業界でもあるが、縁故マーケティングをこれまで続けた会社の将来を示してみた。

 

最後にもう一度確認したい。
縁故マーケティングは、エリア拡大によって収益を上げない。
シェアのアップによってあげるもの。

そして、新規だけを追わない。
逆に既存客を大切にする。
自社には到底できない他社の手法を真似しない。

また、見なくていいものまで見ない。迷うだけである。
あれこれやらない。絞ってやれ。
うまくできないときこそ、基本的なことを粛々とやる。
あわてず、あせらず、ゆっくり数字を伸ばしていけ。ということなのである。

 

そして、このスタイルについてくるスタッフを採用しなければならない。
バカではダメだ。
センスのいい優秀な人材だ。
「取りあえず売ってくるからいい」という営業マンだけではなりたたないのである。

 

また、社長や上司に反発するとか、顧客に負担をかけている営業マンもダメである。
「売っただけ歩合が欲しい」とそこだけいう営業マンもダメなのだ。
よって、人の採用がとても大変になり重要となる。
しかし、覚悟して欲しい。そういう時代なのだ。
もっというと経営者の今後の仕事のメインは金勘定ではない採用なのだ。仕事の優先順位が1番で、そして、いつも気を緩めてはいけないのが採用なのだ。

 

ダメな人は絶対に雇ってはいけない。
いい人材がこなくても、自分たちの基準に合う人がくるまで、めげずにやらなければならない。
そして、パッションを持続しなければならないのだ。
ただでさえ、ひと手不足な世の中である。
最後は人なのである。
より、気合いをいれていただきたい。


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