「メンタリングセールス」を構築する パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

 

今年もはや1か月が過ぎようとしている。
スタートダッシュはいかがだろうか?

 

さて、前回はセールにおいて必須スキルである、「メンタリングセールス」について触れた。

 

このスキルを獲得するのは何も特別なことをしなければいけないわけではなく、「誰もが獲得でき、体得すれば好成績を維持できる」ものである。

 

今回はその「メンタリングセールス」について、具体的な獲得方法についてお話ししたいと思う。

 

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具体的にメンタリングをステップに入れる


では、初回面談に必要なセールスステップに、具体的にメンタリングを入れてみる。簡単に言うと、次の8ステップとなる。

 

1 初めて会う、イエスセット、ペーシング
2 なんの目的で来たのか?なにをもとめ、期待してきたのか?と聞く
3 なぜ、リフォームするのか?なぜ、いまなのか?と聞く
4 答えに対して、なぜ?どうして?繰り返す
5 うわべは信じない、表情・態度・話の内容に合わせていく
6 資金計画、概算金額、概算工事内容など契約する最小限の情報を伝える
7 テストクロージングする
8 このまま私が続けていいか確認しOKなら次回アポを取る

 

これだけでも、いいが、さらにここに「焦点化」「直面化」するステップを明確にいれるとする。

 

1 初めて会う、イエスセット、ペーシング
2 なんの目的で来たのか?なにをもとめ、期待してきたのか?と聞く
3 なぜ、リフォームするのか?なぜ、いまなのか?と聞く
4 答えに対して、なぜ?どうして?繰り返す
5 疑惑の導入「本当ですか?」により直面化させる
6 表情・態度・話の内容に合わせるが、うわべも聞き、裏にある意図を探る
7 出てきた答えを適時リフレーミングし、期待するリフォームを焦点化する
8 資金計画、概算金額、概算工事内容など契約する最小限の情報を伝える
9 今回のリフォームでの目標・スケジュールを明確にする
10 テストクロージングする
11 このまま私が続けていいか確認し、OKなら次回アポを取る

 

これで、「直面化」「焦点化」をどのタイミングでいれるのがいいか分かっていただけただろう。
ただ、実際にはこの通りにならなくともいい。ひとつの基本的なステップだと理解して欲しい。
気をつけて欲しいところは、「直面化」「焦点化」させるなら、先にいった「顧客はウソをついている」と決めつけてはいけない。
表面的に言ったウソの言葉、そのウソの裏にある考えの両方に目を向けなければいけない。
なぜ、そういったウソをついているか、その意図にまで疑問を持ち、直面化させることも大切なのである。

 

また、ステップばかりに気を取られてはいけない。
全体がどう流れているのかも重要である。基本は、顧客が希望する会話の流れに合わせることがよい。
間違っても、セールスマンが話を積極的にどこかに誘導しない。また、流れをむやみに遮ってもいけない。
顧客が話したいタイミングで、話したい内容を随時話してもらう。だからといって、顧客が本筋からはずれた会話をはじめたときは、多少強引でも戻した方がいい。
いくら顧客のペースで進めるといっても、本筋に関係ない話をいくら聞いても意味が無いからだ。

 

ポイントは、会話の内容をさらにリアルにするため「リフレーミング」と「ねぎらい」を増やすことである。
「つまり簡単にいうと○○ですね」「これまでをまとめると○○ですね」とでもいいし、顧客自身に「もうすこし、簡単にいってください」「私が分かるようにいって下さい」「ご家族だと、どう言うでしょう」と言い換えてもらってもいい。
イメージだけの会話を、どんどん符に落としていく、より鮮明にしていくことでも焦点化になる。

 

そこに、適時「ねぎらい」を入れていく。
そうすることで、顧客は「認めてもらった」と安心感がうまれ関係が深まる。
「これまでよくやってこられましたね」「よく考えてこられましたね」「縁の下の力持ちをご苦労さまでした」といった掛け値なしの言葉は、だれでもうれしいものだ。
ネガティブな部分が薄れ、いい結論にむかって考え出すだろう。
ただ、「ねぎらい」の声がけは、トレーニングをしないと上手にいえないので、ロープレなどじっくり重ね、繰り返し練習しなければならない。

 

メンタリングのスタンス


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ここまで読むと、メンタリングセールスを少しは理解されたのではないか。
もう一度確認するが、メンタリングとは、知識経験の豊かなプロ(メンター)が、そうでない未熟な顧客(メンティ)に必要なリフォームを見つけ出し、実現化すると共に、幸せな家族となるため、心理・社会面な支援を継続的に行うことをいう。
このスキルは堀之内高久先生のメンタリングスキルを、リフォームセールスに置き換えて、私なりに解釈しアレンジしたものだ。

 

また、リフォームセールスにおけるメンタリングは、顧客が持つ「家の不安や不満」がどこにあるのか顧客自身に気づかせ、その解消方法を教えていくともいえる解決ではなく解消させる。
問題をなくすのではなく、問題をできるだけ薄めるといったことでよい。
リフォームは、お金をかければ、いくらでも理想は上がるだろうが、どこか頃合いのいいところで納めないといけない。
それぞれが予算の考え方も違うし、満足する度合い自体も違うので、解消させるという言い方がよい。

 

言い換えると、あれもこれもと全てに満足するリフォームを目指してはいけないということ。
できるだけ優先順位をたて、必要なリフォームから取り組む。いそいで単価を上げようと、最初から話を広げてはいけない。
売り込み感が鼻について、メンタリングの効果が薄れてしまう。
とにかく、顧客から出てきたリフォームに集中し、全ての問題を解決するという事でなく、問題をできるだけ解消していくというイメージ。
契約を取り急ぐことなく、予算の中で不安や不満をいかに解消していくか、ということを考えることが重要なのである。

 

さいごに


我々は、家に関する専門家である。
リフォームのプロである。
しかし、これまでの建築士・現場監督といった「いいハードを作り上げる」専門家だけではない。
いい家の住まい方、家族とのいい過ごし方など、「健康で幸せ家族づくり」の専門家なのだ。
したがって、単純にいい工事をするのは当たり前で、依頼のあった家族がこれからも幸せであり続ける家とはなにか?という課題に対して支援をしていかなければならない。

 

だとすれば、よりスキルの高いセールスマンにならねばならない。
単なるリフォームセールスマンから、メンタリングセールスマンにスタンスを上げていかなければならないのだ。
コンサルティング、コーチング、カウンセリングではない。
メンタリングというスキルが必要なのだ。
そして、顧客に対して末永く「メンター」として関係を持続させなくてはいけない。
それが、我々の使命であり、これからの時代を末永く生きていくことになるのだ。

 

 

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