不安と不満の解消 パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「不安と不満の解消 パート1」についてお話しします。

集客するときの基本


その昔、成功ノウハウ本で「お客様に商品を買っていただくときには、抱いている不安や不満を解消することが重要」だと教えられました。

お客様は常に「痛みを解消したい」という気持ちがあると理解すること、また、「快楽を得たい」という欲求を満たすことで、購買意欲が上がるのだと。

不安と不満の解消、つまり、痛みの解消は、集客アプローチには無くてはならない基本なのです。

別の言い方をすると「痛みがあってこそ、人は行動がスタートする」ということで、この観点も大切なスタンスだといえます。

このことは、難しいことではなく、日頃、身の回りに起きている現象を見ても気がつくような常識だとも言えます。

たとえば鍵のピッキング防止のリフォームが流行らないことが、それを説明しています。

この話は、よく例に出すのですが、玄関のカギがピッキングでこじ開けられ、金品を泥棒された家が新聞で掲載されていたからといって、その話題をたてにチラシをまいても全く反応がないのです。

世の中でなにが起きようと、自分の痛みではないので、リフォームしてみようとはならないのです。

たまたま、当社の近所でその被害があって、ご近所に同じチラシをいれると、1~2件の反応がありました。

しかし、それ以上には、いくらキャッチコピーやオファーを工夫しても、反応が上がらなかったのです。

ご近所ということで、少しは自分の痛みのように感じたのかも知れませんが、それでもこの程度です。

しかし、ピッキングされた家は、ほぼ100%に近い確率で、ピッキング防止のリフォームを依頼してくるのです。

この現象は、当たり前だと言えばそれまでですが、痛みを味わった人しか反応しない事が分かります。

いくら、世間でピッキングが流行っても、自分がその痛みを味わっていなければ、全く興味がなく、それがご近所でおこったとしても、多少は痛みが接近したとはいえ、それでもほとんど気にしないのです。

しかし、実際に自分の家がピッキングで侵入され、被害が出て、とても痛い目にあえば、とたんに反応し出すのです。

もう二度と、そんな被害を味わいたくないので、こう思うのも当たり前なのです。

こういった当たり前のことでも、よく考えると、次のことが大切だと再認識させられます。

まず、人々が持っている「痛み」はなにか探る。

そして、「痛み」を感じている人に対して、その痛みから抜け出せるような手段や商品を提供することが重要。

たった、この気づきだけで、レスポンスを上げる広告作りになっていくものだと。

ミラーニューロンというもの


「痛み」というのは、面白い特徴があります。

それは、「自分の痛み」だけではなくて、「人の痛み」であっても、「自分の痛み」と感じるように上手な表現や納得できる事例を出すことによって、同じような効果がでることがあるのです。

突然ですが「ミラーニューロン」というものを、あなたはご存知でしょうか?

私も、あるコンサルタントの勉強会で教えてもらって、少し自分なりに調べてみたのですが、とても興味深いものなのです。

もともと、イタリアのジャコモ・リゾラッティ博士が「人間の脳の中には、ミラーニューロンというニューロンがある」と発表されたものです。

それは何なのかというと、簡単にいって「一緒にいるとか見ているだけで、自分の脳はだんだん相手の思いや感覚を写し出していく」といったことがおきるという脳の機能です。

たとえば、野球の観戦をしていると、だんだん選手と同化していくことを感じることがないでしょうか?

野球がきらいならオリンピックでもいいですが、頑張っている選手の競技を見ていると、ついつい没頭してしまうといったことは誰にでもあるはずです。

没頭すればするほど、その選手が競技中に失敗して「しまった!」と思ったとしたら、その瞬間に、見ている側も「しまった!」と感じてしまうはずです。

逆に、最後まで失敗もなく、完璧にやり遂げた時の「成功のガッツポーズ」をした時は、いっしょになってガッツポーズをしているかもしれません。

一緒にいるだけで、選手が味わっている感情を、まるで自分の感情かのように味わってしまう。

こういう現象も、ミラーニューロンの説明に使うことができます。

相手の意図を、自分の意図のように思わす


また、ミラーニューロンというのは、相手の感情や思いと同化させるだけでなく、相手が意図する事までも、自分が考える意図のように感じることを可能にするとまで、言われているのです。

少しばかり難しい話になってきたのですが、このあたりから、単なる脳の構造や働きを説明するだけの話だけではなく、我々が作る広告に対して、とても関係があり、重要な事になってくると理解をしてほしいのです。

先ほどいったピッキングの話に戻りますが、痛みがない人には、その予防の告知をいくらしても反応はないといいました。

理屈を考えるとしかたないと、あきらめてもいいのですが、ミラーニューロンの働きを考えてみると、やり方によっては、まだ反応は取れるかもしれないと、ついついチャレンジャーの血が騒いでくるのです。

なぜなら、ミラーニューロンによって、相手の気持ちが自分の事のように伝わってくるのなら、相手に対しても、こちら側の気持ちを自分の気持ちのように、相手に思わすことも可能だという理屈があるからです。

さきほど、一緒にいるだけで同化するといいました。

ならば、出来るだけ一緒にいることと同じ現象を起こせばいいのです。

毎日一緒というのは不可能であっても、定期的にチラシをいれることで、絶えず情報は伝わり、比較的一緒にいるといった気がするという効果が出てくると予測されます。

また、チラシを定期的に折り込んでも、肝心の内容を読んでもらわないと話にならないので、チラシのキャッチコピー、オファー、メリットを目立たせないといけません。

また、その伝え方が、とても感動的であるとか、とても印象が残る内容だとか工夫することで、相手は深く読み込むものです。

そのうちに徐々に、こちらが伝えたいことを、まるで自分が思っていたことのように理解していくといった事が可能になるかもしれないのです。

だからこそ、その入口になるキャッチコピーは、内容を読ませる動機づけになるものでなければならないという理屈も分かりますし、その次にくる、会社の誠意や考え方が分かる文章や、サービス、社長の言葉というのは、端的で分かりやすく書かなければいけないという教えも理解できるのです。

自分のミラーニューロンを鍛える


この理屈を理解したうえでチラシを作るとすると、チラシを作る方は、お客さまの気持ちを深く考えて作ることが本当に重要なことだと、再認識することができるはずです。

  • 自社のターゲットになる顧客は、いったいなにを考えているのか?
  • 夜寝ることができないぐらいの痛みとはなになのか?
  • どうなれば、人ごみで万歳三唱をするほどうれしいのか?
  • 日頃、どういった不安や不満を解決したいのか?

これらをとことん考えてみて、顧客の気持ちに自分の感覚を同化させていくことで、的を得たチラシづくりができるはずなのです。

気持ちを理解するためには、実際に自社の顧客にリサーチするなどして、現実的な状況を把握していくことから始めなければなりません。

そうすることで、自分のミラーニューロンが働き、それがまるで自分のことのように感じることができるのです。

その結果、チラシにも「お客さまの悩みはこれだ!」という臨場感があふれるでしょうし、なにより顧客から見ると「この会社は私のことを分かってくれている」と思うので、依頼をしようという気になりやすいはずなのです。

こういうチラシの作り方を試みて、それを定期的に折り込みすることで、さらに一般の顧客が、逆に、チラシの内容に同化していくという事がおきてくるのではと考えるのです。

つまりこれが、チラシを定期的に入れ続けたほうがいいと言われる理屈であって、レスポンスが取れるチラシを作る気構えになるといえます。


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