不況期に必要なセールススキル パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
消費増税に伴い、小売店などではキャッシュレス決済による5%還元が始まりました。
消費に対して消極的な気持ちが続くと予想される中、対策はできていますか?

さて、前回に引き続き「不況期に必要なセールススキル」についてお話しします。

ターゲットにする顧客のくくりを見直す


リフォームのセールス方法も、御用聞き営業、飛び込み営業などから始まって、土下座営業、押し売り営業などあって、チラシでのセールス、レターでのセールス、小冊子、イベントセールス、売り込まないセールス、顧客を切るセールスなど、さまざまな方法が成功してきました。
これからもうまくいくでしょうが、ここまで書いたことを考えると、今後はそれだけではいけない、と分かっていただけたのではないでしょうか?

今は、10人に1人はうつ病だといわれる混沌とした社会です。
今後、益々、積極的な人は限定され、エネルギーの弱い人が増加してくるので、上手にコミュニケーションを取れるスキルが必要になるはずです。
こう考えても、リフォーム営業として、この能力がないと契約までには至らないといった状況が予測されるのです。

これまで成功してきたリフォーム会社の社長だと、こういった弱い人を「面倒な人」「優柔不断な人」「買う気がない人」とくくり、クレーマーなどやっかいな顧客と同列にして、顧客の数に入れなかったかもしれません。しかし、現在のそういう人々は、昔のように簡単にくくってはいけません。
ただ、一時的にそうなっているだけの人が多いからです。
なので、面倒くさがらず、そこにメスを入れることで、売上げの停滞から脱出できる可能性があるのです。

 
 

NLPを理解してみる


メンターとしての力をつけることが必要であると、お分かりいただいたでしょうが、では、どうすればいいのか疑問に持たれたのではないでしょうか?

そこにはコミュニケーション能力を付けるトレーニングが必要です。たとえばNLPがあります。
すでに、NLPを勉強されている方ならお分かりでしょうが、コミュニケーションスキルがあるとメンターとしての役割をするのに非常に有利です。こういったものをベースとして営業に実践されることがお勧めです。コミュニケーションとは、相手を理解するといったことが中心ですので、話を聞く態度が大切ですが、話しを聞き出す適切な質問や問題点をまとめていく作業が重要になります。

コミュニケーションスキルにはいろいろありますが、たとえば、大切なものに「ペーシング」というものがあります。
相手とペースを合わせるというスキルのこの言葉は、どこかで聞かれたことがあるでしょうが、こういったものが重要です。
トップセールスマンを見ると、こういった知識を知らなくとも、自然とそうしていることがあります。
顧客をその気にさせるのに経験的に知ったポイントなのでしょう。

普通、ペーシングというと、「話すスピードを合わす」「オウム返しで受け答えする」「イエスセット」というテクニックをつかうことで、関係が充実してきますが、自分の直感を大切にするというやり方がお勧めです。直感というと、一部の勘のいい人にだけ備わっているように思いますが、そんなことはなく誰にでもあるものです。
直感は、話していて自分の体が感じるような感覚ですから、あなたにでもあるのです。
たとえば、不幸な話を聞くと、聞いているこちらが憂鬱になったといった経験があるのであれば、お分かりになれるはずです。

また、
「話していて、違和感があった」
「表情を見ていると、とても見ていられなかった」
「状況を想像すると、こちらまでもらい泣きをしてしまった」
なども、すべて体で感じる直感です。

とくにテクニックを駆使しなくとも、相手と話していて、自分が体で感じたことを率直に相手に伝えるだけでも、信頼関係というのは生まれてくるものなのです。
なぜなら、コミュニケーションというのは、相手が持っている体感がこちらに伝わり、こちらも相手と同じ体感ができているというやり取りなので、相手に「自分をわかってくれたな」という感じにさせるには、体の感じるアプローチが早いのです。

 
 

体で感じる反応からコミュニケーションを進める



体で感じる、ということをもう少し別の例でいいます。
「ダブルバインド」という言葉を思い出してください。言っていることとその本人の態度にギャップがある、ということですが、これも体で感じる違和感です。

たとえば、ニコニコしながら怒っている人や、「ゆるしてあげる」と口では言っていても、顔は「絶対、許さない」といった表情をしているなどが、そうです。これも、多くの人は、パッと見るだけで、「内心で思っていることと、言っていることがあっていないな」と分かるはずです。
それを考えると、人は言葉そのものより、その人の体から出てくるものを、真実として感じているものなのです。こういったことからコミュニケーションスキルを上げていくことだけでも、今後のセールスに影響するはずです。

NLPなどをすでに取り入れられ、営業マンが活用している会社もあるでしょうが、体で感じるものを中心にコミュニケーションを取っている人は、全員ではないでしょう。
NLPを単なるテクニックとして活用してしまって、口先だけで誘導してしまうこともあるので、直感、体感といったセンスを持つのは、もう少し深いアプローチになって信頼感が高まるし、トークが上手でない人にとっては、少しの単語のやり取りでできることもあるので、簡単だともいえます。

 
 

社長からコミュニケーションスキルをあげる



今回は、コミュニケーションスキルというものが、今後、商売に貢献するポイントだといいました。
人間関係が不得意な社長であっても、商売繁盛のためには、見過ごしてはいけないのです。

世の中は、毎年、売上げアップというのは考えないほうがいい時代になりました。
少子化などマーケットは減少しますし顧客の質も変化しますから、ある税理士は、これまでのように「来年も売上げはアップするものだ」という概念は捨てたほうがいいといいます。

たしかに、冷静に見ても、たえず拡大路線を歩むのは、投資の割には見返りが少なくなってしまう可能性が高いなという気がするのも事実でので、これまで以上に、新規客を追っかけるより、リフォームは末永くお付き合いができる顧客を何人作るかが、生き残る秘訣の一つだといえるでしょう。
企業の大きさや露出の多さで、なびく新規客が多いなかでは、新規の集客だけで業績を伸ばすのは大変ですから、安定したリピートがいることが逆に業績を伸ばすことに貢献するからです。

しかも、このことは顧客から契約を取るということだけでなく、社内の人間関係にも影響を与えるので、商売全体に必要なのです。

どういうことかというと、顧客が変化しているといいましたが、変化しているのは、顧客だけでなく、人間そのものが変化しているので、社内の人たちも変化しています。
そうなると、顧客と同じことが社内で発生するのです。これは、顧客への対応だけでなく組織の活性化にも大きく影響するというわけです。

現在、顧問先には、社長がコミュニケーション能力を上げるような機会を設けています。
定期研究会や電話などでも、同様のテーマで競合相手に真似されない戦略を打ちたいと考えています。
また、それに付随して社内・家庭で起こるあらゆる問題の解決を図りたいとも考えています。


サクセスサポートオフィスは全国の企業経営者が持つ「集客・営業・社員教育・組織づくり」などの様々な問題、課題の解決をお手伝いしています。

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