腹を決めてクレーマー対策をする パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
桜が散る風景というのは寂しくもありますが、とても趣ある光景でもあるなと感じます。
また現在コロナウィルスの影響で、外出自粛など続いておりますが、皆様体調管理しっかり行ってください。
早く収束することを願うばかりです。

さて、今回は「腹を決めてクレーマー対策をする パート2」についてお話しします。

クレームを言う人への対応例


では、セミナーで説明した、具体的な内容についてふれてみよう。
まず、クレームを言う人への対応例をまとめてみた。
おなじクレーマーであっても、その人のタイプによって対応は変わってくる。

□ごねる人
複数で当たる。正論を言う人、取り持つ人。役割を決める。
話が長くなるなら、損して得とれ。損切りする。

□プライドの高い人
謝罪を要求する人。もっと上司を出せ、詫び状を出せという。
「あんたはもういい、社長を出せ」という。
社長を呼びつけても、玄関で門前払いも平気でやる。
なかなか話し合いにならない。
解決するなら、クレームを犯した当事者が
「自分が社長に代わって、意向をきちんと聞いて会社の対応に反映する」
といった気構えで対応するしかない。
逃げる姿勢に、過激になっていくだけ。本気で対応しているといった態度が必要。

□神経質な人
細かいことを言う人。相手が言い過ぎでも、正当化できない。
イタチごっこが続くが、「もう、これ以上対応はできません」ときっぱりというしかない。

□思い込みのはげしい人
「自分ではこう思う」と自分の考え、主張を押してくる。
こういう人は敵にすると、あとあと、やっかい。味方に付ける対応を。
そこには、正座で丁寧に話を聞きいれる姿勢に、心を開くケースが多い。
味方にすることができる。

□特別対応を望む人
なにかと、特別扱いを望みますから厄介です。最低限の対応で、済ませます。
たとえば、必要なくとも形だけでも話だけは聞いてあげるとかしないと、
これも、上司、社長と騒ぎがひろがり、会社中がふりまわされる。

□問題追求型
生じた問題を、どこに問題があったのかと、どんどん追求して、説明させる人。
メーカーなど連れて行っても、らちがあかない。この人は、意図的に問題を拡大させるので、なめずに、十分に資料を用意して一気に片付ける。

どうであろう。クレーム対処は相手によってどう使い分けるか、といったコツが分かっていただけたのではないか?

 

 

なぜ、クレーマーに耳を傾けるのか?



次に、「だまされている」「無茶を言われている」と分かっていながら、なぜ、クレーマーの言うことを聞いてしまうのか?そのあたりを、セミナーの中ではこうまとめた。

□だまされるプロセス
• まず、ほめられる。喜ばせて、最初は自分の個人情報を聞き取られる。
• 理解された個人情報に当てはまることで動揺させて、判断力を鈍らせる。
• さらに、ひどいことで奈落の底に落とす。
• 周辺の人をつかい連携プレーをする。クレーマーの意に沿う方向へ誘導。

□クレーマーのテクニック
• 自分の正体を隠す為にダミーを使う。たとえば自分の奥さんとか。
• 最初はいい顔でくる。
• 日本人はハッキリとした意思表示が苦手なので、イエスかノーの二者選択で聞いてくる。イエスですね?でハッキリ返事をしないと、ではノーだなと。
• パニック状態を作ってくる。かなり困るだろうなという状態など作り、揺さぶる。
• 微妙なウソをつき、こちらの反応をみて、やがて、それは本当の話のように話してくる。
• 話のスピード、音量を変えて、こちらの思考を誘導する。
• あの手この手で、こちらの弱みや悩み。負い目を聞き出す。そこをつかれるとグーの根もでない。
• こちらの弱みをみると、そこを徹底的に押してくる。
• 何度も、自分の考えをいい、ゆっくりと時間をかけて洗脳してくる。
• 怒る、悲しむ、文句を言う、悲劇のヒロインを演じる、そうやって、こちらの頭の中をぐちゃぐちゃにする。
• だんだん、孤立させる。そして、クレーマーの要求を実現させる。
• こちらへイエスセットをしてくる。恫喝してくる。負い目を逃がさない。
• 話題をすり替え、すり替え、逃がさない。結論を先送りする。
• 責任転換して逃がさない。
(参考:多田文明)

クレーマーにコントロールさせるには、それなりの理由がある。
分かっていてもうまく対処できないのは、こういった手口を知らないからである。知っておくだけでもラクになるのだ。

 

 

クレーマー対応のステップ



それでは、最後にクレーマー対応のステップをまとめてみた。おおむね、今後、クレーマーと遭遇したなら①から⑦までのながれで対応の目安をつけてもらいたい。

• お詫び
自分の非を認めるお詫びでなく、「いずれにしろ、ご迷惑をおかけしました」という意味でわびる。「クレーマーに謝罪してはいけない」と混同しない。

• 事実の確認
クレームの原因の事実の確認が必要となる。これは、クレームを受けた人間が最初に行うことであり、法的な責任があるかないかの判断のために行うものである。よって、法的な責任が確認できていないうちから、損害の査定額、見積などを出せば、もう、責任を認めたようなものとなってしまう。ここがクレーマーの罠にはまるか否かである。

• 感情的にならない
「クレーマーとの交渉は平行線である」という前提を忘れず、感情的な言葉に振り回されてはいけない。いつも冷静に、怒らず、悲しまず、こびることなく、自然な顔で対応する。

• 堂々巡り
「合理的な説得は無駄である」という前提を忘れず、会社の損害、交渉している社員の疲労を考えて、堂々巡りしたと感じたら、そこで交渉を切る。「社内で検討し、文章でご回答します」
• 話を具体化しないのがポイントなので、基本は最終決裁者が交渉してはいけない。

• 通知
「本件に関しましては、弊社と致しましては、重ねて申し上げました通りの対応以外はいたしかねますので、これを持って最終的な回答とさせていただきます」
この通告をしても不当要求、脅迫があれば交渉窓口弁護士移管の通知を出す。

• 刑事告訴
これでも攻撃をやめない(インターネット書き込み、ビラまき、街宣車)なら、刑事告訴を躊躇してはいけない。クレーマーの攻撃は、最終的には刑事告訴により収束する。

• 事例の記録
クレーマーに遭遇した履歴は、記録として今後の参考にする。
(参考:横山雅文)

 

 

さいごに



ここに書いたことは、セミナーのほんの一部である。
実際には、もっと多くの事例を使い、具体的な資料をつかって、さらにわかりやすく説明した。
解決事例なども紹介した。
具体的であった為、参加された人から最後に意見を聞くと「かなり参考になった」と声を聞いた。
なかには、「うちの社内にもクレーマーがいることが分かった。やりにくい社員だと考えていたが、もっと、クレーマー対策が必要だとわかった」ともあった。
笑うに笑えない話である。


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