こんにちは。森下です。
あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は「地道に耐力づくりの1年 パート1」についてお話しします。
日本は終わるのか?
カナダ出身の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスが、20年ほど前に今の日本を予言している。
詳しく言ったわけではないが、書籍「不確実性の時代」(1978年)でアメリカのことを「満足した国民が増えると国は終わる」といった意味合いのことを言っている。
そのあと数行で「日本もそうなるだろう」と予言している。
その後、日本はどうなったかというと、経済が躍進し、国民は潤った。満足した国民が増えたといえよう。
そして、浮かれた世の中は、バブル崩壊と共に終わった。
いまでも、その痛手から立ち直ることができない。だんだんよくなっているというより、悪くなっているという感想の方が多い。
経済や政治だけでなく、文化や国民の考え方までもが悪くなっているように思える。
これでは、国は終わるとまでも言わないが、「残念ながら予言は当たっている」といっても過言ではないだろう。
政治は国民の声を聞いてはいけない
では、この現状にしたのは誰か?誰が悪いのか?
そう考えると、最初にでるのは政治だろう。
なかでも、過去のしがらみを打ち切れない議員や官僚たち。
それだけではない、世の経営者達も悪い、とも言えるだろう。
だれがいいか悪いかはおいといて、この現状が続く原因には「国民がかつての満足を忘れられず、いまになる」ということにつきるだろう。
ガルブレイスがいっていたのは、このことだろう。
つまり、国や経済の指導者も悪いが、あきらめの悪い国民にも責任があるということだ。
いや、こちらのほうが、やっかいかもしれない。
いったんお金を持った人は、その後、貧乏になっても贅沢は忘れられないという。
なかには、借金してまで、昔の生活を維持しようとする。
そして、いま、そういう体質が、人々に被害者意識をうえつけ、自分勝手な要望や要求を求めるようになっている。
この行為が、日本を悪くしている可能性が高いと、理解しておかないといけない。
よって、いま、政治というものは、国民の意見を聞きすぎてはいけない。
惨敗した民主党が「国民の意見を聞いて政策を進める」と言ったが、それは間違っている。
やぶれてよかったのだが、今、政治が国民の言うことを聞いてはいけないのだ。
まだバブルの満足が忘れられない国民、まだ、これまでのやり方でどうにかなると思い続ける国民の要望をきいても、改善はされない。
会社経営もおなじこと
これとおなじ事が会社運営でも言える。
国民というより、顧客であり、部下の声である。
誤解してはいけないのが、やみくもにだれの言うことも聞かないとムキになっているわけでもない。
厳選しないといけないといいたいのだ。
誰の声を聞き、誰の声は聞かないのか。
また、どんな意見をもとめ、それによって何を決めるのか?多数決だけで物事を決めない勇気を持って欲しいのだ。
この考えは、社長自身にもいえる。
「まずは業績を上げる。まずは成果を出す」
これは社員に言わないといけないセリフだが、そういいながら社長は、業績を上げることだけに執着してはいけない。
あくまで先をみるのだ。となると、ターゲットは「まだ先客さま」だ。よって、今すぐにならない顧客もよろこんで集めなければならない。
「すぐに売れる」とあわせて、「そのうち売れる」といった考えをバランスよくもち、良質な名簿をあつめなければならない。
しかし、営業マンは「いますぐ客さま」の集客を期待する。
この気持ちは分からなくもないが、根底には「明日も何とかなるだろう」と考えた好調期の余韻のほかいいようがない。
漁師のようなもので、海に行けば魚がいるという発想だ。農家のように「育てて刈り取る」という発想はない。
しかし、我々には余裕のある明日はないのだ。自分たちで作り上げる明日しかないのだ。
つまり、会社経営、集客方法などは、思考の浅い社員の意見を聞いてもダメだといいたい。
もちろん、商売は、顧客の声、社員の声を聞かないといけないが原則だが、だれから意見を聞くのかは考えなくてはならないのだ。
部下のモチベーションをあげるがゆえに、顧客にごまをするがゆえに、先を見る目まで影響されてはいけないのだ。
モンシロチョウとキャベツ畑
あるところで、モンシロチョウとキャベツ畑の話を聞いた。
これが、先ほど言った「今すぐ、まだ先」の話のすべてだと思った。
どういう話かというと、モンシロチョウは害虫である。キャベツ畑やブロッコリー畑にタマゴを生み付ける。
そして、そこで幼虫はうまれ、恵まれた食材の中で育っていく。
つまり、売り物になる野菜たちを食い尽くすのだ。これ自体が、害虫と言われる由縁である。
ただ、モンシロチョウでおもしろいのは、キャベツ畑に生み付けるのとあわせて、かなり離れた草原などにもタマゴを生み付けるということだ。
そこは、畑とくらべると、食べ物も豊富でないし、危険がいっぱいある。ほかの昆虫や動物に食べられるかもしれない。
しかし、そこにも生み付ける。これは、モンシロチョウは、子孫をのこし、種を存続させる為に、本能的に生き方を知っているということだ。
種として継続的に生き残れる為に、生まれた時から環境に依存してれば生きていける子孫と、危険なところでも力強く生き抜いていく子孫をバランスよく残しているのだ。
つまり、モンシロチョウは子孫を残し続けるコツとして、王道での安定を維持しながら、いつも退化しないように「生きていける術」を子孫に伝えているのだ。
そして、結果として、長年のモンシロチョウの歴史を維持させている。
対比しにくかったかもしれないが、両極端をバランスよくやると言うヒントにはなっただろう。
「いますぐ客さま」「まだ先客さま」のバランスを考えた戦略を進める理由をお分かりいただけたか?
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