業績をあげるコミュニケーション能力。 パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「業績をあげるコミュニケーション能力 パート2」についてお話しします。

関係を切る言葉、ゆっくり「ノー」


クレーマーへの対策は、「レスポンス1/100」リフォーム広告集客法マニュアルにも詳しく書いていますが、対応というのは、一つしかありません。それはゆっくり「ノー」。これだけです。これは、マニュアル以外でもあちこちで書きましたが、やはり一番効果があります。

クレーマーの対策本を読むと、よく「毅然とした態度で立ち向かう」とあるのですが、自社の欠点や実力不足な部分を相手が鋭く突いてくるので、なかなか毅然とした態度が維持できないものです。なので、ついつい言いなりになってしまう。これが、多くの場合ある現実です。

ケースバイケースで、対応する態度、トーク内容を吟味しておいても、結果的には本番で思うように出せないので、なにか簡単なものを一つ決めていたほうがやりやすいのです。その点、ゆっくり「ノー」は言葉が少なく簡単なわりには、一番効果があるから最高です。

実際に、当社でも先日も試してみて、短期で解決することができたのです。以前、リフォームして引き渡したお客さまですが、いまごろになって苦情を言ってきたのです。

「工事内容は自分が希望したものでない」

「全く色が違う」

「不良品を勝手にとりつけられた」

「職人が嘘をつき手を抜いた」

話はどんどんこじれてややこしくなったので、クレーマーへの対応の基本を窓口になっている担当者に実践させてみたのです。

・話し合いの時は、相手を見下さない。

・むやみに理解しない。

・さらりと接する。

・相手が何を言っても言葉は信じない。信じるのは、実際に行動をした事実だけ。

この程度のことを意識して対応させたのちに、今後、クレーマーがいってくる要求に対しての答えを、ゆっくり「ノー」でやり続けさせたのです。

・落ち着いて、感情的にはならない。

・ゆっくりと呼吸をして、ゆっくりと「ノー」をいう。

これだけを徹底的にさせたのです。なぜ、「ノー」なのか?と理由を聞かれても、決して説明はしない。要求に対して理由を言わずゆっくりと「ノー」を言わせたのです。具体的には「それはできないですね」「そこまでは無理ですね」とうなずきながら、ゆっくりと言わせたのです。

こういった対応をしたために、話はその日で終わりました。それまで約1か月以上引っ張られていた担当者でしたが、1日そのことに時間をかけてやることで、ありがたいことに話は終結したのです。

ただ、だめ押しで話を早く終わらせるように、多少の迷惑料を握らせておいたので、そのお金を払うのと交換で「示談書」に印鑑を押させることができたのです。

「取り込まれない」といった姿勢


肝心なのはクレーマーに、「こいつは自分に取り込めない」と感じさすことです。人格障害という病気は、最終的には「自分が相手からどう見られているか」には興味はありません。いかに、自分の思いどおりになるかが、独特の欲求を満たすポイントです。

たとえば、毎日女房を殴るくせに、あとから謝り続けている男がいます。「殴る」ことは自分が満たされる欲求なのです。そのために、「いつまでも殴り続けたい」と思っているので、殴ることができる女房が逃げないように、謝り続けるのです。

普通では、そんな態度はおかしいと考えるはずですが、彼らは、人からどう見られているかは興味がありませんので、平気で矛盾を起こすのです。

もう、自分の欲求を満すためには、なんだってするといった具合です。

こういう時には、殴られている奥さんは、下手に文句を言ったり、逃げたりしてはいけません。すればするほど男が激情するからです。それよりも、落ち着いて、相手の目を見て、ゆっくりと「もう、あなたとは一緒にはいられません」というのがいいのです。説得されたり、理由を聞かれたりしますが、それに答えずゆっくりと「ノー」。

多少、殴られても、取り乱すこともなく、じっくりと「ノー」。

こうすることで、「もう、この女は取り込めないな」と感じて、人格障害のある男は、本能的にあきらめようとするのです。

そして、「お前みたいな女は出ていけ!」といって別れ、別の獲物を探そうとしはじめます。

ここで、奥さんが泣いたり、わめいたりと争えば、話はおさまりません。最悪は体を傷つけあうことにもなりかねません。代理人や仲裁で人を入れるのも問題が広がるだけで、別れるまでにかなりの時間と労力を使います。人格障害者の多くは、騒ぎが大きくなればなるほど喜んでいますから、騒ぎ立てるのは相手の思うつぼなのです。 人格の障害のある人は、まともな人と比べて、相手を「自分に取り込めない」と感じる能力を潜在的に持っているといわれています。それが、一番やりにくいのです。だから、それを伝える効果の高いゆっくり「ノー」を使うだけで、こんな簡単な対応で、そして短期的に関係を終わらすことができるのです。

関係を切るコミュニケーションは社内にも


社員であってもそうです。一番いいのは、人格障害のある社員は雇わないのがベストですが、もし、人格障害がある社員を雇ってしまったのなら、行うコミュニケーションは一刻も早く「辞めさす」といったことです。

私もこれまで辞めさせたいけど、労働基準法や社会の通念を考えると、簡単にはクビにはできないなと考えていたのですが、それは間違いだと気づきました。問題社員が起こす行動で、社長の「やる気」がどれだけ低下させられ、しかも、ほかの社員にも同じような影響をあたえていくことは、組織作りだけでなく業績を低下させている原因になっていると実感させられたからです。

なので、もし「この社員はやっかいだ」と感じたのなら、人格障害の傾向があるかどうかを点検して、問題があるのなら一刻も早く辞めさすことが重要です。(問題があるかどうかは、私に相談してください)ちなみに、どんな社員が問題あるかというと、一番多い例は組織をかき回す社員です。

・自分はいつも正しいが、みんなは間違っている

・自分はいつも割を食わされている

・自分が持つ不満は、自分だけでなくみんなも同意している

・自分は上司の考えには反対です

・いつも怒り、苛立ち、文句をいい、周りを嫌な気持ちにさせる

しかし、やりにくいのが、こういった社員は社長を取り込もうとするので、ほかの社員以上に社長の機嫌を取るのが上手です。

たとえば、文句も言わず長時間労働を引き受けるとか、そこそこ営業成績をあげるとかして、なかなか辞めさせられない状況に持っていくのです。そうやって、社長から切られないように取り込んで、それを盾に、組織の中で自分の欲求を満たす行動をするのです。

そういう社員は何を言ってきても、ゆっくり「ノー」は基本です。そして辞めさすことが重要です。辞めさせ方で一番いいのは、突然、自分の前によんで、真剣な顔をして、相手の目を見て「あなたは○日限りで、辞めてもらいます」というだけです。理由も説明もいりません。何を言っても聞きません、自分はそう決めたんだという態度を見せて、しっかりとした口調でいうのです。

中には、あとで労働基準監督署に逃げ込み、こちらを訴えてくるといったことが心配になる社長もいますが、「そうなれば金で解決する」といった気持ちでいるぐらいでちょうどいいです。リフォームを1~2件無料でしたと思えば安いものです。たとえ、争いになっても全部弁護士に任せる、といった気構えでいればいいのです。

多少、お金がかかっても、辞めささないでこれから問題社員が与える、有形無形の会社への損害を考えると、十分おつりが返ってくるはずなのです。

「やる気」をそぐものを切るのは大切だということ


コミュニケーション能力を上げるということは、とても大切だということはお分かりだと思います。そして、逆に関係を切るコミュニケーションも重要だとお分かりいただけたでしょう。

「人間関係を上手に切る」といった今回お伝えした情報は、付き合ってはいけない人との関係を切ることで、良好な人間関係のなかに社長はいることができて、しいては「やる気」をそぐ重大な問題を近づけないという風になるのです。

ただ、具体的に、あなたの「やる気」が低迷しているときに、あなたの周りの誰がその事実に影響しているのかは、あなた自身で気づけないこともありますから、その時は、私と一緒に探ってみるのもいいことです。こういったときにこそ、社長は人に頼らなければなりません。

適切なメンタルなケアを受けることで、自分の運気やバイオリズムがどうであっても、ある程度一定した「やる気」を保つことができるので、会社に極端な波がおとずれることがないのです。たとえ、どんな規模の会社であっても、社長のテンションが下がるのは命取り。うかつにしてはいけないのです。

森下吉伸


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