こんにちは。森下です。
皆さんは「フリーミアム」という言葉をご存知だろうか?
「フリー」(Free、無料)と「プレミアム」(Premium、割増)という、ビジネスモデルの2つの面を組み合わせて作られた造語である。
元々インターネット業界で盛んに用いられている概念で、主に
無料のサービスを活用し、有料のサービスで利益を得るという考え方である。
例えば、少し前に上場を果たしたLINEは、コミュニケーションツールとして利用するサービスは無料で提供しているが、有料スタンプの売上は2014年の段階で月間10億円を超えていたという。
この概念は今日ではあらゆる業界、あらゆる媒体を通じて取り入れられており、リフォーム業界においても活用できるものである。
従って、本日は前回お話ししたリフォーム業界における「営利と非営利の結合」について具体的に見ていきたい。
具体的な非営利活動とは?
「無料リフォーム見積診断室」を、すでに提唱しているが、こういったサービスも非営利なものだ。
「家の修理、リフォームの悩みがあれば、専門家が問題解決する。
しかも無料で。
心配なら匿名でいい。
他社の見積、プランの査定も喜んでする」といったものだが、これも、本当に商売抜きでやるのがいい。
限られたエリアだけの「家庭助けサービス」をやることで、安心と安定を与える事になる。
「お金のない時代。本業を利用して、できるだけ地元家族に無駄なお金・労働・を使わせない地元企業。また、どうやればそうできるかを考え続ける企業」こういったイメージを根付かせたい。
そして、実際にリフォーム工事を請けたときにも、「人の手助けによって節約できる工夫」をすればいい。
たとえば、ボランティア割引。
自分の家、近所の家で、リフォームがあったとき、家族、または近所の人が、作業の一部をすることで金額を値引くというものがあってもいい。
これまで、工事は施主からまったく離すことが常識だった。
掃除、養生、近隣挨拶など、何一つも施主の協力を仰がなかった。
その発想をかえてみるのである。
しかも、施主だけでなく、近隣からもお手伝いを誘う。
積極的に、各家族から村社会に変えていく。
その方が、結果的にはリフォーム会社としてのコストダウンにもなるし、コミュニティーによって、工事が運営されるといったことにもなる。
そのつながりの中心に、我々がいて、企画運営していくことでもいい。
こういうと、「そんなこと誰もしないし、施主も望まない」と思ったかもしれない。
しかし、大手と勝負するにも、インターネットの力に対抗するにも、人と人との生の交流が対極関係にあっていいのだ。
基本、我々は人がしないことをしないと勝てない。
このコミュニティーづくりは、やりたくない人が多い。
しかし、時代の流れと現状を見ると面白いのだ。迷わず取り組んで欲しいのだ。
縁故マーケティングをさらに深める
「縁故マーケティング」は、小さいリフォーム屋でも、これから勝てる確実な方法である。
なので、どの会社も自分のエリアをきめ、飽きることなく確実に縁故マーケティングを、実践しなければならないのだ。
ただ、「縁故マーケティング」を今後、もっと効果的にやろうとするなら、どうしても「地域コミュニティーの形成」が必要となる。
自分のエリアで作り上げたコミュニティーのなかで、商売をするといったこと。
難しくは考えてはいけない、より、信頼を得る行動をすればいいだけなのだ。
そこで重要になってくるのが「非営利」といった観点なのだ。
これまでの世の中は、お金お金だったわけで「お金がある人が幸せで、お金のある人が偉い」といったイメージがあっただろう。
となると、いい会社とは、地元に寄付をしてくれる会社、何かとお金の援助をしてくれる会社をいった。
しかし、これからは、お金をポンと出したからといっていいとは言えない。
実際に家庭のお金を助けるとか、労働やストレスをも助けるぐらいではないと信頼にまでいかないだろう。
これから、みんな余分なお金がない。
そうすると、自分たちでやらなければしょうがないことがたくさん増える。
行政も国もお金がないし、勤めている会社もお金がない。
一般の家庭もお金がないので、自分たちのまちのことは、自分たちでやらないとしょうがない、となるだろう。
それらの負担を少なく、生活を助ける働きをしてくれる会社があれば、ありがたいと思うだろうし、頼りにもするだろう。
たしかに、いままでもそういった観点はなくはなかった。
しかし、前提が裕福だったし、自分勝手な行動がゆるされたので、逃げている人が多かった。
しかしこれからは、もっとシビアになるだろう。
むかしあった「村社会」に戻るのだ。
人口が減り、20〜30年先に8000万人程度になる日本。
そのことだけをみても昔に戻るといえる。
そのぐらいの人口だと、そのぐらいでしかできない「社会運営」があって、いやでもそれに戻る。
となると「村社会」に戻るしかない。
多少は現代っぽくではあるが、日本は「村社会」の色が強くなる。
寺はコミュニティーの中心だった
むかし、最高の非営利団体に寺があった。
そこで、いろんな問題を解決していたのだ。
生活にまつわる支障を解決するとか、あるときは心の問題まで。
宗教という、こころの安らぎがつかって、本当に地元民の集う場であったはず。
そういった種類の機能をつくることが、本当に地域のコミュニティーを安定させるということになると考えている。
しかも、そのことが「縁故マーケティング」を作り上げるとても大切なことだともいえるのだ。
今回いったことは、全ての人がわからなかったかもしれない。
しかし、理解しなければならない。
このことの意味がわかるまで、商売というものを考え直さなければならない。
なぜなら、もう、残されている道は、日本の市場でどう商売を繰り広げるのがいいか考えるしかないからだ。
毎年毎年、右型上がりの会社の成長はもうできない。
アメリカ人がいう合理的な成功法則だけでは、これからの日本の市場は難しいのだ。
「自社のコミュニティーをつくるなんて無理だよ」とあきらめないで欲しい。
「縁故マーケティング」を実践している会社なら、足がかりはできているのだ。
小さくてもいい。
完全でなくてもいい。
とにかく、これまで通り商売をしっかり行い、非営利の活動を考え、できる範囲で提供していく。
単なるNPO団体ではないので、自分たちの商売のなかで実現するだけでもいい。
価値のある無料サービスだけでもいいのだ。
そして、究極が寺の機能をイメージする。
そのためには、会社としてコミュニケーション力などを上げなければいけない。
しかし、それは1億円プレイヤー育成ノウハウにある、相手の言いたいこと、ホンネを理解するスキルを身につけることで、簡単にできるのだから。
「確実に一番店になる」「末永く安定をもとめる」
そうなるためには、どんな会社でも、地元で目立ち、住民の気をひき、世の役に立ち、価値を認められる会社でなければならない。
「営利と非営利」は、そのための大切なものであると分かってもらいたい。
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