低リスク顧客獲得法 パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

 

トランプが大統領に決まった直後、大混乱に見舞われた日本株市場もいつの間にか年初来の高値圏まで戻している。

 

当初、見通しが不透明なことからリスク回避のため売りが出たようだが、今回の株式市場の動きに狼狽した投資家も多いのではないだろうか?

 

リスクは株式市場だけでなく、あらゆるものに付きものである。

 

全て回避することは不可能だ。

 

大事なのは、リスクを取るべきか、取るべきではないかを判断する基準を持ち、その基準に従って物事を進めて行くことだ。

 

それも一つの戦略と呼べる。

 

では、顧客を獲得する際に考えられるリスクとその回避方法はどのような事があげられるだろうか?

 

本日はそのことについてお話したいと思う。

 

lowrisk
 

顧客獲得単価は上がった


考えてみると、昔は顧客獲得単価が安かった。
今とは比べものにはならない。

 

古くは初期のラジオが代表的なもの。
少ない費用でどれだけ広く、そして多くの人にPRできたか。
当時は画期的なものだったろう。

 

そこまで遡らなくとも、ここ最近ではホームページに関する顧客獲得費用もしかり。
たとえば、2002年はPPC広告。

 

いまから考えると最高に安かった。
なんと、この年は顧客1人あたり7円で獲得できた年である。

 

信じられない値段。
いま、何百、何千倍だろうか。

 

これだけでなく、全ての広告媒体にもいえる。
ここ数年で、広告による顧客獲得単価はびっくりするぐらい上がってしまった。

 

広告はポートフォリオである。
ここでいうポートフォリオとは、投資家が自らの資産を複数の金融商品に分散投資すること、またその投資した金融商品の組み合わせを指すという意味だ。

 

つまり、広告は何か1つに頼ってはいけない。
複数に分散して行う。

 

看板、チラシ、イベントなど、複数に分散してしなければならない。
そのバランスが重要なのであって、場合によっては、組み合わせを考えることも必要となる。

 

時代と共に顧客獲得単価というものは、上がっていくものだが、できるだけおさえるには分散投資は大切なことである。

 

よって、チラシが当たらないから、チラシはやめる。
といった選択はしてはいけない。

 

チラシ自体の顧客獲得単価が高くなると、ついついそう考えてしまう。
しかし、チラシは打ち続けなければならない媒体。

 

分散した集客媒体の中では、最も縁故マーケティング力が発揮できるので、地域ブランドを作りやすいのだ。
また、ホームページからの反応がいいので、ここに絞って広告費を費やすといった偏ったこともダメだ。

 

たえず複数の広告媒体を持っており、その時代時代にあった分散投資を考えたバランス感覚を養わないといけない。
ただ、誤解して欲しくないのは、ポートフォリオは、単に集客数を上げる為の発想だけではない。

 

リスクを減らすというねらいもある。
つまり、費用対効果を下げないということ。

 

集客を増やすのと費用対効果を下げないというのは、同じような意味に聞こえるかもしれないが違う。
これから大手企業などのリストラ、消費税のアップなどで広告反応が低くなる可能性がある。

 

よって、やみくもに集客数を追っかけるだけだと経費倒れになる。
集客媒体のバランスを考えて、できるだけお金を有効に使った集客を考え、リスクを回避するという観点は必要なのだ。

 

 

 

広告費用のスタンス


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では、広告費について考えてみる。
広告費をかけるか、かけないかによって顧客の獲得数は変わってくる。

 

あたりまえだ。
しかし、お金を有効に使うという前提からすると、どこまでかけることができるのか?と事前に決めておくことが大切になる。

 

たぶん、これまでも決めているだろうが、案外、適当にしている会社が多い。
たとえば、目標売上額の3%とか、月に50万円とか、ざくっ、とした目安だけ決めているだけ。

 

あとは「他社であたったチラシ」があったときに、それを真似て作るぐらいだろうか。

 

それではリスクが高すぎる。
広告の成果は「かけた費用に対する上がった粗利」でみるべきなので、目安は広告媒体毎に変わらなければいけない。

 

よって、広告は「その広告によっていくら粗利がでたのか?」を指標に予算のウエイトを調整するのがいい。
たとえば、いまホームページからの反応が取れたとしても、明日は分からない。

 

なぜなら、反応がとれる媒体は、競合が入ってくるので、いつか反応は落ちる。
そうなると、次の媒体を探すだろうが、そういった流行に流されてはいけない。

 

新しいことは無駄にお金を使う可能性が大きいだけだからだ。
よって、たえず他の媒体がもつ広告成果を計り、みあった予算配分をしなければならない。
チラシの反応がいったん悪くなっても、それは流行であって、チラシがもつ効果は変わっていない。

 

チラシと同じようなものにロードサイドの看板がある。
その昔、ロードサイドに看板をたてはじめたころは、それだけで目に見える顧客獲得があったと聞く。

 

しかし、いまは、なかなかその反応を実感できない。
しかし、ロードサイドの看板は、その会社を忘れさせず、ブランドを維持することには、引き続き貢献している。

 

毎月1万円〜2万円程度なら、その費用は無駄ではない。
チラシも、それだけでは集客が足りないだろうが、それでも実粗利をあげることが出来る。

 

しかも、看板に似た効果を出している。
だから、かける予算割合を下げることがあっても、やめてはいけないのだ。

 

 

 

売値は下げてはいけない


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また、これはクロスセールスといった観点ともにている。
クロスセールスは、商品やサービス購入者にたいして、さらに追加して商品やサービスを売っていくこと。

 

また、アプローチや売り方自体を複数に分けて、バランスよくセールスしていくことなど、いろんな意味を示すが、複数の商品、複数のセールスによって、効率よく販売をすることができるといった考えである。

 

こうやって、広告媒体、取り扱い商品、サービスなど複合してバランスよく打ち出すことが、集客リスクを回避することになる。
しかし、もっと手っ取り早くリスクを回避するには、価格を下げればいい。

 

だが、これはやってはいけない。

 

「売値を下げる」ということは、だれもがいいことだとは思っていない。
また、そこには限界がくることも知っている。

 

なのに、売値を下げる戦略をたてるのはなぜか?そこには「いいものをより安く」といったクオリティーが「企業の価値」だという概念が大手企業にあるからだろう。
大手がそうだとすると、中小企業は、それにあわすしかない。

 

たしかに、これまでの日本は、コストダウンと重ねて、高品質なものを作り上げることで世界市場を獲得した。
その記憶は「必ずしも売値を下げることはダメではない」と考えさせても不思議でない。
むしろ、次のステップにいける可能性もある。だからこそ、売値を下げる戦略は根強いのだ。

 

しかし、これだけ競争が激しくなった市場で、更に売値を下げるという発想はしないほうがいい。
ましてや、中小企業は特にそうだろう。

 

イケイケでやっているリフォーム会社の安売りチラシなどに、一喜一憂することはないのだ。
安売りこれから売値を下げるということは、単純に利益をいくら削るか?ということでなく、ここから値段を下げるということは、悪いものを売るということになることを忘れてはいけない。

 

100円ショップがいい例だ。安かろう、悪かろう。世の中が、悪かろうに慣れてきたとはいえ、どこかで限界が来るだろう。

 

加えていい例が、長距離バスの事故だろう。
安売り合戦で無理をした。

 

低価格ではどうしても細かく管理が出来ない。
労働者においても、値段にあった人がやってくる。

 

レベルが低いので管理者が予測しないことがたくさんおきる。
そして、高速道路で大きな事故を起こしてしまう。

 

ずさんな管理体制が浮き彫りにされる。なぜ、そうなったのか?の質問のいいわけが「本来は、全部において責任を取らなくてはいけないと分かっていても、お金がなければ、それぞれの労働者において、個人の責任として委託するしかない。」たしかにその通りだが、ただ、労働者は管理者ではない。

 

責任は取らないし、その気が薄い。
これだと、問題が起きるのは当たり前なのである。リフォーム会社は、どちらかといえばこのパターンになる。

 

それが分かっているのに、売値を下げようとする。
それしか売れる方法はないと決めてしまうのだ。

 

そこは安易になってはいけない。
我々が、いま、やらなければいけないのは、自社にあった顧客をいつもさがすことだ。

 

そして、丁寧にセールスをかけていくこと、それしかないのだ。
価格を下げるという手段でライバルとの区別がつかなくなる。

 

その競争で顧客を獲得するのはリスクが大きすぎるのだ。
いまは、コツコツと決めた商圏に広告を行い、「今すぐ」「まだ先」リストをあつめ、当社との関係をドンドン深める。

 

このことで、売値を極端に下げなくとも買ってくれる人にリフォームを売る。こうするしかないのだ。

 

 

 

大きい商圏をねらう、から小さい商圏をねらうに


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それ以外に、リスクを減らすことはまだある。
たとえば、どの商圏をねらうのかによっても違ってくる。

 

昔は、都心部を商圏をもつことがうまくいく可能性が高いとあった。
できるだけ魚の多い池で釣りをするのがセオリーだといって。

 

では、今もそうだろうか?と考えてみる。
答えはノーだろう。

 

なぜなら、全国何処の都道府県にも都心部はある。
何十万人も人口があり、だいたいの生活環境は整っている。

 

だいたい大きな企業があり、その地域の雇用の中心ともなっているだろう。
そこまで聞くといいのだが、実際には問題はいくつもあるからだ。

 

では、問題はなにかというと、その1つはライバル会社が多いこと。
たとえ、いま、目立ったライバルがいなくとも、この先は増える確率がかなり高い。

 

そこそこの中堅都市でライバルがいないのなら、だれもが進出したいからだ。
そして、やがて競争の渦に巻き込まれる。

 

とにかく、競争を自ら選んではいけない。
それと、中堅都市なら大手企業の工場などあることが多い。

 

いま、多くの大企業はリストラが目につくので、これまでその工場で潤っていた産業が全部ダメになり、そこで働く住民も打撃をうける。
この人にはリフォームは売りにくい。主要企業が倒れた地域への戦略も考えられなくもないが、やりにくいのは事実だろう。

 

こういうことを考える、必ずしも大きい商圏がいいということにはならない。
それなら、いっそうのこと小さく商圏は絞った方がいい。

 

小さくともモノにできれば、安定した売上げが確保できるからだ。
まず、ライバルがいないのがいい。

 

価格の競争が少なくなる。
そして、やればやるほど、ライバルが入りにくくなる。

 

もし、新たに出店するなら、これまで業者に荒らされていない、ライバルがいない、商圏的には決して大きくない、といった場所をオススメしたい。
まがり間違っても、県庁所在地とか、中堅都市の中心部で目立つところ、といったところはやめた方がいい。

 

こういっても、小さな商圏は魅力がないと考える会社が多いだろう。
だからこそライバルも力を入れてこないのだ。
小さくともその商圏からでるリフォームシェアを1番もっていればいい。

 

そして、どのライバルも小さい商圏では真剣にケンカはしてこないから、ラクラク顧客との関係を深めることはできるのだ。
たとえば、決めた商圏で「網戸の無料張替」とかをやる。

 

ご近所だけのえこひいきなので、住民は悪い気はしない。
地元活動との関わりも多少すれば、回を重ねる毎に来店は多くなる。

 

そこに「無料の包丁研ぎ」などの次の無料サービスを重ねると、リストの数はどんどん増える。
このこと自体は、かなり簡単で集客でき、顧客獲得単価は安くて済む。

 

そのうえ、こういった交流は、充分な店舗でなくとも、充分なスタッフがいなくともいい。
まずは、決めた商圏でのリフォーム潜在客のリストをとればいいので、気軽にスタートはできる。

 

これは、一昔前のリフォームフランチャイルズが加盟店の出店のときによく聞いたセリフ。
いまは店舗のお金をかけるのが一般的になったが、小さい商圏は昔の発想でいけるのだ。

 

ただ、昔と違うのは、「今すぐ客」ばかりを集めないということ。
「まださき客」を集めるのが小さな商圏で勝つ秘訣であり、それを持続することで、その商圏の一番店にはなれる。
 

 

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