もう一つの社員の育成法 パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「もう一つの社員の育成法 パート1」についてお話しします。

労働者には可能性のある世の中


サラリーマンの収入が上がらない時代である。

これからもっと所得格差が目立つだろう。

さて、この状況であなたの会社の社員たちは問題ないのだろか。

たぶん「ない」とは言いにくい社長が多いのではないか。

では、社員をどう雇用すればいいのか?

また、どう育成すべきであろうか?

給料を上げることでモチベーションを保っていたのなら、どうすべきであろうか・・・。

今回は、このテーマをルトガー・ブレグマンの「隷属なき道」になぞって、私なりに書いてみたい。

ここ100年を振り返ると、労働者の環境は飛躍的によくなった。

いまがどれだけ厳しい社会だといっても、昔ほど貧しさは感じない。

基本は、だれもが平等で大きな争いが少ない社会である。

よほどの状況でない限り、どの労働者も自由に遊び、酒を飲み、腹一杯に飯を食べる。

おそらく空腹に悩む人より、肥満に悩む人のほうが多いだろう。

世界的にみると、人口は76億人だが、うち60億人が携帯を持っているという。

驚いたことに、ネットにアクセスできる人は30億人もいるらしい。

大量の情報をスピーディーにやりとりをして、かなりグローバル化している。

ネットの改革に合わせて、次々に現れるビジネスチャンス。

その気さえあれば、どんな人でもビジネスの可能性が生まれ、お金に困らない環境にあるといえる。

また、平均寿命は伸び続け、100年前の倍以上となる。

医学の発展で多くの病気が怖くなくなった。

世界中から感染病は消えていき、難病であったエイズさえも、ここ10年で死亡者は3/4に縮小している。

一般的にみると日本人ならほぼ全員といっていいほど最先端の医学に助けられているだろう。

これから収入が上がらないと言っても、多くの人が安全で健康な世の中で生きているのは事実である。

労働者の意欲が下がる原因


こうみると、日本の状況はよくないといっても、さほど不幸でもない。

考えようによっては十分に幸せである。

それなのに労働者に意欲やパワーがないと聞く。

将来に希望が持てないという人も多いというのだ。

なぜか・・・単にひ弱になっているのであろうか?

上には上がいると悩み、下にも下がいる事実を把握していないのか。

印象としては「あきらめ」を感じる。

「目標はどうせ達成できない」と、踏み出そうとしないのである。

この原因はいろいろあるが、その一つに「惑わされてしまう世の中」があるのではないか。

いろいろ言われ情報量が多すぎて精査が難しく、何が本当なのか?

何を信じていいのか?が分からない現状があるのではないかと思う。

いいことばかり言われて、自分なりの成功像が描けないのかもしれない。

それというのも、だいたいの情報は受信者より発信者のメリットの為に出されているからである。

発信者からの情報は、決してウソではない。

しかし、そのまま受け入れても受信者のメリットにはならないことがあるのだ。

受信者からすると、自分に取って「ウソか?ホントか?」が判別できないのである。

いいものだと言われて受け入れても、いくらやっても受信者の満足が得られない時がそうである。

達成感が味わえないと、逆に力を奪われていくだけになり、情報に踊らされ意欲がなくなってきてもしょうがないだろう。

ネット広告はバカを相手にしている


たとえば「ネット広告」でいうとわかる。

いま、広告といえばネット広告が主流である。

ネット広告はチラシや雑誌の広告と違って、すぐにレスポンスを取る事ができる。

反応が早い分、商品の中身より動きが中心となる。

実際に見てくれだけで売れることも少なくない。

中には、ネットで期待した通りの商品ではなく、手元に届くとがっかりする事が多くなった。

誇大広告になっているものも多いのだが、所詮こんなものだとあきらめてしまうのである。

こういった行為は、消費者から次なる購買意欲を取っていく。

次も買わなければいけないから買うが、購買への期待はなくなる。

これが情報に踊らされていることになる。

これが続くと、意欲のある人から意欲を取っていくことになるのだ。

「自分には可能性がある」と考える若者は1950年調べでは12%しかいなかったが、現在は80%近いと言われる。

昔より自由度があがった現在では、若者が自信をつけることができる時代である。

しかし、社会に出たとたん、多くの情報に踊らされワケが分からなくなる。

その昔、大人に自由を制限された時代のように、情報によって自力で可能性を広げられないと分かって、燃え尽きてしまうのだ。

その状況は、鬱病が若者の病気1位になりつつあるという現実からも理解することができる。

多くのネット広告の基本は、バカを相手にし、バカにクリックさせるということである。

「映像がキレイだからついつい押してしまった」

「簡単にクリックできたから押してしまった」

「どの画面も検索した商品が出るから押した」

という風に、クリックさせればいいのである。

いい商品を追求するよりか、売れればいいという考えである。

ネット上の技術をどんどんあげて、情報を提供することは消費者サービスだとしているが、単に消費者をバカにしているだけなのである。

このことを悪だとは言わない。

多かれ少なかれ、これまでもそうやって売ってきた経緯はある。

ただ、どんどん考えなくともいい領域に入っている。

どうにもできないこの流れは、さらに無気力な感情を標準化しているのではないか。

こういった惑わされてしまう社会のなかで、少しずつ意欲をなくしているのかも知れない。

この先、雇用する社員がそういった現状にいることを理解しておきたい。

まず、労働意欲を取り戻す為のシステムを考えたい。


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