会社の寿命を知る パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「会社の寿命を知る パート2」についてお話しします。

社長のやる気が失せた


ここ最近、寿命を感じて抜本的な次の変革を考える中小企業が目につく。しかも優秀な社長がいる会社ほど動いている。

先日、ある経営者が「会社経営するモチベーションがなくなった」といって、いまの会社を第三者に売った話を聞いた。かなり優秀な経営者でもあり、経営志気を落とさない工夫をしているスーパーマンのような人。
そんな経営者だから、まず手抜かりはない。そして、簡単にあきらめるような意志の弱い人でもない。
しかし、起業以来、好調な数字を残している会社を売ってしまったのだ。

しかも、彼は自分のその会社に対する寿命を感じていた。自分で会社を起業して、頑張って部下に任せても大丈夫な会社となった。
そのうち、社内のスタッフのほとんどはその部下に従うようになり、気がつくと自分の居場所がなくなっていた。自分は新しい道を見つけると、どんどん創業会社に対する自分のモチベーションが落ちたという。
これこそが自分が経営する会社にとって経営者の寿命であろう。

人間には限界がある。経営者にも限界があるのだ。
思い入れとか存在感にも限界はあるのだ。しかし、これらは社長としての立場や存在だけで寿命が訪れるのではない。これまで自分を社長として存続させてくれたリソースに限界がきたといえるのである。
社長としての自分と、社長で有り続けるためのリソース。この2つによって、会社の寿命は関係している。彼は、この2つの限界が訪れたので、やる気がうせ、自分にとっての会社の寿命を感じ取ったのだ。

社長のリソースによる


いくら努力しても会社が好調にならないとき、それは自分もリソースも限界なのかもしれない。だからといって寿命だとあきらめるしかないのか。

いや、なにが限界で、なにを変えないといけないのかを考え、その答えによって判断すべきだ。多くの場合が、自分を改革することだが、それだけだと答えとしては物足りない。そろわなくなったリソースをやり直すことの方はやっておくべきだ。
新しい気づき、新しい商品、部下の成長、顧客の増加など、もう一度リソースを成熟させるのである。それができなければが他のだれかに会社を譲るか、売るかしか会社を継続させる事はできないのである。

 逆に、どれだけ会社が不調でも、努力によって、少しずつでもリソースがそろってくる(戻ってくる)なら、まだ社長は社長として継続できる可能性がある。この不調は周期的なもので、乗り越えるものなのだ。

たとえば、ダメだと思っていた商品が工夫によって少しずつ売れてきたとか、社内のスタッフの出入りが少なくなり、まとまってきたことが実感できたのなら、それが合図である。あきらめることなく、さらにテコ入れすればいいのである。

新しい変革は慎重に


社長を交代しようが会社を売ろうが、会社に寿命がくれば改革は必要となる。大切なのはどう新たなる変革をするかである。
不調の時にいったん落ちてから、再度上がるときに大切な心得がある。それは「なにが最善か?」ということを考えて行動することである。よく似ているが「なにが最高か?」という観点ではない。

そして、なにか最終目標や結論を決めないことである。最善を尽くして、ただ、淡々とやり続けるといった感じである。

 最高を求めると、どうしても、いまどれだけ努力してもできないことまで考えてしまうのだ。まだ、リソースが充分でないのに身の丈以上のチャレンジはすぐにダメになってしまう。
成功論者から「目標を高く、信じて突き進め」と言われてものってはいけない。
無理をしても空回りするだけで、結果はついてこないからである。
たえず、最善を尽くし、その時々で、できることをスピーディーに懸命にやるしかない。

改革に大切な3つ


改革にいま大切だと考えられる3つを言っておきたい。
観点はバラバラだが、どのポイントも大切なことである。

  • 売れるきっかけ

最善な行動の中で、大切なことは「新しいきっかけ」である。
リフォーム会社ならこれからは、施工力、提案力の高い会社しか残らないが、それを告知することが必要となる。プロダクトアウトするにも、伝えるしか新規の集客にはならない。それには、新たなるきっかけづくりが必要となる。
これまでイベント集客であったが、それは気軽に体験できるとか、どんな会社かわかるとかには貢献しているが、施工力が高いかどうかまでも分からない。
では、現場見学会がいいのかと言われると、それだけでは物足りない。
どういった場がいいのか、また、そこに誘うときの言葉はなにがいいのか?といったきっかけ作りを、今後懸命に考えなければならない。
これは、私に相談してほしい。

  • よりアクセス権を取る

リフォーム業界はこれから面白いと噂される。すると算入組が増える。よって低価格化がおきる。よって、これからの時代で勝負はアクセス権である。
いま、カードポイントなどがそれで、会員でしか買えない、メリットがないといったこと。ストックビジネスといわれるが、(住宅業界でいうストックビジネスではなく、顧客をどう自社でストックしていくか)これからも名簿を集め会員にして、顧客へのアクセス権をとることしかない。

  • 国策にのる

リフォームは国策に目を向けてほしい。
新築住宅はこれまで国策によって盛り上がった業界である。政府は国民が住宅を買いやすい政策を打ち出し、減税、低金利など打ち出し住宅バブルにしたのだ。いまのリフォームに関する国策は補助金・節税が多い。
これらに追従することで消費は増す。どの業界でも国策にのることで売り上げを伸ばしている。

ただ、国策はずっと続かない。急に大転換する可能性がある。低金利策も消費は伸ばしたが、無理をしすぎて買った所得の低い層が借金を返せなくなってしまった。

そして、いま消費が回らなくて国は困っている。こうなって国策は打ち切られてしまう。国策はキチンと秩序を守って受け入れるとメリットは大きいが、国策が入った時点でその市場はダメになる事実も覚えておかなければならない。
メリットは受けて、いつでもスパッと離れられることができる国策も時限立法で考えておかなくてはならない。

さいごに


いいとこ取りで「一発当てたがる経営者」も多いのだが、同族企業などで、一族のためや、そうでなくとも地元企業として社会的な使命において、末永く事業を続けたい経営者も多い。

しかし、周期によってアンダーなときがあれば、寿命と言うこともおきてくる。それらの理屈が分からなくとも、がむしゃらに生きる事で、なんとか乗り越える人もいるが少数派である。実際は、きちんと知識を得ていれば、もっと多くが生き延びたはずである。

また、苦しんで経営をやり続けなくとも、いさぎよく身売りすることで、新しい道が開けたかもしれない。あなたは間違わないで欲しい。


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