30代のリフォーム購入  パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「30代のリフォーム購入 パート2」についてお話しします。

セレクト品をシェア


冒頭でシェアする人が増えたといったが、高級車や高級ブランドの洋服や鞄など、毎月定額料金を支払い、その都度自分の好きなものを使うシェアサービスというのがある。

先の日経新聞でトヨタさえも「自動運転、電気自動車、シェアリングサービスが、成長をけん引する」と言いきっている。

所有はできないが、自分の物のように使いたいといった希望を満たすもの。
これがリフォームにも使えないか?家の専門家やインテリアデザイナーなどがセレクトした家具などが、毎月定額で利用できる。

単なるレンタルであるが、観点を変えてみる。
毎月取り換えてもいいし、年間に一度でもいい。

たとえば「月額5000円で専門家が選んだ家具を味わえる。毎月交換も可能」という感じであろうか。

家具を購入したが「スグに飽きた」「気に入らない」という苦情をきいたことがある。
だからといって簡単に買い換えることも出来ない。なんとかしたい。

といった需要というより「快適な住生活の一環として定期的に家具のチェンジ」と考える。

ただ、定期的に家具を出すほどストックを抱えるわけにはいかないので「かしてどっとこむ」「ディノス」などと提携すれば、なんとかなる。

ただ、我々はレンタル会社ではないので、リフォーム会社が提供する快適な暮らしを行うのに、あるといいサービスの一環だと考える。

リフォーム・リノベーション、保険、レンタルなどが複合してサービスが受けられる。

それらが定額サービスであることに意味があるのではないか。

快適な住宅を維持するサービス


「何を売るか?」より「月々どのくらいでおさまるか?」で考えてみる。

また、その定額サービスのなかに、別のサービスを加えるのもいい。
たとえば、最近花屋でうけているのが「1年中お花が絶えない家」として旬の花をピックアップして届けるサービス。
女性にとってうれしいと思うようだ。

また、食材のデリバリーも好評だと聞く。
夕食の献立を悩まなくとも献立通りの食材を配達してくれるサービス。
買い物にいかなくとも、飲み水、お米食料品や医療品などの宅配サービスも合わせてくれるようだ。

高齢者宅だとヘルスケアサービスとして、栄養素やカロリーを保管して、配送者を通じて血圧測定など健康管理までおこなっているらしい。
ここまでされると他の店では買えない。

これらのサービスは既に行っている業者がいる。
いまさらやるのは遅いと思うかもしれないが、そこまで普及はしていない。
むしろ、需要をあぶり出してくれているので、いまから参入するのが面白い。

これらの仕事はどこに頼むかがポイントで、他の快適サービスもまとめて受ける事ができれば、顧客財布をこちらが握ることができる。

定額料金いれるサービスは、一から作り上げるのではノウハウや人員などの問題で、難しいのだが、既にあるサービスをどう活用するかを考えた方がいい。

カメラと携帯の融合で成功した例と同じで、これまで関連のなかったサービスを一つにくくることで新たなるサービスにしたいのだ。

また、この融合は、ものぐさな若者の役に立つことにもなる。

話はそれるが、ビルメンテやマンションの管理会社を見てもユニークサービスに変わっているのがわかる。

これまでのような消耗品の実費精算のような管理ではなく、もっと包括的な観点になっている。
細かい実費より「マンションでの過ごしやすさを保障する」として、管理する目的を変えているのだ。

そして、これまでより値段が高くとも年間契約できているようだ。

これだけをみても、時代は、顧客の考えにあわすと言うより、何も考えなくとも安心して過ごせるといったことを求めている。

若者であっても快適に過ごせることを約束してくれることが、付加価値の高いものになっているのだと分かる。

これまでリフォーム会社で言うと、ニュースレターや工事後のアフター訪問で関係を持続させてきた。

最近では「道具箱サービス」「害虫駆除サービス」「便利屋サービス」などを複合して、「さらに、住生活の向上のお手伝いをする」といったことが注目されている。

定額料金でこれらも網羅できれば面白いのではないか。
年間何回でも受けられる。
後々の大事にも対応できるようなもの。

また、「何かあったらスグ対応してくれる 365 日24 時間対応」(これは既にやっている所は多いだろうが)や危険があるとスグにやってきてくれる「セコム」などの対応もあればさらにいい。

とにかく、住生活の観点で、安全、安心、快適、などを定額で突き詰めてみる。

先に、運用がいるといったが、こういった考え方で進めていくと、報酬に対しての考え方も変わってくる。

必ずしも報酬はお金ではないという考えだ。
報酬はSNS で「よかった」とアップすることでもいい。

ネット販売する会社が、お客様の声と評価を気にしているがそれと同じで、それが報酬となるのである。
リアル店舗での販売がメインのお店だと、お金以外の報酬には積極的ではないがやってみる。

定額の継続には信頼が必要なので、既成概念は取り払う。
SNS で語ってもらうことで「人がいい、笑顔がいい、サービスがいい」といった告知が、安値販売より効果があれば、もらい損ねたお金以上の宣伝効率がでるかもしれない。

DIY の指導


それ以外では DIY への注目も必要だと考える。
ホームセンターの普及などで、材料が自由に買える環境のなかで、顧客が自分で工事をすることも増えてきた。

現状では「工具をもっていない」「施工方法を知らない」といったことで DIY が盛んだとはいえないが、需要が増えているのは事実であろう。

特に若者はお金がないので、中古住宅など購入するのなら需要の可能性は増える。

海外では DIY が一般的な国が多く、家の内壁は定期的に家族で塗り直すものだと言うとこともある。

それをホームセンターや DIY ショップの脅威だけにとらえず、よりもっと専門家であり、もっと本格的な指導ができるリフォームショップとしての売りにすることもいい。

たとえば、全ての職人仕事を細かく書いたテキストを作り、そのテキストを販売するのも面白い。(実際にオーストラリアで販売されている「DIY KNOW-HOW WITH SHOW-HOW」のようなもの)

そして、本物の職人からのレクチャー。
簡単な法的知識と安全などの常識を教える。
工具の選び方や販売、また、工具の消耗品の販売。
建築会社でなければ仕入れにくい材料なども販売する。

また、DIY を教えるだけでなく、必要に応じて職人の派遣をするのもいい。
顧客の考え方や能力、時間などによって対応できる会社になるということ。

これといった趣味のない若いサラリーマンに、実用的で知っていて無駄のない DIY を楽しんでもらう。

これがうまくいくと定額サービスも継続できるし、単なる顧客というより指導を受ける生徒のようにもなる。

お店とお客さまの関係すらユニークなものになり、他にない関係作りを実現することもできる。

空き家が多くなる世の中。
賃貸アパートやマンションも空部屋が増えるだろう。
そうすると、賃貸でも自由度が増える物も出てくるだろう。

持ち家でも賃貸でも住んでいる人がメンテしていく時代。
こうなる可能性は低くない。

大型リフォームで勝負をしてくるリフォーム会社の逆をいくには、こういったサービスを丁寧にやっていくことは重要である。

さいごに


今回の話は、若者からリフォーム需要を得るにはどうしたらいいか?という観点であったが、それ以外の世代には通用しないといった話でもなかった。

リフォーム会社がいったん得た顧客を手放さないために、また、いったん得た顧客からの単価を継続して得る為にどうするか?といったことなので、だれにでも当てはまる話であった。

顧客の住生活を守る為に、どうサービスを作りだすか?また、それぞれの顧客にあった対応をどうすればいいか?こういったことを考えることが出来たであろう。

特に、本業であるリフォーム会社としての今後のあり方を確認することもできたのではないか?


・材料を買いたい。道具を買いたい。→プロが厳選したものを販売する。
・DIY をしたい。やり方を教えてほしい。→プロが本格的に教える。
・リフォームを一緒にやりたい。→プロがするリフォームの一部を顧客が手伝う。
・できるだけ費用をおさえたリフォームをしてほしい→必要なリフォームだけをプロが厳選する。
・面倒なことはお任せでリフォームして欲しい→短時間で希望を聞きプロが責任を持って行う。
・記録をのこし、詳細な打ち合わせをしてリフォームしたい→プロがつきっきりで対応する。
・家族の事情を把握してリフォームして欲しい→ご家族の意志や将来を予測して、キチンとしたヒアリングをする。

こうした流れだけでも、リフォーム会社の役割に変化があるのだと理解できる。

これからはネットの進化と反比例して人とのつながりが求められると考えている。

だれも知らん顔でなく、いつも見ていてくれるといったことを求めてくる。

もっと言えば「お帰りなさい」といわれる場所が欲しい。
自分を肯定してもらえるから、明日からも戦える。といった感じであろう。

それを手にした企業が、顧客の財布のヒモをコントロール出来るのである。

人間関係に疲れた人が嫌うが、つながり、ささえあいといったことは、これからも商売のポイントであるのである。


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