下請け会社になる。 パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「下請け会社になる。パート2」についてお話しします。

下請け業務の進め方


あなたの会社が下請け事業をやるのであれば、元請け業者もこのルールを理解して、共通した意識と理解、協働した動き、ツールの整備を行っていかないといけないこととなる。

それを踏んで下記の2つを中心で進めていきたい。

① 元請け業者に、担当する技術者を立ててもらい、あなたの会社の管理者(建築士)が下請け側の技術者(管理者)となる。

② 元請け業者が「実質的な関与」が認められるよう、業務と役割を確定させる。

②の「実質的な関与」が認められる為には下表の内容のクリヤーが必要なる。

●元請け業者の技術者は、下記内容で下請工事の「主体的な役割を現場で果たしている」ことが必要。

①施工計画の作成 ②工程管理 ③出来形・品質管理 ④完成検査 ⑤安全管理 ⑥下請業者への指導監督

●下請け業者は上記内容に加えて下記内容について主体的な役割を果たすことが必要。

⑦発注者との協議 ⑧住民への説明⑨官公庁等への届出等 ⑩近隣工事との調整

この内容を、具体的に次の a〜d で説明する。

a.元請け業者は、下請け業者に発注をするときに、下記の工事引継書を作成し、前の表にある①施工計画の作成②工程管理の要件を満たす。

b.元請け業者は、前の表にある③出来形・品質管理④完成検査の要件を満たす為に、下請け業者から下記の報告を受けるものとする。また、申し出により現場にて確認・指導業務を行う。

c.元請け業者は、⑤安全管理⑥下請業者への指導監督の要件を満たす為に、下請け業者が開催する月次会議(当社協力業者との安全衛生協議会、工程会議、現場パトロール結果、顧客からの声確認、クレーム報告など)に参加をし、直接安全衛生の管理を行う。また現状の現場の作業や品質向上における指導を行う。

d. 下請け業者は、⑦発注者(元請け業者とその発注者)との協議⑧住民への説明⑨官公庁等への届出等⑩近隣工事との調整の要件を満たす為に、主体性を持って下記内容を行動するものとする。
・ 現場にて元請け業者と協議するときは、できるだけその発注者にも同席してもらい支障が出ないようにする。
・ 工事近隣に関する対策は、元請け業者の意向を聞きながら、下請け業者が積極的に携わる。工事前挨拶、駐車や工事騒音についての説明と承諾、工事後の挨拶など、問題が生じないように心掛ける。

役割の明文化


こうした現場管理は本来どの業者でもやるべき事ではあるが、現実ではキチンとやれていない業者が少なくない。

今回、取引の対象となる元請け業者においても同様で、障壁は高い可能性もある。

ただ、「人手不足でなんとかしたい」という心情、「いま、現場管理がキチンと出来ていないので何とかしたい」という問題意識が業者はいるので、そこに向けてアプローチしたい。

特に、少人数で運営するリフォーム会社では、営業、工事、会社運営において業務改善を課題にしている会社は多いので、工務力をもった会社を下請けにすることで、勉強にもなるはずである。

元請けが下請けから教育されるという形はこれまでになく、これまでの下請け事業のイメージではなく、下請けが主体となった事業になれば、当社にとっても新たなる事業になると考えている。

実際に募集するときのレター例


実際に私が下請け業者として、このレターで 70社程度にアプローチしてみると 3 社ほど見込みがあった。

反応があった会社は近隣から毎年安定して受注を取っている所であった。

ただ、少人数なので社長がぜんぶを取り仕切っていて、受注はしても着工できない現場をいくつも持っていた。

地主顧客の多い会社のようで、当社には「借家の建て替え」の依頼を得た。

また、別のルートで鉄骨造 3 階建て店舗付事務所 337 坪の改装工事の見積もりを得た。

即見積もりし即着工できる案件がいきなり舞い込んできたのである。

元請け会社をしながら、陰では下請けもする。

こうした商売方法は、決して脚光を浴びるわけでも、褒められたものでもない。

たぶん自己顕示欲の強い社長には物足りないかもしれない。

ただ、手がつけられていないビジネスなのでうまみは大いにある。

いま、ビジネスになるのは、だれもが嫌がることか、かゆいところに手が届く事である。

職人不足は既にあるし、これからもある。それでも工務力をしっかり考えるだけで将来明るい。

下請け事業は面白いと思う。

森下 吉伸


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