クレーマーでストレス発散? パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「クレーマーでストレス発散? パート1」についてお話しします。

まじめが仇になる


最近、多くの企業からクレーマー対応において「当社の社員に具体的な指導をしてほしい」と依頼が多くなった。

ようやく世の社長達は、クレーマーの危険性に気がつき、対策しなければならないと思いはじめたのであろう。

たしかにクレーマー対応は難しい。

これまで私もクレーマー対応の事例を数多く取り扱ったが、実にさまざまであった。

これをひとくくりにして対応するノウハウを説明するのは簡単なことではない。

単なるクレームと違って、クレーマーは真面目に対応すると被害が広がってしまうことがあるからである。

たとえば、「誠意がない」と言われ一生懸命対応しても「まだ、誠意がない」と言われることがある。

尺度がわからない誠意を目指して、延々と対応が長引いてしまう。

こうした対応は時間が無駄になる。

そのことで費用が発生することもある。

できないと損害賠償になることもあり、真面目に対応すると仇となることがあるのだ。

非常識が常識になる


また、クレーマーは常識でないことを発言・要求してくるものでる。

それに対応していると、こちらにも非常識な感覚が生まれてくる。

先日、リフォーム現場で「ホコリがでるのをなんとかしろ」といわれた事例を聞いた。工事現場では無理な要望である。

しかし、あまりにも言われると、その工務店は現場の職人に「なんとかホコリが出ないように仕事をしろ!」と言ったようだ。

今度は「できるわけない」と職人とトラブルになり「こんな非常識な工務店の仕事はできない」と職人は現場から出てしまったようである。

無理もない。

工務店も落ち着いて考えると非常識だとわかるのだが、クレーマーのいうことに真面目に対応しすぎると、こんな風になってしまうのだ。

これまでの日本人は性善説・性悪説によって「顧客満足度が 1 番」「なにごともお客さまのために」「お客さまは悪くない」と思いたい所があって、お客さまが非常識であっても受け入れようとしてしまうのである。

じっと我慢をしない


幹部の低迷のなかでとくに影響が強いのが№2的存在である。

こうした考えは、「無茶なクレームでも抵抗せず、じっと我慢する」と黙って受け入れようとしてしまう。

その結果、クレーム状況を悪化させることがある。

我慢すればするほど、クレーマーからの攻撃がどんどん助長するからである。

まさに「いじめっこといじめられっこの定理」である。

学校でいじめが問題視されるが、悪いのはいじめる子供である。

その通りである。そして、いじめられる子供に罪はない、というのが正論である。

しかし、いくらいじめられっ子でも、巻き込まれた災難から、できるだけ被害がないように努力することは大切であろう。

クレーマーへも我慢せずになんだかの努力は必要なのだ。

クレーマーはネコのいたずらみたいにちょっとずつ、手を出してくる。

相手の出方を見ながら、まだ押しても大丈夫、まだ大丈夫と攻撃を強めてくるのである。

そして、こちらになんだかのミスが生じたときのタイミングで爆発するのである。

いったんそうなると、そこからは防御できない関係になってしまうのである。

感情的な対応はしない


クレーマーは何も考えずに攻撃してくるわけでない。

こちらの動きを見ながらチャンスを待っているところがある。

ただ、攻撃の出発点は、こちらのミスに対するクレームという形で始まることが多いので、どうしてもこちらが逃げるような態度ができなくなる。

多少の無理難題を言われても、だまっていうことを聞かなければならないと思ってしまう。

そして、クレーマーはいろんな駆け引きをしてくる。

たとえば、苦しい被害者を演じるとか、怒り続ける被害者を演じるのである。

また、ウソをついたり、煽ってきたり、人格を否定したりといろいろやってくる。

こちらを乱して、さらに自分の都合のいいようにしようとしているのである。

そんなクレーマーに感情的な対応はしてはいけない。

これが原則なのだが、感情的になって怒ってしまうケースが多い。

中には、散々叩かれて、逆に感情がボロボロになっていく人もいる。

実際に鬱病になる人も少なくない。

怒っても、沈んでも、感情的な対応になってしまうと、それらがクレーマーの助長になってしまう。

しかし、感情的にならないで対応するのは難しいのだ。

だからこそクレーマー対応のセオリーは「つきあわない」である。

まず、クレーマーを見極める力をつけて、そうだと認識したら、できるだけ早く関係を切る。これが大原則なのである。


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