部下の裏切りについて パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

桜が見頃の季節。もうお花見にはお出かけになっただろうか?
桜が咲いた後には「花冷え」と言って気温が低めになる期間がある。
ひき続き体調管理には注意していきたい。

さて新年度のスタート。新入社員をむかえられた会社も多いと思うが、
そんな中、社員教育についてもふまえて、
今月は「部下の裏切りについて」をテーマに2回に分けて書いていこうと思う。

「理想のNo.2」育成セミナー


現在、“「理想のNo.2」育成セミナー”のDVDを会員の入会特典で配布している。
なかなか評判はいい。
社内に起こりうる課題を取り上げ、責任者がどう対処するのかを考えていくセミナー。
集客やセールス、部下の育成や組織作りなど、社長の右腕に必要な行動を具体的に考えていくのだ。
そして、右腕として社長をどう助け、どう代わりを務めるかを理解させていくことを目的としている。
 
どの社長も「頼りになる右腕」を欲しがっている。
ただ、その反面、「では、具体的に右腕にはどうあって欲しいか」がまとまっていない社長も多い。
たとえば、「右腕はトップの営業成績であればいい」というかと思えば、「社長が留守でも問題がないようにしてほしい」ともいう。
トップセールスマンと組織の責任者は違うのだが、なぜか混同する。どうも、まとまっていない。
 
ほんとうに右腕が欲しいのなら、まず、「右腕に何を期待するのか?」「どういった立場にしたいのか?」「具体的に期待する成果はなにか?」といったことを整理し、定義づけしておかなければならない。
今回のブログでは、まとまっていない社長のために、考えるコツをお教えしたい。
ただ、セミナーで伝える「右腕の心得」「右腕がやるべき具体的な業務」「社長が右腕への理想の接しかた、また、教育のしかた」といったアプローチではない。
「部下の裏切り」といったちょっといやなテーマをつかいたい。
 
 

右腕に対する前提



 
まず、端的にいって、「なぜ、右腕を作りたいのか?」その理由を考えてもらいたい。
そして、社長が右腕に対する考え方を整理して欲しい。
たとえば、「自分の代わりをやってもらってラクになりたい」とする。
ラクと言っても「サボりたい」と言うより、「自分がやるべき仕事に集中したい」ということだろう。
自分がやらなくともいい仕事に追われて、肝心な仕事をやるのが大変だからである。
会社が成長してくると、「社長の力だけでは限界がくる」というところではないか。
よって、「社長の代わりに責任を取る」という右腕の心境を理解するところから考えていくのがいいだろう。
 
ただ、ここで忘れないでほしい前提をいいたい。
「社長の損得だけで右腕を育てない」ということだ。
社長によって右腕に対して期待する内容が違うだろうが、この言葉には納得感があるだろう。
だれもが、社長になるときに「社長としての満足や喜び」を得るために会社経営をはじめたに違いない。
そして、それを実現する為に、人を雇用し、そして、責任に応じて給料を払ってきた。
言い換えると、部下は社長の成功の為に雇用している、といった部分はあっても右腕が持つ損得も対等に考えて育ててほしい。
 
 

部下が働きたい会社


これは、右腕の身になったらわかるだろう。
基本は、社長の利害にあわせて仕事をすることで給料がもらえるとは分かっている。
ただ、それだと単に「労働と賃金」の関係だけになってくる。
しかし、右腕ぐらいになるとそれだけの関係ではない。
「長年働きたい」「社長をささえたい」というモチベーションはお金だけではない。
やりがいとか、やりかたに納得がいくかどうかも大切になってくる。
そこで重要なのは、ただ一つ。
「この社長についていきたいか?」ということなのである。
結局、右腕は社長に対する尊敬・信頼があればこそ成長をしていくものなのだ。
 
こんな簡単な理屈は、どの社長でも安易に想像できるのだ。
しかし、だからといって自分の損得だけでものを考えない社長は、そう多くない。
自分の成功の達成と、おなじレベルで部下の成功を目指すという社長は少ないのだ。
たしかに、部下と対等に損得を考えるのは難しいとは思うのだが、そこは重要であり根本である。
しかし、実際では自分だけを優先してしまい、結果的には関係がまずくなって右腕に裏切られる社長の数は減らない。
やはり、前提をしっかり理解していないからではないか。
 
 

部下の裏切り



部下の裏切りというのは考えたくないが、ちょっとした油断でありうる。
たとえ、いい人材を雇用しても、前提がしっかりしていないと裏切りに進むことは多い。
また、いないと困る部下ほど、裏切る可能性がたかくなるのも事実。
頼りすぎるのも禁物である。
社長は部下との共存共栄が大切だといったが、あわせて、社内の人材の質が上がってくると、社長も質を上げないといけない。
もちろん、「社長の器」と言った観点からだ。「何処までいっても、社長には追いつかない」という感じだといってもいい。
そういったことも共存共栄といえるだろうから、自分なりの共存共栄をしっかりみつけておく必要がある。
 
また、部下の裏切りを事前に察知し、防げる力も必要になる。
優秀な部下ほど、すぐに裏切るわけでない。
「いよいよ、どうしようも無い」といった限界まで耐えてくれるからだ。
よく聞くが、部下の態度がおかしいと思いながら、見て見ぬふりをする社長がいる。
たとえば、それが右腕だとどうなるか?ヘンに気を遣う社長が多い。
そして、短期間で責任者に据え付け、高給を与え、それなりの地位と権限を与える。よかれと思ってだ。
部下の態度がおかしいと思えば、厳しくやるべきだが、逆に目をつぶる。
へんに社長がこびを売るような行動は、先でかならず限界がくる。最悪、裏切りを生むことになる。
 
しかし、右腕にとっては待遇がよくなるのに、なぜ、裏切りになるのだろうか?
それは、社長の気持ちが右腕からはなれていくからだ。
そして、そのことに気づいた右腕は自分も離れようとするからなのだ。
考えてもみてほしい。こびを売られることで、これまで以上に、右腕が主張することは主張し、勝手なこともやり始める。
さらに社長の側近を利用し、自分が社長になりはじめる。
そして、社長さえも自分のいいなりにしようと考えるのだ。
そのうち、社長と対抗していき裏切りをはじめるのだ。
なかには、部下を引き連れ独立してしまう裏切りもある。
もし、こうなっても「思いもよらなかった」ということは少ない。
事前にサインは出ている。そこに目をつぶらない勇気が防御になる。
 
 


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