不安と不満の解消 パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「不安と不満の解消 パート2」についてお話しします。

クレーマーもミラーニューロンを使う


話しは少し変わりますが、長年つれそった夫婦が、だんだんしゃべり方や顔が似てくるといったことがあります。これもミラーニューロンによって起きる現象なのです。

相手の考えや思いが、自分のものと同じになるだけでなく、姿かたちにも影響しているといった例なのです。

このことは、いままで「夫婦とは、そういうものだ」というぐらいで、なぜそうなるのかを、あまり考えることは少なかったと思うのですが、ミラーニューロンであれば説明がつくのです。

また、この考えは、クレーマー対策にも関係します。クレーマーの多くは、人格障害者であることが多いわけですが、そういう人達の特徴に、「身勝手に話を作り上げていく」というスキルがずば抜けて高いというものがあります。

たとえば、工事上でトラブルが発生して、上司や社長が話を聞きに行ったときに、上手にウソをからめて、真実を自分なりに脚色してくる場面に、これまで何回となく遭遇してきました。上手に、苦情の拍車を大きくしていくのです。

たとえば、「たしかにあの時、おたくの担当者はこういった」といったトラブル。これらは、「言った、言わない、の話」というくくりで、業者側の責任でしょうがないと片づけるケースがほとんどですから、こちらが対抗してこないことをいいことに、上手にウソをまぜた事実を作り上げ、苦情を言ってくるのです。

このことは、ちょっと乱暴な考えですが、私は、人格障害者がミラーニューロンの使い方が上手なのだと考えています。こういった人達は、瞬間に、こちら側の考えや、人間性を見抜き、繰り返し同じ苦情をいうことで、短時間で相手側の心情に、自分の心情をすりこんでいくことの天才なのです。

「そういわれるとウンもスンもでない」と言う言葉や、「それは記録がないので言いわけのしようがない」といった弱点を、信じられないほどのスピードで見抜き、そこに入り込んでいくのです。

結果としては、自分のいいなりにして、巨大な怒りをぶつけてくる。そして、膨大な時間と苦痛、そして、場合によって莫大な補償金を巻き上げられるのです。

ミラーニューロンは怖い一面もある


「痛み」というのは、面白い特徴があります。

それは、「自分の痛み」だけではなくて、「人の痛み」であっても、「自分の痛み」と感じるように上手な表現や納得できる事例を出すことによって、同じような効果がでることがあるのです。

突然ですが「ミラーニューロン」というものを、あなたはご存知でしょうか?

私も、あるコンサルタントの勉強会で教えてもらって、少し自分なりに調べてみたのですが、とても興味深いものなのです。

もともと、イタリアのジャコモ・リゾラッティ博士が「人間の脳の中には、ミラーニューロンというニューロンがある」と発表されたものです。

それは何なのかというと、簡単にいって「一緒にいるとか見ているだけで、自分の脳はだんだん相手の思いや感覚を写し出していく」といったことがおきるという脳の機能です。

たとえば、野球の観戦をしていると、だんだん選手と同化していくことを感じることがないでしょうか?

野球がきらいならオリンピックでもいいですが、頑張っている選手の競技を見ていると、ついつい没頭してしまうといったことは誰にでもあるはずです。

没頭すればするほど、その選手が競技中に失敗して「しまった!」と思ったとしたら、その瞬間に、見ている側も「しまった!」と感じてしまうはずです。

逆に、最後まで失敗もなく、完璧にやり遂げた時の「成功のガッツポーズ」をした時は、いっしょになってガッツポーズをしているかもしれません。

一緒にいるだけで、選手が味わっている感情を、まるで自分の感情かのように味わってしまう。

こういう現象も、ミラーニューロンの説明に使うことができます。

バイオリズム診断で感じたこと


話がそれたので、不満と不安の解消で集客をアップさせる話に戻します。

いま、バイオリズム診断を当社の見込み客様に対して行っているのですが、そこでも、面白い現象がおきていることをお話しましょう。

通常、リフォームの反応をした人は、自分の悩み、不安や不満があって、それを解決する方法としてリフォームを選択した方です。

しかし、上手な営業マンが、ご希望を掘り下げて聞いていると、最終的には、悩みの解決はリフォームではない、ということがあります。

必要なのは、新築だったということもあるでしょうし、家族の関係を改善することですんでしまうこともあるのです。

バイオリズム診断では、悩みの解決がメインです。

とくにリフォームを考えて話しはしていません。しかし、面白いことに、先ほどの話とは逆で、悩みを聞いていると最終的にリフォームになったといった現象が起きているのです。

悩み内容の多くが、家族や夫婦の人間関係。又、嫁姑の関係や、職場での人間関係、恋愛問題。

そう、ほとんどが人間関係のもつれです。

なかでも家族内でのもつれが多いのですが、それを掘り下げて聞き続けると、解決方法がリフォームにあるということが分かってくることが多いのです。

もともと、リフォーム会社の社長に相談するわけですから、多少はそういう可能性を、相談者本人も無意識に考えていたのかもしれませんが、出てきた結論に、お互いに驚いてしまうのです。

とくに、誘導などはしないですが、「家族づくりの根本は家づくり」という考えを持っている私なので、話を真剣に聞けば聞くほど、また、相手の気持ちを探ろうとすればするほど、お互いにミラーニューロンが働いて、同化しあって、考えが同じになっていくのだと推測しています。

どんな話であっても、一緒にいるだけで信頼関係が深まるのに、うなずける話がそこに出てくればくるほど、考えは同化していくのです。

そのことで、殺人犯じゃないですが、こちらの目的でもあるリフォームに、上手に話が変わりやすく、しかも、そこでは価格や技術、商品といった他社との比較を有しない依頼がおこり始めるのです。

今回は、ミラーニューロンという、少し変わった観点で書いてみましたが、つまりは、お客様には寄り添い、話を聞きだし、聞く営業となることが大切だと言う、営業マン教育では当たり前だと言われていることの確認のような話になってしまいました。

最後にもう一度言っておきます。

広告などをつくるとき、セールスをするとき、相手を知るといった行為が、ミラーニューロンを発達させ、「買ってもいい」と思わせることにつながるのだと、もう一度認識して下さい。

人間の構造を知って戦略を立てることは、とてもかしこい手法なのです。


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