こんにちは。森下です。
さて、今回は「無人リフォーム会社 パート2」についてお話しします。
日本企業の小粒化
以前、日経新聞に日本企業の「小粒化」について書かれていた。
アメリカでは企業1社あたりの時価総額は2000年から2.6倍になっているが、日本は1.7倍にとどまっているのだそうだ。
つまり、アメリカ企業の成長は大きいが日本は小さいということである。
現状では日本はアメリカに4.3倍、中国には1.6倍の格差をつけられているというのだ。成長の低いこうした状況を「小粒化」といっているのだ。
たしかに企業でみても日本の停滞感はある。
特に日本はネットビジネスにおいては出遅れ感がある。
アメリカのアマゾン、グーグル、中国のアリババ、テンセントの急成長は目を見張る。
日本のソフトバンクやファーストリテイリングも頑張ってはいるが見劣りしている。
こうした新しい分野での成長には企業再編など「新陳代謝」が必要だが、経営者の保守性が高くグローバルな人材活用が鈍い日本では順調に進められていない。
「小粒化」というたとえは、「成長していない」「取り残されている」といったイメージがあるが、では今後どうすべきであろうか。
世界的な時代の流れを感じながら、日本特有の考え方を明確にしていかなければならない。
大企業は世界経済で優位に立つためには「大粒化」を目指すべきだとしても、中小企業はどうすべきであろうか。
「新陳代謝」を考えた進化のひとつにも、中小企業が取り組むべきひとつに無人化があるのではないか。
上場企業の平均寿命
上場企業の平均寿命をみても、日本は「新陳代謝」が鈍いと言われている。
平均寿命とはその国で上場している全ての企業が入れ替わるペースによって算出されるものだ。
たとえば、ある国で上場企業数の年間平均数が100社だとする。
逆にその年に上場廃止する企業が10社だとすれば、年に1/10が入れ替わる事になる。
その理屈でいくと全ての企業が入れ替わるペースは10年となる。
つまり上場企業の平均寿命(上場維持年数の平均値)は10年と言うことになる。
2017年時点での平均寿命をみると、ニューヨーク証券取引所で15年、ロンドンでは9年だという。
一方、日本では89年である。極端に長寿だといえるが、この状態が日本は上場企業に「新陳代謝」ができていないと言われることになっている。
ニューヨークでは年間で130社が新規上場し150社が消える。
消えた理由は約8割が M&A だという。ダウ・ケミカルとデュポンの統合のような大型編成や独自の強みを持った中小企業の買収の多発まで、多種多様ではあるが、ほとんどが M&A なのだ。
日本では年間100社が上場し40社消えている。
上場企業として生き残る割合は高いのだが、逆に活性化はされていないという判断であろう。たしかに M&A だけが企業評価の全てではない。
しかし、新しい成果を求めるなら現状の改善だけでは限界があるのはセオリーである。
新たなる可能性を求めて試行錯誤が必要なのだ。
実際の企業の内容は分からなくとも再編などの動きが鈍い証拠だということであろう。
日本は成長より存続
アメリカや中国の企業の多くの新陳代謝は「拡大」が目的であるが、日本の企業の多くは「存続」である。
そうなるのは、これまでの保守的な考えもあるだろうが現実的にそうならざるを得ない事情もある。
バブル崩壊以降、長期間景気低迷している業界が多く、積極的に投資して拡大するより生き残る為の安定型経営を選ぶほかないからだ。
また、合理的な風土でもないので経営上の選択と割り切って倒産を選ぶ経営者は多くない。
体裁や従業員への責任を考えると、簡単には割り切れないのだ。
しかし、「存続」だけを考えても、「拡大」思考は必要である。
無駄や課題を改善できないまま苦戦している中小企業は少なくなく、何処かでガラガラポンとやり直せたらと期待する経営者もいる。
保守的になりすぎた社内や、問題社員や問題商品など、どうすることもできないしがらみを払拭して企業を活性化させることができるからだ。
抜本的な改革(進化)といった新たなるチャレンジは「存続」を考える「拡大」といったことになる。
新たなる商品売上げを伸ばす、新たなる人員を確保する、新たなる会社でスタートしなければならないからだ。
夢では無い
こういった状況下での改革を考えたとしても、リフォーム業は店舗の無人化はひとつの方向性だと考える。
そもそも「存続」を重要視する日本の中小企業風土のやるべき拡大として労働者雇用の改革は意味深い。
たしかに、リフォーム業だと現調や見積りを無人化するのは難しい。
その部分は人の手がいる。
だからこれまで通りでしょうがないとあきらめると、これからも人材不足が続いてしまう。いかに労働者を合理化するか。
いかに魅力的な業界であり仕事であるか。
いかに専門的な能力が必要な営業マンや工事マンがいかに確保できるか。
いかに彼らの労働環境を上げて自由に仕事ができるかが重要である。
将来的になくなる職種(受付や配送など)と、これからも有り続ける職種がある。
リフォーム業でもその淘汰が必要である。
だからこそ、有り続けなければいけない職種が認められなければならない。
貴重な人材であり、あこがれであり、労働環境がよく、高収入でなければならないのである。
たとえば町医者のように恵まれなければならない。
優秀なリフォーム技術者が自信をもって業務ができる世の中。
そして、そこに人件費を投入できるようになる会社作りこそが無人化であり、存続できる会社になるであろう。
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