こんにちは。森下です。
さて、今回は「独立独歩リフォーム会社の方針 パート1」についてお話しします。
モノからサービス
「生きる道はサービス業」といったのはイオン。
確かにこうなるしかない。
これまで量産量販の主役だったイオンも変化しなければいけない時代である。
モノからコトへの移行。
いうなれば「総合サービスインフラ企業」として変化を強いられる現実を、中小企業はどう受け止めるべきか?
イオンの成功を振り返ると、メーカーの価格主導権を嫌い、規模拡大、流通の簡素化、低価格化で全てを圧倒した。
全国くまなく販売網を広げ、現状でも売上が8兆円ある。
モノ売りでの存在は揺るぎないように見えるが、内情はそうでもないという。
安売り系を貫いたのはいいが、後発で固定費を抑えたディスカウントストアーやドラッグストアーがはびこり、でかい箱を作るイオンの高固定費モデルは価格が合わせられないようだ。
ただでさえ、Amazonや楽天などインターネット通販の拡大によって、既存の小売り実店舗のあり方を見直しが迫られている中、大型なイオンでも追従しなければならないので、なにかと頭が痛いという。
こういった大手の悩みをみて、我々はどうすべきかを考えてみたい。
既存店舗で効率アップ
巨大な店舗網と膨大な労働者をかかえるイオンは、現状にそった急激なモデルチェンジができないという。
ここまで大きくした責任がある。
そこまでの店舗や人がいらないからと簡単には切り捨てられない。
よって、実店舗の活用を考えなければならない。
「既存店舗でなにができるか?」「なにを取り扱えば利益があがるのか?」と考え、その答えが「モノからサービスへ」に舵を切ることになって、新たなるイオンのサービスになっているようだ。
イオンは、まず、価格が確立していない業界に注目したという。
住宅リフォーム業がそうだが、まだ、適正価格がわかりにくい業界は多い。
その中に葬儀サービスがある。
そこから、婚活応援、子育て支援、介護関係へ取扱いサービスを広げていく。
これまでのモノ売りだと、原価が丸裸にされるので利益がのせにくいが、これらの業界だと利益が取れる価格が作りやすい。
これまでのモノ売りでは営業利益1%だそうだが、こうしたサービス業だと3%以上取れるのだという。
まだ、総売上高に対して金融とサービスで2割程度というが、実にイオン全体の利益の半分をだしているらしい。
家事代行サービス
また、家庭に入り込むようなサービスもはじめている。
いうなれば便利屋だが、この手になると大手は有利だ。
家に入り込むには信頼業者が求められ、信頼度の高いイオンは有利なのだ。
目立つのは今後10年後に単身割合が4割になることを見込んだ家事代行サービス。
16年の売上げでは既に83億円あり、家事代行大手では成長率が飛び抜けている。イオンの安心感の勝利であろう。
さらにイオンは、家事代行サービスに、既存商品でもある日用品や食品などを融合することで顧客の囲い込みを考えている。
既存収益も回復するので一石二鳥である。さらに、事業所内保育所、学童保育、通所介護など、社会的な問題解決まで手を広げ、セブン&アイ・ホールディングス対策を進めている。
目指すは「生まれてから死ぬまでの生活を支えるインフラ」である。
まさに、ゆりかごから墓場まで。
国策も後押ししてくれるだろう。
大手企業も町の商店化
イオンが考えているサービス業の流れを「人が生まれてから亡くなるまで」と時系列で書くと以下のようになる。
①「事業所内での保育所支援」
②「放課後教室(学童保育)開催」
③「結婚情報、紹介業」
④「電子マネー、銀行、クレジット、ローン」
⑤「家事代行サービス」
⑥「通所介護の実施」
⑦「葬儀」
一生を通じてどうかかわるか?それを独自なサービスとしてイオンなりに考えているのである。
団塊世代を代表するように、これまではある世代をターゲットに考えることが多かった。
学生、若い女性、主婦といったように。これからはそうではない。
国民の成長とともに網羅できる総合サービスが必要だとされているのである。この考え方はイオンだけにとどまらない。
どの会社も独自のターゲットやサービスを明確にしなければならない。
セブンイレブンは、小さなエリアを1店舗でフォローできるスタイルをとっている。
家の近所の小さなお店。
そこで、ほとんどの生活・食料品がまかなえる。
厳選されて、使いやすい商品ばかり。
単身や老夫婦など、家族形態や事情を加味したものである。
そして、宅配もあって「なじみの店、なじみの店員」となる。
イオンとは観点は違うが、総合サービスの流れの一つである。
実際に、私の家のスグ近くにできたセブンイレブンを見てもコンビニの変化を感じる。
まず、オープンをひかえた店のオーナーが、近隣挨拶にうちに来た。
「今度夫婦でコンビニをやります。宜しくお願いします」といって、近隣の方だけにとサービス券やオープン特典のチラシを置いて帰ったのだ。
まるで、地元の商店のオープンである。
総合サービスにあわせて地元の商店化は恐ろしい。
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