自社の従業員に誇りを持つ パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「自社の従業員に誇りを持つ パート1」についてお話しします。

会社は従業員があってこそ


どれだけいい商品を開発しても、どれだけマーケティングが上手でも、従業員がよくなければ会社は落ちぶれていきます。

成功している会社になればなるほど、社長の功績ばかりが目立ちますが、本当は、社長の裁量にプラスして従業員のパワーがあってこそ、会社は成長していくものなのです。

なので、いい従業員を持たなければならないのです。

たしかに、従業員の実力で会社の業績が左右してしまうのは危険なので、できない従業員で会社の業績を伸ばせる「会社のしくみづくり」をきちんとするほうが大切だということも分かっています。

実際、私も従業員に振り回されるのがイヤで、「しくみづくり」を重点において、会社経営をしてきた方ですので、「従業員のいい悪いは関係ない、どんな従業員でも成功する会社づくり」を勧めることが多いのですが、でも、本音で言えば「できる従業員」をつくりだすことが、末長く業績を伸ばすのに一番重要だと思っています。

どの社長も「従業員は大切」とは思うでしょうが、しかし現実問題としては、社長になれば分かりますが、社員教育に大きく悩むのです。

いくら気を使っても、なかなか思うように育たないからです。

「給料が安い」「仕事がきつい」「休みがほしい」「会社の方向がわからない」など、事あるごとに不満を聞いて、そのたび「経営など何も分かっていないくせに勝手な事をいうな!」と滅入るときもあるのです。

そうなると、「いちいち従業員のたわごとに付き合っていられない」と考え、どうしても他人には頼らない、自分だけしか信じることができないと考え、従業員を大切にしないのです。

多くの中小企業が組織として固められず、社長のワンマンになってしまう由縁はここにあります。

たしかに、ワンマンでもいいのですが、不況の世の中、スグ業績には限界がきてしまいます。

なので、今以上にもっと末長く会社を伸ばそうとするのなら、やはりできる従業員が重要なのです。

そして、それを会社の売りにすることです。

「そんなことは、分かっている」とかみつかれそうなこの話題を、もう一度見つめ直すことで、あなたの社長としての方針がまとまるかもしれません。

そこで、ここでは具体的な取組を考えるというよりは、「社長のスタンス」として持っておいた方がいい事を考えていきたいと思います。

なぜ、うちの会社の従業員はいいのか?


うちの会社の従業員は、みんないい人です。

手前味噌で恥ずかしいですが、自信を持って言えます。

会社の風土が、彼らをよくしているでしょうし、お客さまを引き寄せる重要なポイントになっているからなのです。

しかし、そんなことを言いながらですが、うちの会社は、はっきり言って離職率は高い方だと思います。

5年以上いる社員は、10人入社して1人か2人でしょう。

だいたいが、やめていくのです。

これまでで何回も「うちの会社はいい会社ではないのか?」と考えたこともありました。

「なぜ、やめるのだろう?」と原因を考えてみて、細かいことはいろいろあったとしても、やめていく人の傾向を見ていて、あることがわかってきました。

それは、やめていく従業員は、ひとことで言って「他人を喜ばすことができない人」なのです。

つまり、うちの会社は、「他人を喜ばすことが出来ない人では続かない会社」だということです。

うちの会社の基本は、「他人を喜ばす」ということです。

お客さま、職人さん、会社の同僚と周りの人に対して、喜ばそうとする気持ちのない人は、いつかは、うちの会社にいづらい、といったことになるのです。

他人の事は関係ない、自分さえよければいいと思うことを、私は許さないし、会社にも風土として、そういったものがあるからだと思います。

「そんな綺麗事を言っても食えないんだよ」と思う人は、最終的には去っていきます。

もちろん、いまいる従業員がこころから人を喜ばせたいと思っているかというと、それは100%ではないでしょうが、その考えに同調しているのは間違いないのです。

最初から、100%そういう風に思えなかったとしても、

・どうやればお客様の心がつかめるのか?どうやれば買ってくれるのか?

・どういう人間関係がよくて、自分はどうあれば幸せなのか?

と、数年かけて考えることによって、だんだん納得してくるのです。

そして、少しずつ、周りに感謝をして、人のために力になりたいと思える人に近づいていく従業員だけが残ってくるのです。

人を喜ばすということは、自分が犠牲になることもあるでしょうし、直接大金が手にできないかも知れません。

なので、自分の利益のためだけに行動をしたい人には、こういうことが損だし無駄だと思うので、やめたくなるのも無理はないのです。

こんな人たちを、「今の世の中しようがない」と多くの人は言うでしょう。

それも分かります。

しかし、だからといって、決して、信じるとか、頼るとか、心をゆるすといったことまでも理解はできないと思います。

うちの会社は、地元の人に、信じてもらって、頼ってもらって、そして、安心してリフォームを依頼してもらう会社なのです。

そういうことを期待しているお客さまが、数多く来店してくれます。

それは、信じる、頼る、心をゆるすといったことが、会社からオーラとして出ているから来てくれるのです。

だから、いまいるうちの従業員は、全員がいい従業員だといえるのです。

人間的にも、ビジネスマンとしても。

お客さまの数の多さが、その立証なのです。

損して得を取る


斎藤一人さんが書いている「ツイてる!」という本に、サラリーマンも「損して得をとれ」と書いてあります。

この言葉は、商人の専売特許でない、だれにでもいえるのだといったものです。

どういうことかというと、働けば働くほどお金が入る仕事が得だというのは間違いで、同じ給料で、人の倍働いた方が最終的には得なのだといっているのです。

なぜなら、過去、どこの会社でも、高い歩合を求めて働いている営業マンが、大金持ちになったのを、あまり見たことないというのです。

それより、給与が高くても安くても会社のために一生懸命働いている人のほうが大金持ちになっているというのです。

損得なく一生懸命働いている人を、人は評価しますから、そういう人が、最終的には出世して経営者になって、そして営業マンとは桁外れの収入を得るからだというのです。

つまり、目先の欲にとらわれず、とにかく一生懸命働いていることで「この人は損得抜きで一生懸命やる人だ」と評価されどんどん運勢が良くなるというのです。

つまり、運勢というのはお金を求めるより心を求めたほうがよくなるということです。

言い方を変えれば、みんなが嫌な事を引き受け、人のために働くことが、人を喜ばせ、人から評価を受け、そして自分の成功もあるし会社の成功にも貢献するということなのです。

常識で考えても、頼まれごとも嫌がらない、ニコッと笑って「ハイ!」と返事する。

もし、こんな人なら、サラリーマンであっても、自分で独立した時であっても仕事は続くでしょうね。

それとは逆に、「なんで自分ばかり頼まれるんだ。同じ給与で、こんなにこき使われて」と、ふてくされる人は、ダラダラ仕事をしているので、人から評価されないし、だんだん運勢も悪くなるでしょう。

第一、そういったふてくされて頼みにくい人を、社長は会社に置いておきたくないでしょうから、クビになることもあるのです。

ただ、「お金のことにつべこべ言わず、黙って一生懸命働け!」というようにも聞こえますから、こういう言い方をすると多くの従業員は「勝手な経営者の屁理屈」と思うかもしれません。

しかし、どう思われようが、これは、まぎれもない事実なのです。


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