今年コケないように パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「 今年コケないように パート1」についてお話しします。

「しがらみ」からの脱出


あけましておめでとう。さて、今年はコケないようにしたいものだ。

・・・とまあ、新春早々なんでこんなセリフからはじめたかと言えば、昨年に教訓として感じた出来事があったからだ。

ひと言でいって「しがらみ」からの脱出。長年会社経営をしていると特有の風土や考え方が生まれる。

それは会社の強みになることが多く、あること自体は問題ない。ただ、いくら問題ないと言っても全てではない。

時代や状況によって変化させないと会社にとってマイナスになることの方が多い。

たとえば、24時間年中無休のお店があったとする。

当初はそれがよくて売上げが伸びた。

しかし、そのうちに深夜の顧客の数が激減したとか 、真夜中に働いてくれる社員がいなくなるとかして、その体制に無理が生じたとする。

それなのに無休で一世風靡させた重鎮からすると「もっと徹底させろ!」とくる。

顧客のわがままに目を向けた視点はいいのだが、限界が来て変化が必要になっているのなら新たなサービスに変えなければマイナスになってしまうのだ。

こういったように過去の成功事例であっても、現在では通用しないことを続けてやろうとすることを「しがらみを引く」という。

ただ「しがらみ」はよくないと多くは理解しているが、引きずってしまうことがよくあるのだ。

「このままではマズイ・・・」と気づいても脱出するのはなかなか難しいという声をよく聞く。

しかし、昨年コケた会社をみると「しがらみ」が起因しているケースが多かった。

ここに注目すべきだと今回は書いてみる。

ある会社への失敗例


ある大手の会社での話である。

これまで得意とする既存商材を使って、新規分野に打ち出そうと考え、その経営指導を私が依頼されたのであった。

彼らにとって慣れた商売ではあったが、全く違う点が1つだけあった。

それは顧客の種類である。

これまでは法人相手だが今回は個人相手だった。

商材販売なのでビジネス用には間違いないが、ショップ展開して小売り販売だったので「エンドユーザーに売る」といってよかった。

それならと集客からサービス・販売方法などを徹底的に指導したのだが・・・

結果的には業績を上げることはできなかった。

2年の月日をかけ、多少の顧客数は増えだが、目に見えての業績アップはできなかった。

その原因として強いのが彼らを変化させることができなかったことである。

これまでの「しがらみ」からの脱出させることができなかったのだ。

「人は、これほどまでに変化をしようとすればするほど、阻止するものなのか」と感じた。

「しがらみ」を正当化して、変化をゆるさない既存勢力が私の行く手をふさいだのだ。

セオリー通りだったはずだが・・・


2年前この取り組みをはじめた当時、方向性を確認したことが記録で残っている。

BtoBでなくBtoCの観点。

また、大手会社の出先店舗でなく住民に愛される地元密着ショップの確立。

自社の強みを4つ立てる。

エンドユーザーは「会社の規模」「流通が強い」といったことをあまり問題にしない。

いかに本物のショップかが重要。

プロショップとしていい口コミを発生させることができる身近で親しみのあるショップとして育てていこうと。

そして、新たな顧客を設定して、まずはその顧客のリスト集めからはじめた。

現状を調査し考えつく集客を試みた。

これまでなかったサービスの充実。

無料配送や手間をかけた顧客対応。

他の店では難しい専門的な対応を電話一本でできるなど、顧客になるべく人々の声を集め、どんどんサービスメニューを変えていった。

それを折り込みチラシ、口コミで広めることにした。

最初は順調にできた。

社内には「そんなことをしても、すぐに利益が上がらない」といった非難もあったが毎月試みは進んでいった。

このペースで行くと顧客リストは増えるので、1,000リストあるものが2,000リストになるのは1年程度であろうと予測した。

リストが増えるのと合わせて、さらに顧客に安心を与える為に、定期イベントの開催、ニュースレターの作成、新聞やマスコミを利用した告知、キャラクターの新設とソングづくりと情報発信を計画した。

ユニークな方法として 、顧客がよろこぶ集客セミナーなども開催を予定して、セオリーだと順調に伸びるはずであった。

対抗勢力を感じていて


セオリーというのは一般解である。

だれがやっても同じ結果になるといったもの。

たとえば、悪口をいったら相手は怒るとか、謝れば相手の怒りはおさまるとか、優しくすれば喜ぶとか、いいものは欲しがるとか。

100%ではないにしろほぼ同じ結果になるというもの。

ショップでエンドユーザーに販売するときも「顧客にこうすれば、この店で買う」といったことを実行すれば、顧客の購買が増えるのは当たり前である。

ましてや、さらに多くの成功事例をブレンドしたので売れ行きが伸びないワケがなかった。

しかし、結果はぜんぜん伸びないのである。

毎月チェックしておかしいとは感じていた。

ただ、事実は事実なのである。

そうして数ヶ月たった頃から、なんとなく感じていたことがあった。

それは「担当はやっているとはいうが、実際はやれていないのでないか?」という疑問。

なんとなくやっつけで、一つ一つに「本腰が入っていない」というか、「なんかやれない事情がある」というか。

どうも抵抗勢力があって順調に進んでいたものを頓挫させられているのではないかという懸念であった。

過去を基準に攻撃をしてくる


その懸念こそが「しがらみ」であった。

定期開催の作戦会議は常時数名で構成されていた。

社長、担当役員、部長、顧問、店長、技術者、広報担当者などがメンバーである。

この会議内容が徐々におかしくなっていた。

今から思うとこれが「しがらみ」の影響であった。

過去の会社事例をあくまで正当化し、新しい取り組みに懸命にケチをつける輩がいるのだ。

こういった輩は得てして会社の重鎮であり、ホコリの積もった経験と実績を楯に横やりをいれるのだ。

しかも今回は会社の得意であった法人営業でなくエンドユーザー営業である。

同じ観点だけでは無理がある。

それでも押し通そうとするのだ。

たしかに、人は過去の経験で知り得たことを使って未来を生きようとするものである。

そもそも新しいことをするのは苦手なので、間違っているとわかっても、同じことをやり続けたがるものである。

しかし、それは個人的な話ならいいかもしれないが、会社経営においてはマイナスになってしまうことが多い。

一部の問題ある過去は「しがらみ」という名前に変わって、新しい取り組みに攻撃してくる。

古くさい戦略を誇示して、柔軟な対応ができない会社にしてしまうのである。


サクセスサポートオフィスは全国の企業経営者が持つ「集客・営業・社員教育・組織づくり」などの様々な問題、課題の解決をお手伝いしています。

ご質問やお問い合わせは、ぜひこちらの無料相談まで。
お電話でも受付けております!079-295-5772