コンパクトリノベ パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「コンパクトリノベ パート1」についてお話しします。

建て替えに変わるリノベ


益々リノベーション販売をするリフォーム会社が増えた。

ただ、その工事内容は会社によってさまざまである。

なにがリフォームで、なにがリノベーションか。

その線引きは明確ではない。

(ブロガーの「ちきりん」が「徹底的に考えてリノベしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」【ダイアモンド社】で、顧客目線で説明しているので参考に)

イメージ的には「全面改装」というか、大掛かりな工事のことをリノベと言っている。他にも住宅価値を上げるリフォームだという認識もある。

また、中古住宅の再生というか、古家を改装して新築のように購入してもらおうとリノベという言葉を使っている会社も多い。

売れなくなった新築の理由に「性能はいいが価格は高い」と買えなくなったことが上げられるが、中古再生によって一次所得者を新築からリノベに向けようとしている感はある。

新たなる住宅購入法をイメージさせているのである。

私は地元リフォーム会社のあり方は「何でも屋」だと思っている。

リノベも「何でも屋」のメニューの一つ程度にしか思っていないが、大型商品としては持っていたい。

これまで私がいうリノベは、建て替えを考える古家の住宅性能を新築並みに向上させて、新築より値段が400万円安い「新しい建て替え」として考えていた。

基礎や土台、柱、梁など構造材だけを再利用して、他は全てやり換える「建替えリノベ」として。

しかし、問題点が分かった。

解体コストが押さえられない


1年ほど「建替えリノベ」の工事をして分かったのが、どの現場もなかなか原価を予算で押さえるのが難しいことだ。

もともとリフォームは「壊してみないと分からない」とリスクはあるが、だいたいは工夫して予算内におさめてしまえるが「建替えリノベ」はちょっと難しい。

狭小地で敷地の余裕がないとか、搬入道路が狭いなどが多いので、作業面で効率化ができない事が主たる原因である。

戸建てをスケルトンにすることが前提で住宅改修をするのは、予算面においては実に簡単ではない。

なかでも一番気になる工事が解体である。

大掛かりな解体のわりには重機で解体はせず手壊しなので、当初からの予算立ても高くなりがちではあるが、現実はもっと読めない。

近隣への配慮や天候での作業調、順調に撤去するのも難しいが、運搬などに手間がかかり当初の予算をかなりオーバーしてしまうのだ。

また、立地条件にも関係するが、古民家のような昔ながらの家の解体も、手壊しだと原価アップが抑えられない状況が続いた。

それに拍車をかけるのが、解体を解体業者にさせるしかなかった当社の現状である。

会社によっては大工にさせることもあるだろうが、当社は解体業者にさせ、後を大工がやることを標準としていた。

このやり方は、結果的には余計な解体を増やし、壊さなくてもいい物を壊すことになりやすい。

その分、結果的には材料や大工工事が増えるので、ダブルで原価が上がってしまう。

スケルトンを意識するがゆえ無駄な行為が強いられてしまうのである。

コンパクトリノベの発想


スケルトンで新築同然にする「建替えリノベ」は「新築の高性能、新品住宅」で競合させようとしたので、そこには無理があったと反省する。

リノベはあくまでリノベである。

建替えではなく、あくまでリフォームであることの再認識が必要だと痛感した。

新築ではないので、できるだけ既存住宅の再利用できる物を使いながらリノベとして住宅性能を上げ、あと30年安心して暮らせる住宅にリニューアルできればそれでいいのだと。

あくまで住み慣れた既存住宅のスタイルを基本にリニューアルするのが効率いいと考えたのである。

また、これからの時代を考えると、益々住宅購入はコストを押さえたものでなければならない。

なぜなら、今後、空き家問題も更に注目され、処分に拍車がかかるだろう。

タタキ売りになるかもしれない。

そうなると、益々新築は売れなくなって値段を下げてくる。

対抗して中古住宅も値を下げ、流通も競争が厳しくなる。

住宅全体が売値を下げなければならない世の中になる可能性は高い。

それでも高性能住宅は求められるだろうから、そこを理解したリノベ商品を考えるべきで、全面改装工事のローコスト化は必修であろう。

「建替えリノベ」だと、新築に建替えするより400万円安いのだが、このくらいの差だと、近い将来に新築購入と変わらなくなる。

それだといくらリノベがいいと言っても建替えする方がいいに決まっている。

水廻りだけリフォームするぐらいなら気にしなくていいが、住宅性能も上げて家の寿命を30年延ばすリノベなら、現状並みの仕様で2〜3割安く工事ができなければならないことが大切になる。

現状の新築との差が1000万円近くできて、将来の競争がしのげるのではないかと考えるのだ。

そこで、商品開発をしているのが、「コンパクトリノベ」である。

コンパクトリノベのテーマ


コンパクトリノベのテーマは「あなたらしい生活に、ちょうどいい住まい」である。

今の住まいの無駄を取り除き、開放的な空間にすることで、これからの家族ライフを豊かにする。

使える部材を再利用して工事コストをさげて、断熱・気密を上げた住宅に作りかえ、省エネにも寄与する。

1年中快適なあなたの暮らしにちょうどいい住まいを誕生させる。

といったイメージである。

これまで数十年住んでいた家。

その間に家族構成が変わった家族が多いのではないか。

人口分布でみると家族が減少した家が多いので、既に部屋などに無駄が出ている可能性が高い。

その無駄を省略する方法を使えば、住宅向上にかかる工事コストを安くすることができるのである。

例えば、断熱気密性を上げるので外壁や屋根を新しく作りかえるのではなく、その内側に新設する。

つまり内断熱。

そうすると、室内は全体的に狭くなるのだが、間仕切りを取って無駄だったスペースに当てればいいのだ。

そうなると一部屋あたりの面積が狭くなるかも知れない。

では、部屋数を少なく、もっとオープンな間取りを考えてもいいのだ。

これからの小家族住宅のつくりかたは、必ずしも壁で仕切らなければならないわけでもない。

段差や家具などで「精神的な間仕切り」でも受け入れられる可能性が高い。

また、家族構成によっては2階建てが全てにワンルームでも大丈夫だといえる家族が増えるかもしれない。

「高齢者夫婦」「子供のいない夫婦」「子供がいても1人」「親と介護する子供」「シングルマザーと子供」「ペットと2人暮らし」「まったく1人暮らし」。

少人数の家族によって、これまでの間取りの常識が崩されるかもしれないのだ。

また、余計なスペースをなくすことで、建物形状をシンプルにすることができる。

たとえば、1階の面積が広い家を減築し、総2階の家に変えることで、内断熱気密工事がやりやすくなり、性能も出しやすくなる。

やみくもに改装するより、シンプルにした方が工事コストも安いし、減少する家族構成では、広すぎず、ちょうどいい広さにすることができる。

性能もあがれば1年中快適な暮らしができるし、これぞコンパクトリノベの目的である。


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