ビジネスマンが知っておくべき「クレーム対策」パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
新緑の季節ではあるが、一気に暑くなりましたね。

 

美しい緑を横目に、黙々と仕事をこなす方も多いことだろう。
そんな真面目なビジネスマンへ向けた記事として、「ビジネスマンが知っておくべきクレーム対策」についてお話ししたいと思う。

 

少し長くなりそうなので、2回に分けてお送りしたいと思う。
しばしお付き合いを。

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クレームを見極める


ビジネスにおいて、人間を相手にしている以上、クレームは常につきまとう事象である。
いくら真面目に仕事をしようとも、望まずに起こってしまうものがクレームなのだ。

 

お客様からのクレームというのは、大きく分けて2種類あると考える。

 

まず第一に、失敗や対応の悪さからお客様が怒ってしまい、苦情=クレームとなるものがそうだ。
こちらが最も多いケースになるだろう。

 

もう一つに、あくまでも失敗はきっかけであって、潜在的に怒りをぶつけ危害を加えようとしているクレーム(クレーマー)が存在する。

 

この2種は、非常に区別がつきにくいものであるが、後者はかなり厄介なので注意しておきたい。
クレーマーについては、これまでにも何度も発信してきたつもりだが、ここで改めて取り上げたいと思うのだ。

 

端的に言うと、クレーマーというのは人格障害者のことである。
人格障害者が言うクレームは、まともな人が言うクレームとは全く違うということを認識する必要があるだろう。

 

この違いをしっかりと理解しておかなければ大変なことになる。

 

「まともな人が言う発言なのか、そうでないのか…。」
本来、「この人はおかしい」という判断は、話していると誰でもわかるはずだ。

 

しかし、人格障害者の特性を知らなければ、「ただ細かいお客さま」などといった判断で済ませてしまい、付き合ってはいけないクレーマーにとことん付き合ってしまう恐れがあるのだ。

 

そして、社長の大切な時間、会社の貴重なお金を無駄に使ってしまったあげく、心も体もボロボロになってしまうことが少なくはないのだ。

 

人格障害とは、一種の病気なのだからまともな対応をしてはいけない。
熱が40度近くある病人には、豪華な料理やおしゃれな洋服よりも熱が下がる薬が必要である。

 

同様に、クレーマーには、相手の要望に応えることではなく、その病気に打ち勝つ対応が必要なのである。

 

クレーマーには「敗者の理論」は難しい


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まともなお客さまへの対応で、「敗者の論理」というものがある。
「負けて勝て」といったやり方のことだ。

 

例えば、職人さんが現場で失敗したことで、お客さまからクレームをいただいたとしよう。

 

この時、社長が現場へ飛んでいき、口答えや言い訳を一切言わずに「申し訳ありませんでした」と、深々と謝るだけといったものがそうだ。

 

場合によっては、土下座をして、頭を地面につけて「本当に申し訳ございませんでした」とただひたすらに謝ることもあるかもしれない。
土下座まではいきすぎとしても、多少はお客さまにも非があったとしても、こちらがすべて悪いのでどうぞお許しくださいといった表現をするやり方だ。

 

言い方を変えれば、先手必勝、手が付けられないぐらいに謝りまくるというやり方である。
こうすると、まともな人なら、言い訳もせずに深々と謝り続ける人を見て、それ以上の怒りが湧いてくることはないだろう。

 

その一瞬は、情けないという感覚が社長には湧くかもしれないが、それよりも問題が解決するほうを優先した方が良いだろう。

 

ここまで低姿勢でくると「もういいです。わかりましたから」と、失敗に対する怒りは弱まり、「今後どういう対応をすればいいのか」といった前向きな方向に変わっていくのだ。
その場では、さも負けたかのようである。

 

しかし、結果的には、損害を最小におさえ、煩わしい対応に取られる時間を短縮できた=勝ったということになるわけだ。

 

ただ、クレーマーには、この「敗者の理論」は通用しないだろう。

 

深く考えずにクレーマーにやってしまうと、さらに状況をひどくする可能性さえあるのだ。
筋で行くと、犯した失敗などの償いのためには「お詫び」はするべきだ。

 

しかし、その態度によっては、さらに徹底的に責めてくるかもしれないのだ。

 

ということは「敗者の理論」をすることで、さらに怒りに拍車がかかるとか、苦情がひどくなるようなら、そこからはクレーマーに対する対応に切り替えなくてはいけないということになる。

 

これは、クレーマーを見抜く簡単なコツでもあるのだが、本来は、もっと初期段階に見抜いた方が良いだろう。
クレーマーに対応した営業マンに聞いてみると、ほとんどが出会った最初から、まともな人にはない違和感を抱いているという。

 

例えば、「やたら自分や自社のことをほめる」「歯の浮くような御世辞をいう」「ほかの知り合いにどんどん紹介するから」など、こちらに取り入れられようとするために、変に媚を売ってくるような感じがある。

 

しかし、クレーマーは、自分に取り込むのに天才的な能力がある。
最初は違和感があっても、良いことばかり言ってくるので「悪い人ではないな」といった感覚がわいてしまうのだろう。

 

その感覚から、クレーマーの特徴にある「時折、真顔に変わる」「急に怒り出し、すぐ笑い出す」「こちらの失敗に執着する」という赤信号も見過ごしてしまうのだ。
この感覚に惑わされ、ついつい契約をしてしまうのだろう。

 

そして、いったん取り込まれてしまうと、こちらがミスした些細なことにかこつけて、これまで自分の人生で傷ついた心、トラウマ、ストレス、解決していない怒りなどを、一斉にぶつけてくるのだ。
いかがだろう。

 

あなたにもこのようなクレーマーと対峙した経験があるのではないだろうか。

では、クレーマーにはどういった対処をすればよいのだろうか。

 

次回は、具体的な解決策についてお話ししたいと思う。
それでは。

 


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