これから「売れる新築住宅」を考える パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

 

最近、「若者の〇〇離れ」という言葉をよく耳にする。

 

例えば車や酒といった、「現代の若者とされる世代」より上の世代が嗜んだものがそれである。

 

表面的には、今の若者世代がそういったものに関心を持たなくなったとされているが、その背景には経済的な問題や、価値観の変化など、複雑な理由が絡み合っていると言えるだろう。

 

住宅もその例外ではない。

 

なんにせよ、どの業界も、市場の規模が変化する中で、新しい需要の喚起や既存市場の再生を図らなければならないのは確かである。

 

そこで本日は、これからの時代において「売れる新築住宅」とはどのようなものか?について考えてみたい。

 

 

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ローコスト新築販売はくるしい


消費税増税後、新築需要は陰りをみせてきた。
分譲マンション、建て売り住宅では、まだ大きく影響が出ていない地域もあるが、注文住宅販売は苦戦をしているところが多い。

 

なかでもこれまで好調だったローコスト住宅販売会社が打撃を受けているところが多いのだ。
理由を聞いてみると、「新築を希望する人の数が少なくなった」というのと、「新築を買う顧客の質が変わってきた」という声が多い。
それは一体どういうことなのか?
たとえば、少子化によって人口が減って顧客数が減っているということもあるだろう。

 

それに比例して家を買う人の数が減った。
それによって、空き家もふえているので、中古住宅を購入する人も増えている。

 

昨今のリフォームブームの煽りもあって新築の需要が減ったというのだ。
また、顧客の質が変わってきたというのは、ローコスト住宅を買っていた一次所得者のことを言っている。

 

これまでのように「とにかくマイホームが欲しい」という元気のいいブルーカラーが減ったというのだ。
総量も減ったし、考え方も変わったというのだ。

 

これまで、ローコスト住宅のメインユーザーは元気のいいブルーカラーであった。
ブルーカラーというと大企業の工場従事者が多いとすると、生産が海外に移りつつある今日では、おのずと少なくなる。

 

数が減るだけではない、残る労働者の収入は下がっている。
率直に言って、もう買えないのだ。

 

となると、ローコスト住宅会社の営業マンも他の層の顧客にアタックすることになる。
それがうまくいかないのだ。

 

特にホワイトカラーの上位者には、これまでの営業が通じない。
質が変わったというのは、ローコスト住宅営業マンの質をあげないと売れない顧客になってきたということなのだ。

 

 

値段を安くしないと売れない


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こうなると、「今後、新築会社はどうあるべきか?」と言うことになる。
ブルーカラーにおよばず、将来的にサラリーマンの給与は下がり続けると言われている。

 

とくにこれまで主力となった産業では、会社の構造を、なかなか切り替えられないので、どうしてもこの傾向は強くなる。
国民の中では、ますます貧富の差が広がるだろうし、厳しい状況を今後30代のサラリーマンが受けることになる。

 

つまり、これから全体的に今の値段の新築では買えない人が増えるということになる。
その結果、全面改装リフォームや中古住宅の購入に持って行かれる可能性が高くなる。

 

その状況で新築を売るとなると、どうしてもさらに低価格の家になってしまう。

 

ただ、低価格というと「もうこれ以上コストダウンできない」「これ以上利益は削れない」と思われたかもしれない。
もちろん、どの会社も企業努力をしているだろう。

 

なかには限界を感じている会社もあるだろう。
今と同じ材料をつかって、同じ職人でするのなら、今より低価格で売るのは難しいと考えられても無理はない。

 

そこで私が思う手立ては簡単である。
「家を小さくする」ということだ。「小さく機能的な家」「手間がかからず住みやすい家」。

 

これからの時代に求められる需要として、家の規模を小さくすることで価格を落とすこと思考の一つに入れたらいかがであろうか。

 

 

広い家が必要であろうか?


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これまでの「夢のマイホーム」は、白くて広い家である。
庭があって、車が数台おけて、部屋数の多い、リビングの広い家である。

 

しかし、これからの時代を考えると、そんなに広い家を必要とする人ばかりであろうか?
地方だと、一般的な住宅営業マンにきくと、「敷地は、50坪は欲しい」「最低建坪は30坪〜40坪は必要だ」「家族数を考えると4つ部屋はいる」などと言うだろう。

 

しかし、これから少子高齢化の日本でそんな広い家ばかりに需要があるだろうか?

 

このさき、日本の人口の3人に1人が高齢者となる。
子どもとの同居や2世帯住宅も増えるだろうが、それでも家族の人数が減る傾向にはある。

 

つまり、必要となる家の面積も狭くなって自然なのだ。
そのうえ、寿命が長くなったことで建て替えする可能性も今後は増えると思う。

 

たとえば、30代で新築した家に住んでいるとする。
30年経った60歳のときに建て替え時期が来るとする。

 

このときに大型リフォームをするか、建て替えるかの選択がある。
リフォームを望む人もいるが、もし、同じ値段で建て替えられるなら、そちらを選択する人は多いのではないか。

 

寿命が80歳としても、まだ、20年以上人生があるのだから。

 

たとえば、今の古家を、これから20年住み続けるためにリフォームするには1000万円必要だとする。
しかし、25坪しかなくとも1000万円で建て替えできるなら、そちらでもいいという人もいるだろう。

 

子どもが出払い、夫婦2人だと、もう、広くて部屋数の多い家はいらないのだ。
いやむしろ、小さくて、こじんまりとした、使いやすい家の方がいい。

 

ただでさえ、日本は先細り感があるので、見栄や体裁を気にするのが難しくなる。
それなら、今は小さい家でもはずかしくないのだ。むしろ、小さくてオシャレな方が好かれるかもしれない。

 

 

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