農家の改革 パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「農家の改革 パート1」についてお話しします。

農家は中間マージン地獄


日本の農家はいい環境ではない。多くの農家が 適正な利益を上げられないのだ。

その理由は農協が弱体化しているからだと言われている。

依存していた農協がそうなると、あせった農家は販売店への直接取引を拡大させた。

しかし、消費者の多様化も手伝ってスーパーや飲食店の支配力があがってしまい、結果として適正価格で販売できなくなっているようだ。

あわせて流通コストも肥大しており、もう首が回らないといった状況だという。

これだけネットが普及しているので、農家もネットで販売すると選択肢を増やしてはみたようだ。

できるだけ農家から消費者に直接売って利益を確保しようとしたが甘かったようだ。

実際の所、消費者の反応は薄く、新しい仲卸業者の目に止まっただけだという。

結果的には卸業者が増えたにすぎない。

中間マージンを切り詰める方法としてやってはみたが、新たなる中間マージンが発生しただけだったらしい。

簡単には中間マージンを省 略できないようだ。

リフォーム会社のマージン


これは農家だけの話ではなくリフォーム会社 でも同じである。

農協という存在はいないが、よく似た存在から情報をもらいリフォーム業を営む会社が多いのが現状である。

たとえば大手メーカーなどが運営するフランチャイズへの加盟である。

ノウハウ料や顧客紹介料もバカにならず、農家が苦しむ中間マージンや流通コストのようなものが、リフォーム会社でも現実にかかってしまう。

それ以外にも、チラシやホームページで集客するには広告費や人件費が多額にかかっているのである。

そう考えると農家が抱えている問題とリフォーム会社の問題は同じである。

いまはフランチャイズなどが農協のように弱体化はしていないから問題は目立たないが、そのうち同じ道をたどる可能性は高い。

なぜならリフォーム業界に限らないが、今まで以上にネット広告や集客は絶対視されるからだ。

多くの会社は自社でのネット対応は 不充分なので、ウェブ担当を社外に委託して費用を払わなければならない。

ネットの広告費もかさむ。

さらにネットの費用は増えるからである。

それにお金のデリバリーにも手数料がかさむ。

小売店ではそれほど気にならないかもしれないが高額料金なリフォーム業界は手数料がいたい。

消費税対策のカードポイント還元を皮切りに、これからカード需要が増えてくるだろう。

カード支払いやスマホ決裁が重視されると、新たなる中間マージンを増やすだけである。

集金することですら手数料から免れないのである。

さらに中間マージンが増えるので、売上を伸ばしても適正な利益が取りにくくなるのだ。

農業での革命児


中間マージンで悩む農家。

リフォーム会社もそうなる可能性が高いのなら、現状の農家の革命を今後の参考にした方がいい。

ダイアモンド紙によると「農家の改革児」は二つに分類されるという。

一つは、疲労した流通構造の問題点を解決することでプラットフォームを握ろうとする「流通系」タイプ。

もうひとつは、先端技術を武器にプラットフォームを握ろうとする「テック系」タイプである。

「流通系」というのは、生産から消費者までをコントロールする方法で、アマゾンが生鮮食品の配送サービス「アマゾンフレッシュ」をスタートさせたのはこの考えである。

フルフィルメントセ ンターをいくつも建設して、当日配達、翌日配達と配送網を充実させ(まさにラストワンマイル)農家と買い手を確実につなぐ一大勢力である。

セブンイレブンがやり始めた「家の玄関まで商品を運ぶ」というのも同じ考えである。

また、「テック系」というのは、AIやITの最新技術をパッケージにして、農家に提案する大手企業のことをいう。

たとえば、ドローンを使用して「農薬不検出品」の販売などを考えている。

人手のかわりに機械を導入して、人材不足の解消や人件費圧縮を行い、いまの農業の問題点を克服しようとしているのである。

これらをリフォーム業界としてどう受け止めるかである。

 リフォームにも農協がある


リフォーム業界で考えると、いまは住宅・建築 関連の大手企業がポータルサイトやフランチャイズを作り、ノウハウと集客のプラットフォーマーとしてリフォーム業界を束ね大きな収益をと ろうとしている。

いい条件で仕入れコストを下げさせ、モチベーションアップに償金などのエサをぶらさげ、とにかく子飼いのリフォーム会社に自社商品を売ってもらおうと躍起になっている。

これらは農協と同じで、自分達が儲かる為に会員を使っていくのである。

なにかに依存するリフォーム会社は、このままだと農協に依存した農家になってしまう。

農家の革命児のように、早めに自立して商売ができる状態にしておくべきである。

そこで同じ調査結果に 「頑張っている中小規模の農家の話」があったのでそれを書いておこう。

現状で高利益を上げている農家は、大規模農家でなく中小規模の農家に多いそうだ。

こうした農家がどうやって自立しているかを参考にして欲しい。

まず、頑張っている農家は、市場で売れる値段を徹底的に調査しているという。

そして、その値段で売れる農作物を作る方法だけを考え抜いているのだという。

たとえば、スーパーで売れる価格を「ひとパック398 円」だとしよう。

それをベンチマークとする。

そして、それを収穫する畑で、一定面積に植える苗の数を増やし、単位面積当たりの収穫を 2.5 倍にあげる努力をするという。

簡単な理屈だが、むやみに収穫して売値で困るのなら、最初から計画的に取り組んだ方がいいに決まっている。

実際のところ、わずか 3 年で所得倍増にしたらしいが、農協に気にせずやったからできた事だと聞いた。

売値や取り扱う量など、農協の言うとおりだとこういった取り組みができないそうである。

こうした中小農家は大規模農家 より売上げは低いが高収益だそうである。

売上げにこだわらないので多様で高級品が多く、身近な得意先がいるともいう。

農協から脱出する


リフォーム会社だと、メーカーや流通のしがらみだけで商売をやろうとする会社が多くて農協を気にする農家の様になっている。

「適正価格を知る」という概念は低く、ライバルを気にした価格を念頭に、場合によってはどんどん安くチラシに掲載していく。

たとえ仕入れ値が下がっても、その分、売値も下げるのでコストダウンにより利益は増えない。

適正価格をキチンと調べ値付けをするべきで、その中で原価が下がるように努力し、利益を上げる行動をしてみる。

現状のしがらみを崩さずに価格だけを下げようとするから、別の選択肢が考えられないのだ。

たとえば、仕入れ値が下がらないのなら他のメーカーの商品を使うとか、また、職人に特別に製作させるとか、根本的に別の方法を考えることができない。

どこかのしがらみの息がかかっていると、そこから抜け出せないので、発想が狭くなってしまうのである。

だから、根本的に粗利益を上げる取り組みが無理だと嘆く会社が多いのである。


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