大手戦略の裏をいく パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
 
もうすぐ年度末。1年の締めくくりの時期だ。
4月からはどの企業も新しい人材を揃え、事業計画で立てた目標に足並みを揃えて向かって行く。
 
そこで、我々が大手に対抗していくためには、何をどうしていけばいいのか?
今回は「大手の戦略の裏をいく」やり方をお伝えしたいと思う。
 

大手戦略の裏をいく_1

大手のリフォーム状況


先日、大手リフォームチェーンの全国合同会長会というものに参加した。
そこで気づいたことがある。私はこの大手リフォームチェーンの前身企業からの付き合いなので、20年以上彼らの変動を見てきた。
 
彼らはここ数年、国内戦略がリフォーム中心に変わってきた。
全社的に、商品企画、宣伝内容、組織作りや社内の人員の流れをみてもそのことが分かる。他の売上げ目標と比べてもリフォーム関係の数字がでかい。誰が見ても、リフォームをポイントにしたブランド化に進んでいる。大手はやると言ったら一気にやるので、大したものだ。
 
しかし、反面、うまくいきそうな気がしないと感じた。
資本と人海戦術があるので、そこそこはいけるだろうが、ごく一部だという気がしてならない。なぜならそこには「これまで通り大きな市場があり続けている」という誤解があるからだ。
 
相変わらず、大手は「絵に描いた餅」に対して突き進もうとしている。
絵に描いた餅を実際の餅にできるのか?やりきれなく撤退していくのか?この結果によって我々に与える影響はあるだろうが、あまり気にはならなかった。地域密着で工夫を重ねる我々には、彼らはまだまだ勝つことはない、という気がしたからだ。

 

大手は一歩たりない


大手戦略の裏をいく_2
15年ほど前、私はリフォーム成功店として、彼らと一緒に営業マニュアルを作ったことがあった。
 
また、フランチャイズに加盟する250店舗に、セールススキルをレクチャーしたこともあった。よって、大手の実力がどの程度か多少は分かる。「新築そっくりさん」がでた頃、対抗できる全面改装パック商品を作って彼らに提供したこともあったし、ニュースレターの作り方も教えたことがあった。
まさに、彼らの商品ツール作りにも、これまで色々と関係したので、そういった面でも彼らの戦略を知っているつもりである。
 
他にも、フランチャイズ全体の運営指導ということで、本部へのマーケティング指導も数年行った。本部がどう考え、それをどう方針化するか。そして加盟店へどう伝え、どう動かすのか?実際に、加盟店はどのくらいの実力があり、どこに強みがあり、どこに弱さがあるのか。そういったものも頭には入っている。
 
その経験の中で、大手に対していつも感じることがある。
それは「あと、一歩たりない」ということだ。「さすが大手」と思わせる規模とスピードで戦略を進るのだが、いつも「あともう一歩」というところでやりきれない。大手に負けないという気がするといったのは、ここが我々と違うからだ。

 

戦う大手スタッフに熱がない


大手戦略の裏をいく_3
大手は調査や分析に、一流の企業を使ってかなりお金を使っている。
景気状況、未来予測、世界の動きなど、その分析内容はすばらしい。それはそれで私も参考にさせてもらっているので悪くはないのだが、私から見ると、その予測が甘いのと、戦うスタッフに対する期待が大きすぎると感じてしょうがない。
「うまくいけばそうなる」と思えるものが多すぎるのだ。
 
ドラッガーでも「先は何があるか分からない」である。
それなのに、うまくいくことが前提でしか計画をされていないのである。彼らの事業計画書は、ワクワクできるものではある。もちろん、夢多きものだからである。しかし、その反面、失敗したときの大きな不安も感じさせてしまうのだ。
 
大手は、必ずあらゆる地場に子飼いの業者をつくる。自分たちではできないからだ。しかし、地場の中小企業は慎重派な会社が多い。たとえ、ワクワクできる計画であっても、大手のスタッフには、地場の慎重派にやる気を持たせる指導ができない。というより、そもそもそんなに熱がない。これも、大手がうまくやりきれない理由であり、いま一歩で止まる由縁でもある。
 
熱のないスタッフはお金をドブに捨てても、さほど危機感はない。
大体が「お前の責任だ!」と追求されることもないので、恐ろしいほど無関心に新しいチャレンジに走るのだ。「やらされ感」を取り超えて、無表情で戦っているのだ。なので、少し考えればわかる「できすぎた戦略」に疑問を持たない。
 
大手だからサラリーマン根性は仕方がないのだが、こんなスタッフに、地上戦の百戦錬磨の我々が負けるはずがないのである。空爆勝利を考えていたアメリカが泥沼の地上戦にやぶれたベトナム戦争をみても分かるのだ。

 

大手に勝てる戦略を考える


大手戦略の裏をいく_4
さんざん大手の悪口をいった。読んでいる方もイヤになっただろう。
しかし、言わずにはいられなかったので、ご勘弁を。
 
ただ、私はこの状況をみて、単独で戦う地場企業の戦略がハッキリした。
もちろん、セオリーとなることは大手も中小も同じなので、見た目は同じようなことをやることになる。しかし、狙いが違うのである。同じ野菜でも、大手のショッピングセンターに買いに行く人と、近所の八百屋に買いに行く人がいるという事実は変えようがない。大手が考えることに乗ってこない消費者こそが我々のヘビーユーザーであることを、今一度、認識しなければならない。
 
なので、大手が考える戦略を知った上で、その逆をするしかないのだ。
これはいつも言うことだが、大手の戦略になびかない消費者へのアプローチ法を考えるのである。このことは、これまでにも十分されているだろうが「これからは家が売れない」「消費税増税」といった市場の変化にとらわれて、ついつい見失っている経営者が多いので、あえて言わせてもらう。
 
我々のユーザーは何に期待しているのか?値段か?ブランドか?気軽さか?・・・・商品か?技術か?職人か?営業マンか?これらのポイントを再考しなければならないのだ。

 

大手の戦略とは?


大手戦略の裏をいく_5
大手の手法はどういったものか?を少し掘り下げたい。
また大手リフォームチェーンの話に戻るが、どの大手もおおむね同じなので参考にはなるだろう。
 
会長会議では、まず、右肩上がりの売上げ成長予測図が出された。
そして1000億円のリフォーム受注を目標とした全国No.1のリフォームフランチャイズを目指す意思表明もされた。そのために現在ある450店舗を600店舗に増やし、取り扱い工事の単価をアップさせる方針を説明した。相変わらずである。これまで強気で押してなんとかなった過去を捨てられないのか、右肩でないと許してもらえないのか、あいかわらず考えが単純である。
 
主力商品としては「新築二世」といわれる全面改装パック商品を一部の店舗だけ取り扱いさせていたのが、全店に取り扱いさせる。また、同様にリフォームコンシェルジュという高グレードのスタッフイメージをつくり「ライフスタイルコンパス」というヒアリングシステムを使って、工事単価の高いブランド層をねらおうとしている。
 
まさに、一つ格が上の店作り。
物販系の小工事、安売り販売の量販店とは対照的に、専門家としての人間力が強い店舗づくりが大きな方向性だ。

 
 
 
 
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