問題を完全に終息させる秘訣 パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

 

8月も末にさしかかったが、うだるような暑さが続いている。
夏バテ対策は大丈夫だろうか。自分の体調に合わせて、無理のないようにしたい。

 

さて、今回は会社という組織に起こる問題をどのように解決していけば良いかという点についてお話ししたい。

 

理屈を事前に理解しておくことで、今後なんらかの危機が迫ったときに役に立つようになるので、特に社長や会社経営に携わる方は目を通して頂きたい。

 

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組織は問題が起こるもの


会社に限らず、世の中には大中小と、いろんな組織がある。あらゆる組織は、絶えず、問題が発生するものだ。しかし、多くの人は、そこでおきる問題に正面から立ち向かわない。なにかと理由を言っては、逃げる人が多い。

 

ただ、多くの人が、そうなることを予感できなかったわけでもない。だいたいが予感しているのだ。つまり、生じた問題にたいして、きちんと解決しておかないと、問題が大きくなり、益々自分を苦しめることになると予測しているのだから不思議だ。分かっていても、やれないのが人間だということなのか?
 

今がよければいい。将来は将来。この考えは間違いではないが、だからといって、将来起こりうる問題を予測しながら、今手を打たないのは怠慢である。中には、今が平和だからいい、そんな大きな問題にはならないと、将来への予感を安易に考えている人がいるかもしれない。しかし、いま、どれだけ平和であっても、組織は問題が必ず生じるのだ。

 

だからこそ、いつも、会社内の動きには、社長は敏感でなければならない。絶えず、安心してはいけないし、安易に考えてはいけない。社員の動きや発言、取引先の態度、顧客の言葉や動向などを、注意深く見ておくべきなのだ。
 

山火事は燃えつきるまで待つ


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山火事・・・って、いきなり何の話?と思われたかもしれないが、この言葉の意味は深い。以前、税理士の岡本吏郎さんと話したときに、この話題が出て、私なりに気づいたことがあった。
 

彼から聞いたのは、こういう話だった。アメリカの消防士の話で、山火事が発生したときに、ヘタに早く消そうとすると、逆に火災は増え続け、自分たちの仕事がいつまでたっても楽にならないという話
 

これだけ聞くと意味が分からないが、アメリカは日本と比べると、かなり空気が乾燥しているという。よって、ちょっとしたことで山火事が起きやすい。冬場だと、ほんの少しでも風が吹くと、木に摩擦がおきて簡単に火がつくらしいのだ。
 

ということは、消防士は、冬場、しょっちゅう山火事の消火に、かり出されなくてはいけないという状況になる。ひどいときには、朝昼晩、いつ招集されるかは分からない。そのストレスは大変なものであろう。なんとか、ストレスは少ない方がいい。もっと、楽に仕事をしたい。そう思っている消防士の数が多くても無理は無いだろう。(楽をしたいといっても、サボることだけを考えている日本のサラリーマンとは、別物であろう)
 

では、どう努力をしても、消防士は楽にはなれないのかというと、そうではないという。あることをすれば防げるというのだ。たしかに、乾燥した空気はどうすることもできないのだが、火災の回数は減らすことができる。というのも、一度火がついた山火事にはヘタに手を出さず、大火事にして燃え尽きるまで待つ、火事を止めないことに効果があるというのだ。
 

火種を残さないために


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「それは無茶だ。大火事は危険だろう!」と思われたでしょうが、彼らはそれでいいんだという。どんな大火事であっても、いつかは消える。これまで、山火事でアメリカ全土の木を燃やしたことは、まずないからだと。そんな単純な理由で言ったのだろうか?それとも、いくら最大の努力で消火活動をしても、全く火災がおさまらないこともあるから、しょうがないから火が消えるまで、燃やすしかないと、あきらめたというのか?

 

いや、彼らの真意は違う。いったん山火事が起きる、早期消火はいいことだが、小さい山火事を完璧に消し去るのは難しい。消火が中途半端であったとか、油断して残り火を見過ごしてしまった、ということがあると、あとあと、いろんな場所から、残り火が再び炎をあげる可能性があるというのだ。

 

そうなると、火事は断続的につづき、結果的には、消防士の忙しさは免れなくなる。山火事の早期消火は100%完全じゃないと、あとから仇を返してくるのだという。それなら、いっそのこと全部燃やせばいいと考えた。大事になって、危険も増すようだが、あとからくすぶった火が燃え上がるのなら、今回でカタをつけた方がなにかと都合がいいとも言える。
 

例えばリフォーム会社の営業をしていたとして、「どんな商品を売り込むのか?」というポイントは顧客の中からしか生まれない。しっかりヒアリングして、家の問題点、家族のこと、これまでの自分の人生や考え方、これからなど、しっかり顧客のことを理解して人間関係を深めてから悩みに応じてセールスをかけなければ、顧客の心には残らないのだ。

 
こんな笑い話のような話を聞いて、1つわかったことがある。山火事は被害の少ないときに消すことで、結果として、もっと手間のかかる大火事へと変えてしまう可能性があるということだ。だから、消防士が楽になろうとすれば、山火事は燃え尽きさせたほうがいいのだ。そうなれば、消防士は今すぐの消火活動をしなくともいいし、全部燃えてしまっているのだから、近い将来に火災でかり出されることはない。つまり、今も将来も楽になるということ。
 

社内の問題も燃えつきるまで待つ


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これを、会社に落としてみる。たとえば、会社内で問題が起きたときに、あなたはどうしているか?会社の成長度合い、会社の方向性によっても違うだろうが、問題に対する対処法としては、山火事の話は参考になる。
 

たとえば、社内の人間関係に衝突がおきたとしよう。これは気になる問題。もっとも、会社を立ち上げたばかりだとか、会社がつぶれるかどうかの境目とか、そういう状況の会社の社長だと、そんなに気にならないだろうが、組織作りに努力する社長なら、このことは危惧するはず。

 

対策としては、なんとか問題がこじれないように、衝突する当人同士を呼んできて、表向きだけでも仲直りをさせようとしていないだろうか?この衝突が飛び火して、他の社員も巻き込むと面倒だと、体裁よく話をまとめようとはしていないだろうか?

 

それを山火事で置き換えてみるとどうだろう?

 

山火事の早期消火は問題があるといい、山全部を燃やさないと、次の火災は止められないという。このことで置き換えると、根っこから問題を解決するには、当人同士だけの和解では物足りないかもしれない。社内のあちこちで同じような問題が火をあげるかもしれない。今後、同じような問題を再発させないためには、もっと、会社全体に、今出た問題を広げた方がいいのでは?という解釈になる。

 

つまり、単なる、二人の衝突ではない。この際、会社全体を見直した方が、真の原因が解決出来るかもしれないということになる。社員全員に、いま、社内でおきていることを受け止めてもらうのだ。文句がある人には文句を言わせ、問題点を感じている人には考えを述べてもらう。場合によっては、社長が責められなければならないところは、どんどん攻めてもらう。

 

もう、山火事が燃え尽きるまで、恐れず、面倒がらず、とことんまで問題を広げてみろということ。そっちのほうが、火は、自然に消えていくし、再度、燃え出すことはないということ。これは、理屈にあう。
 

社長にとっては、逃げたくなるような場面があるかもしれないが、それを乗り越えることが重要だし、そこまで、思い切ってやることで、将来の危機を緩和することはできるだろう。
 
 

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