部下のモチベーションを維持させる パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
 
 
前回の記事では、「上司が部下を圧力によって行動させる」といった意味のKITAについて説明をしてきた。また、それに伴うリスクについても理解して頂けたと思う。
 
 
では、KITAを使わずにどうやって部下のモチベーションを維持していくのか?この問題は多くの経営者の悩みの種であり、延いては会社の経営に大きく関わってくる問題だ。
 
 
そんな悩みに対して、今回は具体的な解決案を紹介していこう。

 
部下のモチベーションを維持させる_2

KITA以外にモチベーションをあげるには


部下のモチベーションを上げるならKITA以外になにがあるのだろうか?たぶん、あなたもいろいろと工夫されているだろう。
 
 
たとえば、労働時間の短縮がある。ついつい長時間労働になりやすいので、「早く帰れ!」という号令や、残業時間のカット(これは法的には問題あるが)などを行い、できるだけプライベートの時間をつくろうというもの。
 
 
しかし、これもKITA になっているのなら見直さないといけないし、個人では限界がある部分を手助けしてあげないといけない。
 
 
たとえば、仕事の配分、役割の決定、見込み客の割り当て、といったことは上司でなければできないことである。ただ、会社の業績向上と反比例して労働時間を下げるのは簡単な事ではない。
 
 
しかも、モチベーションの高い人は、そもそも仕事をしたがるし、やりたくない人はどれだけ時間短縮してもキリがないから労働時間の短縮の効果ははかりにくい。
 
 
また、上司と部下のコミュニケーションの充実 によって、モチベーションの維持をしようという人もいるだろう。コミュニケーション力やカウン セリング力をあげ、上手に部下に指示を伝え、そして、部下を理解することで、やりがいをみいだそうとする上司もいる。
 
 
しかし、精神的に手をかけすぎるのも良し悪しで、かえって部下がダメになるということもある。親子の関係を見ていると分かるが、親からの積極的な愛情は、やりすぎると子供を甘やかし、場合によってはグレることにもなるからである。

モチベーションを業務内容の改善であげる


部下のモチベーションを維持させる①_2
では、部下のモチベーションを上げる効果的な方法はどうすればいいのか?
 
 
そのヒントの一つ に「改革するのは部下自身ではなく、部下の業務内容であり、部下を取り巻く業務環境である」という方法がある。
 
 
というのも、個人のモチベーションは自分だけで作られ、自分だけで持続できるものではないからだ。ましてや、過酷な業務環境の中では、個人がモチベーションを維持するのは限界があるだろう。
 
 
よって、ここでいいたいのは、部下の社員改革へのチャレンジではない。その環境の改善だ。彼らが携わっている業務をいいものに変えるしかないのだ。
 
 
私が行う1億円プレイヤー育成合宿に参加された人なら分かるが、このノウハウも環境の改善が必ず必要となる。私は1億円プレイヤーをつくる為に、まず、その本人に、顧客の心理を理解するところから始める。
 
 
そして、コミュニケーションスキルのアップ、また、どんなステップで顧客に意志決定させるか?といった知識を教え、営業マン自身の改革を行っている。しかし、それだけなら限界はある。なので、会社の環境を整えるという工夫を与えている。
 
 
たとえば、リフォーム営業マンから現場管理を取り上げる。営業に専念できるように煩わしい現場管理を職人に任せる「監督業の発注」というアイデアを使った。
 
 
また、シロウト営業マンでもすぐに概算見積ができるように、単価表、過去の見積の綴りなどを、携帯させるようにする。
 
 
工事が終わったあとの協力業者からの請求書の査定や価格折衝などの業務も、ルーチン化させ女性パートにでもできるように改良した。こうして環境を整えることで、営業マンのモチベーションが落ちにくい。

満足につながる要因でモチベーションをあげる


部下のモチベーションを維持させる②_2
また、別のヒントもある。それは、人間には2種類の欲求があるということを知っておくとい うことだ。
 
 
というのも冒頭で紹介したハーズバーグ教授が1959年に執筆した「作業動機の心理学」の中で、「人間が仕事で満足感を感じるとき」を多くの企業調査によってまとめている。
 
 
その内容には、2 種類の欲求があり、満足感につながる要因は、達成感、他者からの評価、仕事内容の満足感、責任感、進歩、個人的な成長、であるとした。
 
 
そして、不満足への要因は、会社の方針、職場環境、給与、地位、雇用の保障といったものであった。
 
 
これで見ると、一般的に社員のモチベーションをさげている要因は、収入が大きくかかわっていない事が分かる。
 
 
そして、不満足いたるものは衛生要因である。つまり、生きていくのに最低限必要なものの欠如が不満になる。
 
 
そして、満足の素は、まわりの評価、責任、成長、が占めている。当たり前といわれれば当たり前だが、この結果に私は賛同できる。
 
 
なぜなら、私もこれまで多くの社員を育ててきたが、モチベーションの高い社員をみると、この結果と同じことが当てはまるのだ。
 
 
収入や地位、会社の方針などは、もちろん必要だが、それより、責任感、進歩、個人の成長を与えられた社員がそうなっている。
 
 
そこには、他者からの評価や仕事 内容の満足感があってこそそうなるが、ベースは、この3つだ。

モチベーションアップがなによりも優先


成功には健康が必要である_1
さて、いまKITA以外で部下のモチベーションをあげる2つのヒントをいった。
 
 
ひとつは、改革させるのは部下自身でなく環境である、といったこと。そして、もう一つは、満足する要因である、まわりの評価、責任、成長、を満たす行動がよい、といったことであった。
 
 
この2つは具体的なヒントのようで、かなり漠然としたヒントでもある。しかし、上司が部下に指示・指導するときに、その言葉や内容が、この2つに当てはまるかどうかをチェックするときの基準になるのではないか?
 
 
部下のモチベーションを下げさせないというのは、本当に大切なことである。当たるチラシや反応のいいホームページをいくら手にできても、それは比べものにならない。
 
 
そして、モチベーションはデリケートなものである。一瞬にしてなくなるものである。だからこそ、上司はなによりも重視しなければならないのである。

 

 

 

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