変化する組織に必要なリーダー パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
長引く自粛生活が解除されました。
これから挽回していけるように頑張りましょう。

さて、今回は「変化する組織に必要なリーダー パート2」についてお話しします。実は約4年前に記事にした内容ですが、今一度とりあげたいと思います。

リーダーの良さを仕事に反映させる


たとえば、リフォーム業界は成長業界であり、今後、ライバル会社との戦いが盛んになるとする。
そこでは、大手企業が数の理論で勝負を仕掛けてくるとする。
では、地域密着で商売をする中小企業の我社はどうすればいいのか?という課題があるとする。

そこで、まず、リーダーは我社がこれまで商売が続けられてきた勝因は何かをきちんと理解しないといけない。
もし、定期イベントを行い、地元の顧客と繰り返し対面し交流を持つことで関係を深め、次の購買につなげていたとする。
ならば、その手法をさらに自分が深められるのか。
自分自身のキャラクターでどう改善していけばいいのかを考えるべきである。

たとえば、自分は「イケイケ派なのか?」「じっくり派なのか?」また、「口八丁手八丁なのか?」「聴く営業を実行しているのか?」顧客に対しては「買ってくれさえすればいいのか?」「顧客の感謝の言葉が一番うれしいのか?」こういった具体的なリーダーのキャラクターを、これまでの会社の勝因とうまく結びつけられると、社長が彼を見込んだ事が生きてくるはずなのである。

顧客から見える我社のメリットと社長の期待があいまって、はじめて部下の期待を手にできるのではないか。
もし、いくら結びつけても明確な答えが出せなくとも、このことを考える姿勢が、リーダー育成だと理解していいのである。

 

リーダーは組織に活力を



また、組織で必要なものは、とにもかくにも勢いや活力である。
事務所に入っても「し〜ん」とした感じではいけない。
だれもが遠慮なく話し合いができるような、勢いのある組織でなければいけない。
ということは、リーダーは勢いや活力に理解を示し、そのことに責任意識を持つ人にならねばならない。
自分に与えられた仕事だけこなせば、組織の勢いは関係ない、ということならリーダー力は発揮できないのである。
つまり、リーダーは部下に、勢いの源になる「喜び」や「達成感」をどう感じさせるか?ということが大切となる。

では、どうやってそれを得られるか?ということになる。
そこで、重要なのが部下との交流である。
部下は社内で何を期待し、現実はどうなっているか?を理解する必要がある。
どこで、どんなときに喜びや達成感を感じているのだろう。
そこを聞きだして、そういった機会を少しでも増やしてやることを考える事が大切なのだ。

そこで、いま携わっている仕事を通じて達成感はあるのか?と聞いてみる。
たぶん、答えはノーであろう。
多くの部下がそういうと考える。

しかし、それはしょうがないことだ。仕事は大変なものだ。
つらいことをやらないといけないし、いやな人の話も聞かないといけない。
どれだけ工夫しても、面白くやりがいのあるものにはならない、ということだろう。

大切なのは、そういう考えを否定せずに、まずは受け入れてあげることだ。
そして、最初は仕事以外でもいいので、達成感を感じる体験を与えることでもいい。

 

仕事をはなれた行動をさせる



仕事で達成感が得られない部下であっても、他のことならよろこんでやることもあるだろう。
たとえば、飲み会の幹事を率先する部下はどうだ。店と交渉するとか、会費を一人ずつあつめるとか、めんどうな事を喜んで行う者がいる。また、交際している彼女や彼氏、家の女房や旦那さんを喜ばせようと、いろいろ工夫する部下がいるかもしれない。

他にも、趣味に凝る部下はいないだろうか。
仕事が終わってから疲れていてもスポーツジムにいくとか、昼飯を節約してでも大金をはたいて釣り竿を買ったりする部下とか。
もし、仕事では味わえないような楽しさや喜びを感じることができる部下なら、工夫すれば仕事でもなんとかなるかもしれないのだ。

このことは、すでに私は昔から試している。
仕事以外で達成感が得られる事を与えて、そのノリを社内の勢いにつなげている。もう10年以上続けているものに「業者会の運営を社員に任せている」というのがある。
これは「対協力業者対策」にもなるのだが、業者会事業でレクレーションや講演会など、部下のそれぞれが企画することで、終わったときの達成感を感じてもらおうと思ったものである。
企画立案、当日の進行は、仕事をしながらだと、めんどうだともいえるが達成感は感じてもらえる。また、通常の仕事とは違って上司部下の上下関係もなく、楽しんでやれるように工夫しているので、大学の学園祭の実行委員会のような達成感があるのだ。

また、多くの会社がやっている社内での部活動。
野球、サッカー、マラソンなど野外活動もいいのではないか。
地元の小学校・中学校のPTA、NPO活動、ボランティア活動などに携わる機会をもうけて、仕事以外で達成感を味わう事を増やすこともいい。
これらのアイデアは、以前、2人に1人が週3時間ボランティアをやっているアメリカの現状を聞いたとき思いついたことだ。

そのぐらい人はたのしさ、やりがい、達成感、自分の価値、といったものを仕事だけで手に入れるのは難しいということだ。
つまり、組織の勢いや活力は、そこで働く人がどうであるかしかなく、リーダーはその理屈を理解した上で、柔軟性をもった組織作りを行うかである。
どう仕事をさせるか?より、どう部下のモチベーションを持続させるかが大切なのである。

 

部下が仕事に集中できるよう



また、部下のモチベーションとあわせて集中力を高める工夫も必要となるのだ。
集中力には体のバランスが大切になる。
ここで、注意しないといけないのが長時間労働だ。というのもリフォーム業は長時間労働する傾向にある。

よって、休日・残業時間の短縮には全力で取り組まなければならない。
どんな部下でも、成長や能力のアップは、休暇や余裕によって生まれるからだ。
体が疲れているとか、心に余裕がない人に、会社の期待に答える仕事はできない。
この原則をリーダーは理解しておかなければならない。
そして社長は、リーダーがそのことを強く主張ができるように会社の風土を見直さなければならない。
 

部下との接し方が大切



ここまでいろいろ話したが、組織に変化がおきたとき、また、それに備えてリーダーをつくるポイントであったワケだが、あともう少しだけ付け加えておこう。
さきほど、組織には勢いと活力が必要であるといった。
そのことをリーダーは意識しなければならないともいった。
大切な事ばかりだが、もっと簡単なものに「リーダーが部下にどう接するか」というコツがある。
実に簡単なことだが付け加えておこう。
具体的には「部下からどう聞いて、なにを言うか」という簡単なコツである。

まず、部下と接するときは、その姿勢が重要である。
部下を理解していることを感じさせる姿勢である。
なかでも、部下から話を聞く時が重要である。
とにかく、話を真剣にきいていることが部下に伝わらないといけない。
目を見て話をきくとか、途中で遮ったり、否定したりしないとか。この姿勢をキープすることがリーダーの仕事である。そして、部下に同じ注意を何度もできるかどうかが大切である。
感情をぶつけることなく、何度でも受け入れるという姿勢が取れるかどうかである。

よって、1〜2度した注意したのに部下の悪行動が是正されないときに、あきらめないことだ。
丁寧に注意し続ける。これも、リーダーの能力であろう。
しつけは繰り返ししなければ身につかないものである。
その意味もあるが、何度も何度も、言い続けられる強さがリーダーには必要なのである。
そして、その道中に「言い訳をしない」という態度が合わさると完璧になる。
どうだろう、リーダーとしての立場を安定させるのは難しい技術はいらない。簡単なポイントを押さえるだけでいいのだ。

 

さいごに



さて、いかがだったろうか?
世の中の変化によって、会社も変化を受けるかもしれない。
そのときには、組織は動く。そこで必要なのはリーダーづくりだといった。
そのことについて理解していただけただろうか?
社長によっては、「会社には社長以外のリーダーなどはいらない」という人もいるだろう。
「優秀な社員を育てても、独立するなどして会社を去るだけだ」というのである。その通りだろう。
人間は勝手な動物なのでその通りなのだ。

しかし、だからといって部下に期待をかけない、育てない、というのはあまりにもさみしくはないか?
「仕事を教えて、使えるようになったら、さっさとやめてしまう」ということに落胆し、部下を信用しないという組織の組み立ては、あまりにもさみしくないか?ということである。

さみしい、さみしくないで、会社経営はできないだろうが、とどのつまり、人間のよろこびや悲しみ、また幸せというのは、人間関係からしか生まれない。個人商店で収まりたくないのなら、会社の成功もそうであろう。
そう考えると、裏切られることを恐れないで欲しいのだ。いくら考えても、人を信じないということにメリットがあるとは思えないのだ。
裏切られたときの対策はたてても、あきらめず人を育てることに、ぜひチャレンジしてもらいたいのだ。できればの話ではあるが・・・


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