新人育成について パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

さて、今回は「新人育成について パート2」についてお話しします。

具体的なツール


①仕事の手順シート

ここからはデイリーメールを使いながら、活用したいツールについて紹介しよう。最初に紹介するのが「仕事の手順シート」。新人であっても複数の仕事をこなす必要があれば、その仕事毎に作成するのがいい。もうすでに「業務マニュアル」「職務基準書」などでやるべき仕事を明文化している会社もあるだろうが、こういったシート形式でやるのもいい。

シート№

仕事名

・ 仕事の手順

・ 具体的な手続き

・ 注意すべき点

こういったシートだと、やるべき仕事が端的に分かる。

マニュアルだと法令書のようにある順番でしか読めず、使い勝手が悪い。

それがシート形式になると、実際に目の前にある仕事単位でシート分けできるので、新人のように仕事に慣れて無く、並列して業務を組み立てにくい人だと、その仕事毎に手順や手続きが分かっていいのである。

②実習記録

これはデイリーメールとかぶる部分もあるので、使い方はお任せするが、実習記録として残すことでケーススタディをためることはできる。会社によっては業務マニュアルを、実際に使っている社員がケースバイケースで項目を付け足すとか、修正するとかして更新している。それもいいのだが単にケーススタディを残すこともいい。

○月○日○曜日

・ 今日やったこと、学んだこと、たずねたいこと。

・ 指導員のアドバイス、意見、回答。

初めて仕事に挑む人たちは「分からないことがいっぱいある。

この会社で仕事をやるには、覚えることが一杯で私にできるか・・・」と不安になることがある。

しかし、主流となる仕事はシンプルで、そう複雑なわけではない。

仕事のできる熟練者になると、あれこれ平行して多くの仕事をやるのでそれは真似できないが、新人がやることはそこまでもない。

業務内容を端的にまとめ、明文化することで「覚えることが一杯ある・・・」といった不安を和らげることができる。

実習記録は今回だけでなく、これからの会社の新人育成にも必要なツールとなる。

③入社後の私

デイリーメールや実習記録の活用は、新人がスムーズなスタートを切れるだろう。

ただ、これは新人の間だけでなく、一人前になってからも必要に応じて続けた方がいいだろう。

いずれにしろ、させている間は定期的に行動を振り返る時間を取るのがいい。

たとえば入社1ヶ月ほどした社員には・・・

・ この1ヶ月で自分が成長したと感じること。

・ 今まで学んだことや、仕事の上でもっと努力しなければいけないこと。

・ いままで一番楽しかったこと、悲しかったこと。

・ いままで一番つらかったこと、うれしかったこと。

・ 指導員のアドバイス。

・ 所属長からのアドバイス。

まずは、自分の成長の確認と、見えてきた課題についての問答だろう。

それとあわせて仕事を覚えたてでもあるのでメンタルな部分のチェック。

そして、上司からのアドバイスをする。

ここは、厳しい指導というより、新人の現状を理解してあげるといった感じであろうか。

そして、入社3ヶ月ほどすると・・・

・ この3ヶ月学んだこと。

・ 3ヶ月の感想と決意。

・ 指導員のアドバイス。

・ 所属長からのアドバイス。

といったようにして、学んだことから次なる課題への挑戦と言った流れをくり返していく。

さらに一定周期でおなじ事をくり返し、一つ一つ確実に成長していく流れにのせていく。

本人に考えさせる


新人でも、少し仕事に慣れてくると、要領よく仕事をしようと考えるものである。

どんな仕事でも結論を聞きたがる。

いろいろ説明しても「要するにやることはなんでしょう?」といった感じになる。

仕事は全てデジタルではない。

白か黒でなく、白なら白になった経緯や意味なども知っておかないといけない事が多い。

だから、その経緯などを説明しだすと「上司は話がながい」といって茶化される。

説明している上司も、部下が分かっているなと思えば、くどくど言わない。

結論というか答えというか、それだけを鵜呑みにして間違わないかなと案じ何度も言ってしまうのだ。

そうといっても答えを欲しがる新人の気持ちも分からなくもない。

よって上司は教えるときに一手間加えなければならない。

それが「いったん本人に考えさせる」というものだ。

新人が質問してきたことの答えを新人自身で考えさせる。

「ぜんぜんわかりません」といっても、それでも「自分なりに出してみろ」といって待つのだ。

いったん答えを出させ、間違っている所や悪い所を修繕するようにして答えをいうやりかた。

なかなか答えが出てこないと場がしらけるし、追い詰められた新人のことを考えるとかわいそうだが重要な行為だと理解してほしい。

「すぐに答えを出して安易に受け止めさせない」こと「自分の意見を言えるようにする為」には必要な一手間なのだ。

さいごに


今回取り上げた新人育成についてだが、あなたの会社にどこまで貢献できるか分からないが、それでも重要性はわかってもらえたのではないか。

世の中は、どこも人材不足であり、建築業界では職人育成の学校ができるとか、次の人材作りに必死である。

なかなかこれまであった既存職種を選んでくれる人が減ったのだ。

ここでいえるのが、これまでの会社のあり方が問われていると言うことであろう。

従業員は給料と対遇さえよければいいだけでは済まされなくなった。

会社はパフォーマンスだけをあげることを考えて突き進む方針に限界が来ているのだ。

もっと、社内メンテナンスが必要となる。

社内メンテナナンスとは、一つが会社の労働環境の見直しである。

そして、人材教育、また人材へのメンテナンスということになる。

そのなかで、新人がどうスムーズに会社に入りこみ、仕事がやれるようにできるかといったことは、とても大切なことになる。

もし、これまで、新人が入ってきたら先輩社員任せで、特に管理のしかたや育成のしかたについて社内で固めていないのなら、それはこれからの時代に即していない。

ここでは、単なる新人育成のやり方だということだけで終わらせずに「これからの時代の会社としてどうあるべきか?」といった事への取り組みとして考えてもらいたいのだ。


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